土星

手相学のロマン〜土星

実際の土星は地球から一番遠い惑星とされています。1997年に打ち上げられた探査衛星カッシーニが、土星の軌道に入ったのが2004年。2017年には、人類で初めて土星の環の間に突入し、様々な成果をもたらしたそうです。

現代の科学によって、映像やデータをもとに宇宙の神秘が証明されてきています。けれど、人は太古の時代から宇宙に関心を持っていました。

その証拠に、土星など惑星を使った占星術は古代バビロニア時代に確立されたと言われています。古典的占星術では、7つの惑星を使ってホロスコープを読むわけですが、手の中に同じ7つの惑星エネルギーをあてて読み解いて行くのが西洋手相術です。したがって、占星術的な惑星を深く理解すると手相学の真意に近づくのです。

今日は、7つの惑星の一つ:土星について手相学的にお話ししたいと思います。

手のひらに配置された7つの惑星

手相占いを学んだことがある方はご存知だと思いますが、西洋手相学では手のひらに9つの丘と平原という10の異なるエネルギーが存在し、それに関係して線を読んでいきます。

宇宙4

手の中の10の異なるエネルギーとは下記の通りです。

  ・木星丘(Jupiter mount)
  ・土星丘(Saturn mount)  
  ・太陽丘(Sun mount)
  ・水星丘(Mercury mount)
  ・第一火星丘(Major Mars mount)
  ・第二火星丘(Minor Mars mount)
  ・火星平原(Mars field)
  ・金星丘(Venus mount)
  ・月丘(Moon mount)
  ・地丘(Earth mount)

7つの惑星

地丘を除くと、古典的占星術(ホラリー占星術)で使う7つの惑星の存在があることに気がつきますね。

占星術においては、17世紀に大きく変容したと言われていて、現代の占星術では、冥王星や海王星なども使われているそうですが、古代から行われていた占星術は7つの惑星しか使っていません。

このことから、手相学は占星術と密接に繋がって発展したことがうかがえます。

古きを温して新しきを知る〜西洋占星術の起源

手相術の真髄を知るには、古典的占星術の知識を得ることが欠かせません。
そこで、私は、6年ほど前からホラリー占星術を学んでいます。

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天文学は紀元前2000年バビロニア時代には存在していたそうで、当時の粘土板に5つの惑星(水星・金星・火星・木星・土星)の運行表が記されているとか。この5つの惑星に月と太陽を加えた7つが占術に使われているというわけです。

占星術は、カルディア地方に住むカルディア人が確立したとされています。カルディアという言葉は、カレンダーの語源。みなさんがお使いのカレンダーの7曜日は占術で使用されている7つの惑星です。

ここで注意しなければならないのは、現代の天文学と古典的占術で使用されている宇宙論は全くベースが違うということ。
紀元前から使われている占術は、天動説を基にした宇宙論です。実際問題、月は惑星ではないですからね。

天文学的に違っているから紛い物だ!
という方もいます。けれど、何事も「古きを温して新しきを知る」
先人の知恵を知らずして真髄には近づけないのだと思います。

土星

7つの惑星の一つ、土星は、地球からもっとも遠く、地球からみると動きも遅く、星の色も変化に乏しいため凶星とされています。また、破壊と再生の星とも言われ、古典的占星術では「生と死を司る星」とされます。

占星術の土星:Saturn(サターン)はGod of Door。神が開く扉です。
土星が、魂の出入り口と言われていることの所以です。

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現代における天文学的土星はというと、やはり破壊と再生の星だそう。
土星という惑星は、地面のないガス惑星で水素とヘリウムで構成されていて、強い引力を持ちます。超高圧金属水素や高圧液体水素の分厚い層で地面という実態がないそうです。そして、恒星などが近づくと摩擦熱で溶けて蒸発してしまう、まさに破壊の星です。

占星術と手相術を繋ぐ〜手の中の土星エネルギー

古典的占星術で惑星を語る時、ギリシャ・ローマ神話の神々を語らずして確信に触れることはできません。
土星は、ギリシャ神話ではクロノス、ローマ神話ではサトゥルヌスという神に象徴され、時を司る神であり、農耕の神です。

手のひらの中では中指の付け根が土星エネルギーです。

土星丘

では、惑星:土星の占星術的意味から手のエネルギーを探っていきましょう。

土星は時の支配者とされており、一日一日時を刻み生きている人間の肉体の意味を持ちます。

中指付け根に伸びている運命線は、この肉体で刻んできた人生の軌跡です。

土星は時間による制限を意味するため、規律や法律、ルールの意味を持ちます。

手の中の土星の力が強い人(運命線が濃い人や中指が太い人)は規律を重んじるが如く、自分がせねば!という思いが非常に強い傾向があります。これを自我の強さ、精神力として読んでいくのが手相術です。

土星は地球から一番遠い星、天界との境目にある星であることから、境界という意味を持ちます。

中指(土星指)は別名Wall finger。壁(境界)の指と言われます。
そして、中指の先端(第一指節)は魂の出入り口という意味を持ちます。

土星のエレメントは、Cold & Dry。Coldとは不動を意味する性質です。

土星丘(中指付け根)に向かう運命線は自分の意志で動かさないと動きません。動かないと実際の人生も動きません。
運命線は上手に使わないと人生を破壊することになってしまいます。

まとめ〜土星に向かう運命線

手首の方から土星丘(中指付け根)に向かう線は、全て運命線で人生の軌跡が記されています。出発点は0歳、終点である中指付け根が晩年。つまり、生と死を司る線です。

占星術同様、手相学でも土星は凶星。上手に使わなければ人生を破綻させる可能性があります。

手相は、一人一人の生き方マニュアル。

運命線は、どんな風に人生の時を刻めば、凶を吉に変えることができるのか、破綻した時、どんな風に再生すれば良いのかを教えてくれる大切な情報源です。
上手に使って生きると自分らしいクリエイトできるのです。

運命線の上手な使い方については、下記のコラムでもご紹介していますので、ご参照ください。
手を読む技術は一人ひとりが自分の人生を生きるためにあります。


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