見出し画像

ちょっと文句聞いてもらえます?・・・期待と伝わらない。の話

ここ数日でこのタイプの質問を立て続けに数件聞きました!

㋜「ちょっと文句言いたいことがあって聞いてもらえます?」
僕「どんなことがあったんですか?」
㋜「重要なことを相手に引き継ぎたくて連絡したんです。」
㋜「でも、ぜんぜん時間を取って聞いてもらえなくて・・・」

僕「㋜にとって重要なことは、相手にはどのくらい重要だと思います?」
僕「重要だと感じるに至った背景やストーリーを話せてます?」
㋜「いえ・・・でも時間もないし、何とかして聞いてもらいたくて連絡を続けてるんです」

ざわつきポイント

①「伝わる」ではなく「伝える」の行動
②相手が時間を取って聞いてくれるだろうという見積もりで話した
③あなたと相手は違う人間
・・・これはよくあるあれデスね。期待を裏切られてイラッとするやつ

怒りの正体

怒りは人間の基本的な感情の一つです。
そしてさらに言えば、怒りは二次感情だと言われます。
つまり、最初に発生した感情に引き続いて顔をだすのが怒りです。

上の図は怒りの下に隠れている感情
氷山モデルといいます

特に関係が深いのが、今回の質問のような『期待』ですね。
「きっと〇〇してくれるだろう。」
「〇〇であるべきなのに・・・」
みたいなやつ。

自分がこうしてほしい。と期待した行動を相手が取らなかったときに悲しくなったり、寂しくなったり。
そうしているうちにイラッとしてきて責めたくなってしまう。

相手に怒った態度で接したとき、相手はなぜ怒っているのか正確な理由はわかりません。
だって、何を勝手に期待していたのか知る術がないから。

つまり怒りをぶつけたところで、相手はまた同じように期待を裏切ってくる可能性がとても高いのです。
自分が怒りを感じるに至った、最初の感情を丁寧に伝えることこそが最重要なんです。

『伝える』と『伝わる』のベクトル

2つの言葉にはベクトルがあります。
伝わる・・・→
伝わる・・・↔

この矢印が本質で、これ以上でもこれ以下でもないですね!

めちゃくちゃよくあるのは、伝えたから伝わったと思っちゃうやつです。
毎回僕はこの手の質問や訴えがあったときには必ず聞きます。
「伝えたいと思うに至った、背景や経験、ストーリーを共有した?」

これは、『伝わる』を作るときには必須の土台作りだと僕は考えています。
伝わる。はお互いがコミュニケーションから創り出すものです。
背景や経験、ストーリーは話し手の価値観や感情が現れるとても重要な情報なんです。

『伝える』はスマートできれいな形にしようとするあまり、その重要な情報が削られてしまうことが多々あります。
だから伝えても伝わらないんです!

聞く技術 聞いてもらう技術

ちょうど質問を受けたときに頭に浮かんだ本を紹介します。

冒頭の会話の中で、㋜は『聞いてもらえない』という表現を使いました。
そして自分の伝え方に少なからず課題があるという考えを持っていました。

はたしてそうなのか?
聞く・聞いてもらうは双方向のコミュニケーションです。
伝える側・聞く側の双方にどれだけ「聞く」「聞いてもらう」ができるだけの余裕があるのだろうか。

話を聞く余裕がなくなるのは「相手との関係が難しくなっているとき」である。

お互いに余裕がないあまり、聞く・聞いてもらうという普段から当たり前のようにやっていることができない。
これはやはり具体的に解消していくべき課題かと思います。

本書では聞く・聞いてもらうための技術、すぐ使える小手先の技術編と
もっと本質的な深い部分の話
というように階層分けして書かれています。

今回の質問のように、聞いてほしい本人もその相手も
お互いの話や状況を『聞く』『聴く』ということができていなかった。

声をかければ聞いてくれるだろう。
忙しいのはわかってくれるだろう。
2人とも相手の様子は想像の域を超えていない状態ですよね。

『聞くを再起動する。』
著者である東畑さんが使っている言葉です。
なんかエヴァンゲリオンみたいでカッコいいです!

再起動する。ということは『聞く』ことができるようになるためのスイッチが存在するということですね。

まずは聞いてもらう、からはじめよう。
話を聞けないときには、あなた自身が誰かに話を聞いてもらう必要がある。

まさにこの通りだと思います。
他者の話を聞く事が多い立場の人は特にこれに尽きると思います。
聞いてもらう経験をすると、『聞く』の意味がわかるのではないでしょうか?

常に自分の傍らにメンターやコーチが居る環境を作ることは今後の人生に大きな価値があることでしょう♪

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?