雨雲チキンレース

天気予報では雨が降ると言っていたが、帰路につくと雲で空は覆われていたが雨は降りそうにない。傘はあるが、出来るなら広げたくない。乾かすにしても室内なので、玄関がびしょびしょになるからだ。
家まであと半分。順調に帰れるかと思っていた。しかし、進めば進むほど雷雨の時によくみる、どす黒い雲が進む先の方まで覆っている。まるで、魔界の入り口であるかのように。しかし、帰らなければ今日の疲れを癒せない。家に着くまで降ってないといいが。
帰りたいが、濡れたくはない。雨が降っていることを見越して途中の飲食店に入ってもいいが、降っていなかったら、無駄な時間を潰したことで気分は下がってしまうだろう。スマホで天気をみるとくもり。ただ、あと数分で雨が降るだろうとレーダーは言う。時間的に間に合うか。
上を見上げると、白と黒の境目が心を煽っていた。進んでも空は広いので黒の境地にはまだ入らないように見えるが、果たしてどこから濡れてしまうのか。

選択は…。


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