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【落選供養】坊ちゃん文学賞③

前回はこちら👇

「自由」3


その後の研究で星のカケラは口に入れても害のない、栄養価の高い食材であることがわかった。凍てつき、ボロボロと崩れた土は想いを伝えられる食材との情報が宇宙全体に広まり、プロポーズのアイテムとして絶大な人気を博した。

この星のカケラはカクテルに入れると、さらに気持ちが伝わりやすいこともわかり、各星にプロポーズのためのバーが常備されるようになった。ノンアルコールのカクテルにも対応しているので、酒がNGな者も安心してバーでプロポーズは行える。バーテンダーの出すカクテルはプロポーズを左右するとの噂が流れ、好みや性格を考慮してバーは選ばれた。星々を自由に行き来できる環境があるからこそ、成立するプロポーズの方法であろう。異星人同士の結婚、それは平和な宇宙の象徴でもあるのだ。

「かしこまりました」

とバーテンダーがうやうやしく、カクテルのグラスに星のカケラを入れる。ほのかに光り始めるグラス。

「耳を近づけて」

と、女性がささやく。

グラスに耳を近づけていた男性は光が消えたと同時に、頬を赤らめコクリとうなずく。女性はホッとした表情となり「やった」とバーテンダーに小さなガッツポーズを送り、男性も嬉しそうに、そして恥ずかしそうに頭を下げる。見つめ合い幸せそうに笑った2人はカクテルを飲みほし、なかよく店を出ていった。

「プロポーズ、成功しましたね」

と、見習いがバーテンダーを見る。想いを込めたカケラがグラスで溶けだすとき、相手にだけ愛の言葉が伝わる。異星間の結婚がふつうとなった今、プロポーズはどちらの性別からも行われた。同性・異性同士に関係なくプロポーズは行われ、想いが通じ合った者達は周りからの祝福につつまれて一生添い遂げる。

「気持ちを自由に伝えられる世の中になったな」

「僕もいつか、最高のカクテルをお客様にお出ししたいです」

カランカラン。

「いらっしゃいませ」

再び、若い2人がぎこちなくカウンターへ腰を下ろす。

見かけだけでは星も性別もわからない。

「本日はどうされますか」

とにこやかにバーテンダーがたずねる。

星のカケラをグラスに。

どこかの星のどこかのバーで今宵も星のカケラが輝いている。 

🌠🌠🌠

……。
修正したくなる気持ちを抑えてそのまま貼り付けました💦

落選作の投稿ってすっごく恥ずかしいですね。
でもね、落選しても私は私。なにも失うものはないんです。

これから落選のお知らせが沢山届くと思うので、落選供養の投稿回数も増えると思います。見かけたら「またか」と笑ってスルーしてくださいね♪

坊ちゃん文学賞受賞の皆様、本当におめでとうございます。
私、来年もまたチャレンジします🙌


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