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【#シロクマ文芸部】骨皮筋衛門と光り輝く銀河売り
銀河売りに違法行為が発生しているだと?
と、眉をひそめるのは我らが骨皮筋衛門。
質の低い銀河が流通し、銀河の信用がガタ落ちしているという。
「100均でも銀河は売られていたよな?」
「はい。でも規格外のものが少量のみです」
100均のものと異なり、出回っている激安の銀河は見た目は美しいが簡単に壊れてしまう。そのため、銀河売り協会に苦情が殺到するようになった。
困難な環境下で採取される銀河は大変高価なもので、その管理は銀河売り協会が行っている。
専門店で売られる銀河は高いが、一生もので壊れない。このままでは銀河売りの評判がガタ落ちだと、と協会が警察に泣きついてきたのだ。
そして、難解な事件を何度も解決してきた骨皮筋衛門に、白羽の矢が立ったというわけだ。
「パチもんの銀河か」
骨皮筋衛門は大きな腹をプルンとさせ、得意の潜入捜査を開始した。
「バレないっすかね」
「ビビってねえで磨けよ」
こちらは偽銀河売りのアジト。
思考力の失った若者達が、せっせと偽銀河を作っている。
リーダー格の男はある日、星の形に似た小石を川辺で発見した。軽く磨くと本物の銀河のように光り輝く。
試しに彼女に渡したところ大喜びされた。
ただ、この偽銀河は本物よりももろく、アクセサリーで使うと2~3度で壊れる。
最初は、彼女が喜ぶ姿に満足していたが、偽銀河の美しさを見ているうちに金儲けになると思いついたのだ。
そして現在、地元の後輩を小石磨き要員に仕立て上げ、偽銀河を流通させていた。
「バレる前に大量に売りさばいて、トンズラするぞ」
とリーダー格の男が高らかに笑った時、
「トンズラなぞ!させない!」
という声がした。
「だ、だれだ!」
「骨皮筋衛門だ!」
そう叫ぶや否や、筋衛門は見た目からは想像できない素早さでリーダーの目の前に躍り出た。
躍り出るやいなや、筋衛門は華麗に回転する。
プルン。遠心力で勢のついた筋衛門の腹が、リーダーに直撃。ボスンと倒れるリーダー。
逃げようとする後輩どもも、
ヒラリ・クルリ・プルン・ボスン。
筋衛門の脅威の腹攻撃に面白いように倒れていった。
偽銀河売りは壊滅し、銀河売り協会は彼に特別な銀河を贈呈した。
骨皮筋衛門のエリには、今日も銀河売りの誇りが輝いている。
お題が「銀河売り」と発表された時「凍った星」のようにSF調の夢のある大人の雰囲気のものが書ける!と小躍りしました。
しかし、降りてきたアイデアは
骨皮筋衛門でした……
最近の私の脳内は
田中哲司さんと骨皮筋衛門
で構成されているようです。
小牧幸助さん、楽しいショートショート創作の時間をありがとうございました😊来週もお題発表を楽しみにしています😊♪
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