重い話フラグ その1

 地獄の週間を超えた。身体が弱いくせに1週間に4回も徹夜をするハメになるとは思っていなかったが、結果として報われた(評価がよかった)のでいずれくる体調の崩壊を喜んで待とうと思う。身体に憑いて(誤字ではない)とれない疲労感さえも心地よく感じる、おかしな感覚が消えるまで。


 さて、僕は人間が嫌いだが、人間の話を聞くのは嫌いではない。小学校を起点にして、中学、高校、そして今に至るまで、なぜか様々な相談事を聞いてきた。そんなに仲良くした記憶のない人間にまで相談を持ちかけられたことさえある。聞くところによると「変人だけど、口の固くて聞き上手な奴。変人だけど」という評価らしい。

 そんな中で、色々と重い相談事を持ちかけられたこともある。恋愛相談に友情の相談、果てには将来の夢についてまで。恋愛にあまり興味がなく、友人が少なく、かつ未来が見えない僕にそれらを聞くのはどう考えても人選ミスだと思うのだが、何故か知らないうちに巻き込まれている。まるでヤレヤレ系主人公になって気分だ。やめろ、僕はああいったキャラクターが嫌いだ。

 というわけで、今回は今まで聞いてきた相談話における前置き、例えば「相談があるんだけど……」のような言葉。ここから重い話に繋がる危険性やよくある意図を個人の主観と偏見、それと経験談で書いていこうと思う。


・「できれば内緒にしてほしいんだけど……」

=「絶対誰にも言うなよ」の意。

 大抵は恋愛や友情のような人間関係に関する相談だ。中でも多いのは「あの子が好きだけどどうすればいい?」「友達と仲良くしてるあの子が気に食わないからなんとかしたい」といったもの。

 知らんわ。僕に聞くな。

 そう正直に言えたらどれだけよかったか。頼られるとなんとかしたくなる性分だった(過去形)ので、そういった相談もちゃんと聞いてしまうのであった。さて、これの危険度であるが、そう高くない。何故なら危険度の高い話は「できれば」などという仮定系を使わないことが多いからだ。よってこれが頭に来る話の時はそんなに重くないと思っていい。


・「聞いてもらえるだけでいいんだけど」

 危険度大。重い話の前置きとして頻出。(主観)

 ここから大抵、自殺やらお先真っ暗やら自傷行為やら、そういった内容の相談事が繰り出される。経験から言って6割は固い。軽い時は極端に軽い(学校に行く意欲があまりない、みたいなやつ)ため、非常に極端。

 僕のような見習いよりも余程心強い専門家がいるだろう、そっちに聞いてくれ。 何回そう思ったことか。因みにこのタイプは共感を求めていることが多いため、真面目に改善策を言っても成功しないことが多いので注意。

 また、自傷行為に対して「そんなことしちゃダメだよ」は禁句である。

 そんなことはあっちだって百も承知だ。分かっているけどやってしまうという苦しみを聞いてほしいのだから、表面だけ見て「自分を傷つけるな」というのが一番悪手である。ここでの返しとしては「それだけしんどくなっちゃったんだよな」のような軽い共感、あるいは今傷は痛くないかなどの気遣いが無難だと思われる。


・「大した話じゃないんだけどね」

 大した話だよ阿呆

 ウソ。2割くらいしか大した話ではない。つまり2割は大した話である。は?

 自傷行為や病み状態の話をしてくることが気持ち多め。他には「実は○○と付き合ってます」みたいな話も。知るかボケおめでとう。

 予防線を引くことであまり重く受け止めてほしくないと相手が考えている時や、本当に大した話じゃないときに使われる。また、こちらも共感を求めていることが多いので相手の気持ちを推測して(軽くでもいいので)同意を示しておくのがベター。


・「絶対秘密にしといてくれ」

 フラグかな?

 圧倒的恋愛相談率。特に高校生のときに多かった。大抵は他の友人にもこの言葉を使って話している。「彼氏(彼女)がいるのに他の人を好きになってしまった」という報告も稀にあり、その時はいつも胃が痛くなった。

 重いかどうかでいえば、まあ重くないことが多い。こういった場合、大抵は本当に相談したいのではなく自分の気持ちを整理するために話している事が多いため、こちらの責任はあまり重くならないのだ。とはいえ、ここで変なムーブをすると相談者だけではなくその人が好きになった相手にまで悪い影響を及ぼすので注意したほうがよいと思う。対策としては、「自分はどうなったら一番理想だと思う?」と聞いたりしてそこから気持ちの整頓をさせるのが丸いか。自分がアドバイザーになるのではなく、あくまでお手伝いとして聞くという姿勢を貫くことが重要だと思われる。


・「お前には聞いてほしかった」

 お前重いんだよ!(マジギレ)

 レアケース、故に重さも100%。「何歳くらいで自殺するつもりなんだ」と僕に言うのをやめろ。お前は僕に聞いてほしかったのかもしれないが、僕は聞きたくない。

 相談というより宣言。かつ、誰かに自分の行動を言葉でだけでもいいから止めてほしい……そんな時に使われることが多い印象を覚える。理由を聞いてもスラスラ話してくれる人も多い。多分それを聞いてほしいんだろうな、とさえ思う。

 また、偶に性的嗜好(LGBTXなど)や障害(ADHD、LDなど)のカミングアウトにも用いられる。因みにこれを乗り切る対策だが、真摯に聞くことを本気で推奨しておく。こういう重い相談の場合、こちらの態度が相手の人生にモロ直結してくるので、こちらも真剣に受け止めなければ礼を失することになる。相手の信頼には真摯に答えるのが当然だ。



 もう少しバリエーションがあるのだが、これはまた次回に書く機会を持ちたい。エピソードを思い返しているうちに僕の心にダメージが来たからだ。

 ともかく、皆にも「お前には聞いてほしかった」「聞いてもらえるだけでいいんだけど」という前置きが来たら身構えておくことを勧めておく。またこれは余談だが、上記に挙げた例の殆どは高校生時代の経験である。そりゃ僕も拗らせるわ。


 自分の心を守るために、重い話にはご用心を。

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