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福袋にワクワク。その先に。

また、やってしまった。
何をって?
そう、期待してしまうことを。

基本的に不必要なものは買いたくない主義で、
食材の買い物も最低限。多めに買うことはしない。足りなくなったら、買いに行けばいいし、
足りなくなったら、あるもので工夫すればいいと、日々生活している。

冷蔵庫がパンパンになると、
「使わなければ」と焦りがつのり、
賞味期限が切れれば、「無駄遣い」と罪悪感を
感じる。

だから、冷蔵庫がスカスカなくらいが、
わたしの心にはちょうどいい。
あのスカスカなスペースを見るたび、
心に余裕ができるから不思議だ。

今日は夫がオフで、家族で車の点検を出しに行った。いつもなら、点検は夫だけで行くのだが、
どこか出かける場所を考えるのも面倒だったので、子どもたちを連れて、ディラーへ行ったのだ。

ただの点検待ちなのに、子どもたちにジュース、
そしてかわいくラッピングされたお菓子までいただいたおかげで、子どもたちは飽きることなく、
(途中少しだけ公園へ行ったけど)持参した本を読みながら、1時間の点検待ちをうまいこと過ごせた。

車を買いに来たわけでもないのに、
ていねいなご接待を受け、さすが大手企業と
密かに感動していた。

そして、無事に点検も済み、
次女お待ちかねの回転ずしへ歩みだそうと、
ディラーを出ようとした瞬間、
担当の営業さんが、「これ、どうぞ」と袋を差し出した。

そう、年始ご挨拶の「福袋」である。
赤い袋に大きく描かれた「福」の文字が、なんともワクワクさせるのだ。
子どもたちに、お菓子までいただいたのだから、福袋にはどんな夢がつまっているのだろうと期待してしまったのだ。

でも、よく考えてみよう。
昨年も、この赤い「福袋」をもらったんだった。
その時に入っていたものといえば、
「食器洗剤」「スポンジ」「ラップ」「ジップロックの袋」だ。

去年、学んだはずだ。
福袋につまっているものは夢でなく、現実だってことを。そら、使えるものを贈った方が、無駄がなく喜ばれるに決まってる。なのに、なんで福袋って、こんなに人をワクワクさせるのかなー。

今年も、また洗剤くれたのかぁ。
「まぁ、いいか。日用品買いに行かなくていいし」と思っていたが、袋を開けてみて、腰を抜かした。

中身は、
「日焼け止め」「ベビースターラーメン」「かま玉うどんのタレ」「なすのボローニャ風の素」「エナジードリンク」「グリルソース」

今年のテーマは、「主婦応援キャンペーン」だろうか。それとも、わたしがキッチンに立つ時間すらも時短派って、バレてたんかな。それにしても、えらいピンポイントな食品セレクト。

大手企業さんも他社との「お付き合い」とやらがあるんだろうか。なんだか大変だな。

カラフルなエナジードリンクが、冷蔵庫にそびえ立つ。うーん、捨てるのはもったいないけど、飲むにも勇気のいる500ミリサイズ。

無料でもらえる「福袋」に、こんなにも冷蔵庫の(心の)余裕を持っていかれるとは…。

タダより怖いものはないって、こういうことね。
わたしのもったいない精神が、捨てたい精神に勝ってしまったのだ。冷蔵庫を開ける度、「飲まないなら処分した方がいいよ~」と「飲んだら意外と美味しいかもよ~」と、天使と悪魔がささやいてくる。

亡き大女優の樹木希林さんが徹子の部屋で、

「わたし、プレゼントもらうの嫌いなんです
 よねー。だから、遠慮なくお断りしてるん
 ですよー」

徹子さんに話していたのを思い出した。

きっと、プレゼントをいただいたら、相手の気持ちを考えすぎて、捨てられなくなるんだろうな。でも、捨てられない自分と向き合うのも、それ以上に大変なのだ。

来年はオシャレに「お気持ちだけで、結構です」って、さらっと言いたい。どなたかの好意すらも、自分軸を貫いて、お断りする勇気を持つのだー。

そして、いつまでも福袋にワクワクしてしまう幼心をまず断捨離したい。








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