見出し画像

天皇賞秋 2023 予想 ◎ジャックドール

(すみません、前段が結構長くなってしまいました。印だけをご覧になりたい方はすっ飛ばして下へお進みください)

ただでさえ少なかった出走登録馬だったが、さらに数頭の回避馬が出て結局11頭立てとなる天皇賞秋。ただ現役最強馬のイクイノックス、春の天皇賞馬であるジャスティンパレス、昨年のダービー馬ドウデュース、大阪杯勝ちのジャックドールなどメンバーそのものは揃った印象。頭数が少ないので馬券的にはある程度絞り込みたいが、面子そのものは揃っているので結構悩ましい予想になる。

まずは前日1人気となりそうなイクイノックスの立場での視点で分析をしてみたい。

イクイノックスに関してはとにかくズバ抜けた後半要素の高さが魅力。昨年の天皇賞秋の勝ち馬で、その後有馬記念、ドバイシーマクラシック(海外)、宝塚記念とG1を4連勝中の勢いは侮れないし、何よりも8戦6勝で2着2回という連対率100%という数字は脅威。緩めの流れから後半要素を問われやすくなるレースであり、自身もスローの後半型で競馬で強みをフルに引き出せるタイプであり、今回の舞台は絶好の条件といっていい。

唯一の懸念材料は平均以上で流れる展開、平均持続ラップの流れになった場合に自身の強みを引き出せるかどうか?という所。まぁ字面だけを見れば昨年の天皇賞秋はハイペース、前走の宝塚記念にしてもハイペース寄りの平均ペースで勝利している。ただ昨年の天皇賞秋はレースラップはパンサラッサの大逃げのものであり、イクイノックスは大きく離れた中団待機で自身のラップバランスは明らかにスローの後半型。同じく宝塚記念もハイペースよりの流れの中で後方待機から直線勝負の様な乗り方で後半要素を目一杯引き出してきた。

ただ皐月賞は平均ペースを中団から外々を回る正攻法の競馬をしたが、後方の馬(ジオグリフ)に差される形。ダービーも後方待機の直線勝負に徹したが平均ペースが影響したのか、ゴール前でのひと伸びを欠いて2着まで。明確にペースに左右されるとまでは言わないが、どんな展開でもある程度自身がスローバランスの流れの中で切れ味を引き出している印象。この辺りが鞍上のルメールが上手くバランスを取っているなという感じもあるのだが、それでもある程度流れる展開になった宝塚記念ではゴール前で微妙に末脚が鈍っているのが見て取れる。あくまでも高いレベルの話だが本質的に平均ペース寄りの流れを追いかける形になると…不安を少し覗かせてはいる事になる。

ただ今回の天皇賞は11頭と少頭数だし、普通なら例年通りのスロー寄りの流れになる事が濃厚。イクイノックスにとっては大した不安要素にはならないはずだが、こうなるとジャックドールの出方が大きな意味を持つ。

ジャックドール自身は東京2000mという条件はピッタリ。2000mで1分57秒台を4回も叩き出しており、高速馬場でのスピード持続力勝負の展開を最も得意としている。ただ後半型の競馬になって加速力を問われる形になると分が悪い印象。現に昨年の天皇賞秋は好位追走の形もパンサラッサの大逃げの中で自身もスローバランスの中で走ってしまい、案の定直線は完全に切れ負けした内容。逆に勝ち切った大阪杯では平均ペースで高い次元のスピード持続力勝負に持ち込んで、後続の脚を削ぎ切って勝利している。

特に今回の天皇賞秋は後半型のスペシャリストがいるので、スローの競馬に持ち込んでは勝機は殆ど無い。強力な同型の存在も無いし、なにせこの少頭数だから主導権を握る事自体はそう難しくないと思う。今回の大外枠も11頭立てのでそこまで不利になるとは思えないし、内枠の馬を見つつペースを引き上げれると考えれば決して悪くは無いはず。なので最大の問題は自身が前後半型の競馬に持ち込めるかどうかというところになる。ただ今回は大阪杯を勝った武豊騎手から昨年の天皇賞秋でみすみすスローバランスの中で追走してしまった藤岡佑介騎手の手に戻る。藤岡佑介騎手が最低でも前半を59秒台前半で引っ張れるかどうかが最大の焦点になる。

イクイノックス視点の話に戻ると、もう一頭気になる馬がいる。それはダービーで先着を許したドウデュースである。

ドウデュースは高い後半要素を備えているが、どちらかと言えば切れ味よりも持続性の末脚で違いを作れるところが最大の武器だろう。特筆すべきはダービーでは中団やや後方から4角~直線大外で持ち出すと直線大外一気で差し切ってみせた。ただ単純に末脚の持続力を生かしたというよりかは、直線序盤から半ばで一気に加速して最後1Fをそのまま末脚を持続させたという内容。特にこの時の対イクイノックスの視点で見ても、直線のコース取りと最後1Fの持続力の差(脚色の差)で大きな違いを作ったと言える。

とは言え昨年のダービーから1年以上が経過。歩んできた道が異なっていてダービー以降は対戦が無かった2頭。それぞれ馬も成長しているし、ダービーの時の力関係がそのまま通用するかどうかは定かではない。

ただダービーの時からそれぞれの特性面で大きく変化していないと仮定した場合、イクイノックスとしてはドウデュースよりも後ろから競馬となるのは好ましくない。ほぼ同位置で直線に入ったとしても持続力で差があるとしたら、イクイノックスとしては脚の使い処はかなり重要になる。またドウデュースには武豊が騎乗するとなれば、おそらくイクイノックスをマークしてくる可能性は高い。このマークを振り払いつつ、前にいるはずのジャックドールを捉えに行かなくてはならない。1人きで注目をされて勝ちに行かなくてはならない立場。11頭という少頭数はイクイノックスにとって利するとは思うが、それでも勝ち切るまでの過程は楽では無さそうな感じはする。

ここからがやっと本題。

前述のようにイクイノックスにとっては他馬にマークされつつ、さらに自身で前を捉まえに行く必要がある形になると思う。前に行くはずのジャックドールは自身のレース運びが最大の焦点になるも、高速馬場の2000mは絶好条件であり勝機そのものはこの舞台しかない。イクイノックスは自身が後半要素を出し切れるかどうかのバランスになるかどうかが問題で、距離そのものを苦にするタイプでは無いように思えるが、それでも個人的な感覚として2000mの方が向いていそうな気はする。ドウデュースは戦績的には2400m前後が良さそうに見せるが、2000mで距離不足やスピード負けするとは思えない。それでもジックリ貯めた方が良さそうにも見えるから2000mか2400mのどちらかと言えば2400mの方がいいのかもしれない。

東京2000mの高速馬場という条件であれば◎ジャックドールで勝負したい。
とにかくある程度の流れを自ら作り出す必要があるし、前後半のバランスもかなり重要になる。鞍上が元に戻った状態でそれが叶うのか…というのが最大の焦点だが、それでも前年の天皇賞秋の失敗をこの鞍上がどう受け止めているかにかかっている。

ただ藤岡佑介騎手にとってもジャックドールが戻ってきたのは千載一遇のチャンス。昨年の失敗を糧に強気に競馬をしてもらった上で、前後半も上手くバランスを取る事が出来ればチャンスは必ずあるはず。イクイノックス、ドウデュースの末脚は脅威だが、高速馬場のスピード勝負というこの馬の得意の形で押し切ってくれることを願って本命に推す。

相手は○イクイノックス。前述のように意外と難しい立場になるが、この馬のすべてを知り尽くす鞍上ルメールなら、完璧なレース運びで仕掛け処は間違わないだろう。ジャックドールが前後半のバランスを完璧に取れると仮定したとしても、最後1Fで必ず詰め寄ってくると思うし、対ドウデュースの観点でも2000mならこの馬の方に分がありそう。

3番手は▲ドウデュース。鞍上の武豊ならイクイノックスを射程圏に入れるような形で進めて来る形が理想になると思うが、過去のレースの内容からしても位置取りが後方になりやすいのが少し不安ではある。またあくまでもイクイノックスを意識した乗り方になると思うので、その前にいるジャックドールまでまとめて捉えきれるかどうかがポイント。ただエンジンが掛かってからの加速力と持続力はピカイチ。少頭数だし直線入口からの加速態勢さえ整っていれば最後必ず突っ込んで来ると見て上位候補としたい。

連下候補は1頭だけに絞り込んで△ガイアフォースを指名。2.3走前のマイラーズC、安田記念とマイル路線でスピード負けしなかったし、現状2200mでも少し距離が長い感じが見受けられるので2000mの距離はベストに近いかもしれない。位置取り的にはジャックドールの後ろを取って、上手く流れに乗ってSP持続力を引き出せれば見せ場はあっていいと見る。

◎ジャックドール
○イクイノックス
▲ドウデュース
△ガイアフォース

【買い目】
馬連:◎軸 ○▲△流し 3点
3連複:◎軸 ○▲△流し 3点
3連単F:◎→○▲→○▲△ 4点


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?