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アルゴリズムエンジニアの転職体験談


はじめまして。
キャディ株式会社でエンジニアをやっております、hasssiiiです。
今回は、昨年5月に転職してきたときの経緯や心境を振り返ってみます。
似たような状況の方の参考となれば幸いです。
(弊社への応募を迷っている方の決断を後押しできたら、もっと幸いです)

キャディについて

金属加工品の見積もりサービスを軸に、製造業の受発注プラットフォームを目指しているスタートアップです。
詳細はこちらの資料をご覧ください。


会社のPRとして、技術スタックをまとめたサイトも貼っておきます。


自己紹介



以下、現在までの簡単な経歴です。

【前職】
・2015/04 - 2016/01: 有限要素法ソルバーの技術サポートなど
・ 2016/01 - 2019/04: 金型プレスシミュレーションソフトのプリポスト開発(C++, Windows)
【現職】(キャディ株式会社)
・2019/05 - 2019/11: CADデータ解析アルゴリズム開発(C++, Linux)
・2019/12 - 現在: 原価計算システム開発(Rust, Linux)


大学院で、計算幾何学の分野の研究をしていました。
そこで得たスキルを活かせる場所を探した結果、新卒で数値解析ソフトの開発エンジニアとして入社しました。主に解析後の形状を入力としたアルゴリズム開発を行っていました。

現職でも、入社後しばらくはCADデータ解析アルゴリズムの開発をしていました。

しかし、事業の拡大を目指すために、原価計算のオペレーションをテクノロジーで効率化することの重要性が高まり、会社としてそちらにリソースを投入することになりました。そこで、私もバックエンドの開発に参加しています。

転職活動するきっかけ

前職でエンジニアとして働いて3年目となった頃、ふと「このままここに居ていいのか」と思うようになりました。多分次のような理由であったと思います。

・当時の開発チームで、基本的なことは一通り経験できた気がした。そこで、もっと幅広い経験を積んでエンジニアとしての市場価値を伸ばしたくなった。
・重要な顧客を強く意識した開発が多かった。個人的には、プロダクトを使っていただく顧客全体に対して貢献度の高い機能を開発・提案するほうが、やりがいを感じる。

もちろん、新卒で入社した会社ですから、教えていただいたことはたくさんあり、感謝しています。コーディングも分からず入社しましたが、最終的には顧客へのヒアリング〜要件定義〜仕様検討〜実装〜テストまで経験させて頂きました。特に、自分より経験豊富なエンジニアを実装担当、自分を要件担当として仕事をしたときは、エンジニア同士で仕事する際の人間関係・コミュニケーションの点で学ぶところが多々ありました。

とはいえ、自分のキャリアパス、人生の幸せを考えた時に、やはり一旦浮かんだ自分の考えを有耶無耶にすることはできず、転職活動を始めました。

転職活動を始めたものの・・・(2018/12)

しかし実際にエンジニアの求人を眺めていると、すぐに絶望します。というのも、募集要項に書いてある言語や技術のほどんどを使ったことがなかったからです。
せっかく転職するので違う業界に行ってみたいと思っていたのですが、自分が「業務で使ったことがある」と言える言語はC++しかありません。当時自分で探した C++の求人で、数値解析の業界以外となると、

・インフラ
・組み込み
・AI

がメジャーでした。どれも「C++ができれば即戦力」とはいかず、前提となる知識の土台が必要でしょう。さすがに、中途採用で未経験は通用しなさそうに思えました。

あと元も子もない話ですが、あまりこれらの会社での開発に興味を持てなかったのです。前職ではCADやメッシュのアルゴリズムの開発をやっていましたが、こうした開発はクリエイティブで、楽しかったのです。しかし求人票を見てそうした楽しさを想像できず、さらに絶望します。

いっそエンジニアやめるか・・・?(2018/12)

自分の経験からしてエンジニアとして転職できるか不安になり、いっそコンサルに行こうかと考えた時期もありました。ロジカルシンキングは割と得意だったのと、単にコンサルを進めるエージェントが無数にいたからです。今思うとブレブレで、浅はかな迷いです。
何社か話を聞いてみましたが、やはり「自分の手でなにか作る」ことを手放す気になれず、再びエンジニアとしての転職活動に戻ります。

スタートアップに興味を持ち始める(2019/1)

振り出しに戻り「はてどうするか?」と思っていた矢先、スタートアップ専門の転職エージェントから打診があったので、会ってみることにしました。

紹介されたのは、ホバーバイク(空気で浮くバイク)を開発する会社の、数値解析エンジニアの募集でした。単純にバイクが浮いたら面白そうだと思い、はじめて前向きな気持ちで履歴書を出します。結果的には書類で落ちましたが、これをきっかけに「スタートアップ面白いかも」と思い始めます。ちなみにこのエージェントの方は、最終的には自分の案件ではないキャディへの就職活動も、「まずそっちをしっかりやれ」と応援してくれました。こういうエージェントの方は信用できると思います。


キャディを知る(2019/2)

スタートアップに興味を持った矢先、弊社CTOの小橋(当時はずっと『小林さん』と脳内typoしていた)から Linkedin 経由で連絡がありました。後から思うと、このタイミングの良さは神がかっています。

読めば、「板金部品のCADデータを解析して、製造工程を逆計算している」「まずはカジュアルに面談してみないか」という趣旨が書いてあます。

率直に、「形状処理のアルゴリズム開発を行う仕事が、日本で、自分の今の業界以外に存在するのか」と驚きました。3D関連の求人だとゲーム業界は比較的多いですが、キャディの場合は部品の形状を解析対象としていて、この点は自分の歩んできたキャリアとのマッチが高いように思いました。

更に驚いたのは、連絡の文面からして自分の経歴をよく理解しているであろうことです。Linkedin には、CADやメッシュ形状の解析アルゴリズム開発が得意なこと、学生時代の研究・論文の実績を書いていました。ところが、「君の素晴らしい経歴なら McKinsey か BCG だ!」みたいな連絡が後を絶たず、「こいつの目は節穴か」とイライラしていました。

そういうわけで、この連絡にはかなりインパクトがあり、すぐに返信してオフィスを訪問することに決めました。

はじめてのオフィス訪問(2019/2)

当時のオフィスは移転する前で、町工場や住宅が細かく密集する場所にある、小奇麗でも何とも無い雑居ビルの1Fと2Fでした。まさにスタートアップって感じです。

2Fは大家族を四畳一間に押し込めたかのように混雑していたので、1Fに案内されます。大きな机は板金部品でほとんど占領されており、奇跡的に残されていた隅のスペースで会社の説明を受けました。1Fは電話対応と検品梱包、倉庫スペースを兼ねていたのですが、とにかく暖房の効きが悪かったです。会社説明を受けながら足先の感覚が失われていきました。この辺は蔵前オフィス移転により圧倒的に改善されています。

ここで初めて弊社CTOの小橋と会います。第一印象は「陽気なアメリカン日本人」でした。現在の印象はというと、一転して「超人」です。やはり一緒にいればいるほど凄さが伝わってきます。ときどき昔の仕事の話をしてくれますが、何回この人は人間を辞めたんだろうか、と思います。

話を戻すと、説明を受けるうちに、自分のスキルを活かせそうなこと、開発チームの技術力の高さ、ビジネスモデルの新規性に魅力を感じました。家に帰って少し考えた後、とりあえず選考を受けることに決めました。

エンジニアとの飲み会(2019/2)


オフィス訪問後、技術面接までの間に在籍エンジニアの飲み会に誘っていただいたので、参加してみました。
「みんな若いな・・・」て思いました。創業陣が若いからでしょうかね。とはいえ年齢を基準に採用しているわけでもないのか、ベテランと思しき方も、ちらほら居ました。そうした状況の中、皆が仲良さそうに談笑していて、いわゆる超普通の日本的企業で働いていた自分には、少し不思議な空間に思えました。

ここで、後に一緒に仕事をすることになる、いなむさんと出会います。いなむさんは、キャディの形状解析をリードしてきたエンジニアです。


いなむさんは学生時代に数値解析の研究をしていたということで、とりあえず共通の話題で ice break はできました。しかしもう少し話をしてみると、知識の幅の広さに驚かされました。ちなみに、入社して一緒に働いてみると、さらなる幅の広さに驚かされます。コンピュータやプログラミング言語のみならず、数学、アルゴリズムに関しても知識の土台の盤石さを感じます。

やはり天才と言われる人ほど地道な勉強を怠らないのでしょう。あの知識の幅と深さは、センスや地頭の良さではどうにもならないはずです。お母さんのお腹の中から出てきて、物心ついた瞬間からC++の規格に精通している人は、この世に存在しないはずです。

技術面接(2019/2)


技術面接と言われたので、私は聞かれそうな分野を事前に予習していきました。結果として直接的には役に立たなかったですが、それでも面接官との会話で少し話についていけるとか、そういう成果はありました。

個人的に思うことですが、面接に対して、しっかりと準備をすることは、礼儀であり、やる気を示す手段です。準備は「猫をかぶる」ことでもなければ、嘘を付くことでもありません。意中の相手と会うときに、ぼさぼさの髪とジャージで家を出ませんよね。身だしなみを整え、何なら「あの人の好みは何だろう」と考えたりすると思います。これは、自分の人格を偽らずに、自分自身を相手にアピールするということです。面接官も一人の人間で主観があり、時間も限られますから、面接受験者のほうから面接官に歩み寄るほうが、選考通過率は高いはずです。

また、キャディでは新しい技術や自分が知らない技術に対して、自分で勉強してキャッチアップする人材は大事にされます。従って、「勉強してきました!」という姿勢は多分評価されますし、入社後もそうした姿勢を維持することが重要です。

面接の手応えは正直あまり感じなかったのですが、何故か評価され、役員面接に進むことになります。意外と自分で思っても見ない観点で評価されたりしますから、もし「キャディに興味があるが技術的に自分は無理なのでは」と思っている方がいらっしゃったら、ぜひ応募してみてほしいですね。個人的には、優秀なエンジニアと技術的な話をする機会がタダで手に入る、くらいの感覚で受けても良いのではないかと思っています(笑)。

役員面接(2019/3)


さて、緊張の役員面接です。なんてったって社長が出てくるんですから。普通の会社だと役員が出てきても社長が出てくることはなかなかありませんが、このあたりはやはりスタートアップならではでしょう。僕はこの日のために、弊社の公式ツイッターの全ツイートに加え、弊社が取り上げられたNewsPicksや日経XTechの有料記事をすべて読み切り、どのような論点が会社の未来に対して重要なのかを脳内討論しておきました。

そう、緊張しそうなときこそ徹底した準備です。技術面接の項で述べた以外の意味でも、準備は大事です。なにせ、自信が持てます。その自信は、心の余裕を生みます。心の余裕は、あなたを笑顔にします。あなたの笑顔は、面接官の脳内にセロトニンを放出させます(多分)。セロトニンは、あなたに対する面接官の心象を底上げし、選考通過率を上げます(多分of多分)。

時々弊社の人事から「会った人がうちの事業内容も知らなかった」という話を聞きます。そのような応募者はきっと、笑顔というより「キョトン」とした顔をしているんでしょう(決めつけ)。どんな建前があろうと、人は常に目の前の相手を評価しています。本気で入社したいと思ったその瞬間から、会社の人と会う機会は全て勝負だと思いましょう。会う前にできることは、探せば案外たくさんあります。

なお、当時の私はそれでも緊張していました。社長は自分と同じくらいの年で起業しているのですから、きっと物凄く頭が良くて、キレッキレの鋭い質問がバシバシ飛んでくるんだろうな、って思ったのです。しかし適度な緊張は良いことです。人を相手にする勝負の時の緊張感って、相手に誠意を伝えると思うんです。勝負の結果が自分にとって重要だから、緊張するのです。重要でないなら、対戦すること自体が相手に失礼です。面接直前に気が抜けてると思ったら、「この会社を逃したら次は無い」と念じて、ちょっと緊張してみましょう。緊張しすぎて喋れなくならないよう、ほどほどに(笑)。

そんな心境で待っていると、ウィンドブレーカーに身を包み運動靴を履いた社長が出てきました。なんだか拍子抜けです(後から聞いたら、その後に弾丸スノボ旅行に行くためだったそうな)。面接が始まると、フランクな話題で社長の方から ice break してくれました。大学が同じだったのですが、会話の中で僕のとある後輩が社長の同期というややこしい関係が明らかになり、目の前の相手が社長だという事実に違和感が吹き出してきました。

面接での話題は移り、自分の前職のことなどを軽く聞かれます。その後、キャディについて深く話をすることになるのですが、準備をしすぎたせいで、私が質問に答えるというよりは、ひたすら私が社長を質問攻めにしていました。「この状況の時、事業的にはどう判断するのか」「この事業に関して、採算をどうやって取っていくのか」など。このあたりで深い議論ができたのは、準備の甲斐があったと思います。

面接が終わった後、一定の手応えは感じていましたが、終わった後は不安しかなかったです。しかし、深い話ができたことでこちらの真剣さが伝わったのか、後日内定を頂きました。めでたしめでたし。

転職してみて良かったか

総じて、私は良かったと思っています(でなければ記事を書けない)。

一番良かったと思うのは、社会的に意義のある仕事に自分の時間を使っていると思えることです。ここの納得感があると、日々の仕事のやる気が違ってきます。正直、同じ時間でもっと稼げる仕事は探せば多分あります。しかしソフトウェアエンジニアのやりがいの一つは、世の中の非効率を解消し、無限とも言える時間を生み出せることだと思っています。例えば優れた地図アプリのおかげで、世界中の人が紙の地図を片手に彷徨う時間が減り、目的地での活動に多くの時間を割けるようになりました。弊社は、部品調達の世界でそのような圧倒的効率化の実現を目指しています。私には、これは社会的意義のある目標だと感じます。

次に良かったのは、エンジニアという仕事にしっかりと向き合える環境に身を置けたことです。技術スタックはきちんと目的に応じて選定されていると感じます。またCTOの小橋は、自分のエンジニアとしての課題を率直に指摘し、叱咤激励してくれる、尊敬する上司です。同僚のエンジニアとも、技術の話をする中で学びや刺激が多いと感じます。彼らと共に仕事をして価値を出すために日々研鑽を積もうという、前向きなモチベーションを保つことができます。

このような環境に身を置くと、正直プレッシャーはあります。ストレスも一定あります。これを書いている今でも「もっと勉強の時間を取らねば」という焦りがあります。また、スタートアップ特有の業務のスピード感が、常に背中に圧をもたらしている気もします。開発環境・体制など慣れない環境の中でヘマをして、CTOから怒られることもあります。それでも、私は転職して充実していると思えています。

まとめ

ここまで読んで頂きありがとうございます。つらつらと書きましたが、楽しく読んでもらえましたでしょうか。

もし、弊社へのご応募を迷われてる方がいらっしゃるのなら、まずはその迷いを相談するくらいの気持ちで、弊社の社員にお声がけいたいたり、ぜひイベントにも来てください。社員と話をしているうちに、迷いが消えて決断できるかもしれません。

一緒に楽しく働ける方を、お待ちしています!

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