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スワンS 2022 回顧

 

【レース展開】

M(ミドル)平均型 SP持続型 34.1-34.6
12.5-10.7-10.9-11.1-11.3-11.4-11.9

平均やや速めの流れからのSP持続力勝負だが、綺麗な減速ラップを描く展開。前半の追走力と後半の持続力の両面を問われた形。

 

ダイアトニック 1着

【決め手】得意の1400m戦・平均ペースの中で後半要素で違い見せる

【好発】【好位追走】【4角外から動く】【直線序盤で鋭く伸びる】【最後1F伸びきる】【完勝】


好発からスンナリと好位追走の形。道中は終始好位で進めて4角で動き出して直線は外目に誘導。直線序盤から半ばで一気に加速を見せ単独2番手に浮上すると、最後の1F地点で早々と前を捉えて先頭に躍り出て押し切り態勢。ゴール前で多少後続の追撃を許したがそれでも1馬身差をつけての完勝だった。

終わってみれば1400mの舞台で完璧な形の競馬を見せての完勝。ある程度流れる展開の中を好位で追走して更に最後までしっかりと伸びきる形であり、平均ペースで流れた中で後半要素での違いを見せた格好になる。特に直線序盤から半ばにかけての加速力は群を抜いており、この加速で勝負を決めたと言っていい内容。

1400mに相性が良いのは前半の3Fと後半の3Fが共に33秒後半から34秒台前半の形になりやすく、この条件に異常な強さを発揮するのだろう。次戦は当然マイルCSが目標となるのだろうが、そこでも前後半のラップのバランスさえ噛み合うようなら好走のチャンスは出てくるかもしれない。

ララクリスティーヌ 2着

【決め手】勝負所からのコース取り嵌る・最後1Fでしぶとく脚を使う

【中団待機・内】【3角で動く】【4角~直線入口で外】【直線ジリ伸び】【最後1Fしぶとく伸びる】【G前接戦制す・2着】


発馬五分からジワッと前を伺うが、少し控える感じになって中団内目からの競馬。3角で中団中目から仕掛けて行って、4角で勝ち馬(ダイアトニック)の後ろを通って同じように直線入口で外目に誘導。直線序盤から半ばの加速で少し見劣って勝ち馬には突き放されるも、最後の1Fで他馬の脚色が鈍った所をしぶとく伸びを見せる。しぶとい脚は最後まで見せてゴール前で大接戦の2着争いを制した。

中団中目で運んで4角から直線入口で外に誘導して…とコース取りが嵌った感はある内容。しかも勝負所からは勝ち馬の直後を通ることが出来ており、進路取りにあまり苦労しなかった点は大きいと思う。ただ直線の脚は加速力よりもしぶとい脚を使う形が最後の最後で大接戦の2着を確保できた要因。平均ペースの中で一定の後半要素を見せた事が大きいと思うし、同時に時計面で大きく進境を見せ右回りにも対応して来たのも今後に向けて大きな収穫があったと思う。

ルプリュフォール 3着

【決め手】直線勝負に徹し、進路取り噛み合う・最後1Fで猛追も届かず

【後方待機】【直線勝負】【直線序盤~半ばで伸びる】【最後1F鋭く伸びる】【G前接戦も・3着】


発馬五分から意図的に下げて後方待機。道中は後方で貯める形から3角過ぎから中目からジワッと進出を開始。4角から直線入口も中目を通るも直線序盤ではまだ後方の位置。しかし序盤でさほど強く追っていないがスッと加速を見せて中目から位置を上げ、最後の1Fでムチが入るとグンと更に加速。先行各馬が苦しくなったゴール前にかけて一気に差を詰めて大接戦の2着争いに加わったが結果はアタマ差及ばずの3着まで。

後方で脚を貯めて直線勝負に賭ける形。勝負所で大外を回さずあくまでも中目を通った分だけロスは少なくなったし、直線も馬群がバラける感じになって前が詰まらずに真っすぐに伸びることが出来たのも大きい。現状では直線の加速勝負の競馬に徹している分だけに持ち味を生かし切った内容だし、重賞でも自分の形で好走できたのは今後に向けて大きな意味を持つと思う。

トゥラヴェスーラ 4着

【決め手】直線半ばで鋭く脚使うも・最後1F詰めの甘さ出る

【好発】【中団待機・内】【4角で動く】【直線半ばで鋭く伸びる】【最後1F若干脚色鈍る】【G前後続に差される】

好発も前には行かず少し下げる形で中団中目の位置を追走。道中は中団中目から内を追走して4角で動いて行く形。4角で少し狭くなるも直線入口から序盤で内目に進路を見出して追い出すとグンと加速。半ばで馬群を割って伸びを見せ、最後の1F地点では3番手まで押し上げて、先に抜け出した勝ち馬(ダイアトニック)を追撃するが最後の100mくらいから若干脚色が鈍って前との差が詰まらない。一時は余裕で2着は確保できるかに見えたが、最後の100mからゴール前にかけて外の馬に僅かに差される形で4着まで。

序盤で好発から比較的前に行った感じもあったが、最終的には位置取り的には決して悪くなかったと思う。しかも直線は想像以上にスムーズに馬群を割って伸びを見せたし、半ばでの加速も鋭いものはあった。ただ最後の100mで僅かに脚色が鈍っており、結果的に脚を貯めきれなかったような感じもある。最後はルプリュフォール(3着)にはともかくララクリスティーヌ(2着)に差される(正確には差し返される)になっているのは気になる。まぁ2キロの斤量差というのもあるという言い訳も出来なくも無いが、元々最後の1Fでの詰めの甘さがある馬でもあり、その辺りの懸念材料が最後の最後で出てしまったような感じはする。

キングオブコージ 5着

【決め手】終始内々立ち回る・短い距離で集中力切らさず走り切る

【中団待機・内】【3~4角内通す】【3~4角馬なり】【直線半ばで伸びる】【最後1Fしぶとく伸びる】【G前接戦も・5着】


発馬五分から中団内目を追走の形。道中は中団内目でスムーズな追走が出来て、3~4角も内々を回りながらもほぼ馬なりの手応えで進出。直線入口から序盤で少し前が壁になったが、半ばで馬群を間からスッと抜け出して来る。最後の1F区間でもしぶとく脚を使う形で伸びを見せ、ゴール前では激しい2着争いの一角に加わったが、ゴール前で少し見劣って0.2秒差の5着まで。

距離適性的な観点でここは疑問符の多い参戦だったが、終わってみれば0.2秒差の5着、走破タイムが1.20.0と上々の内容を残した事に少々驚き。道中は内々を立ち回る形である程度噛み合った面はあるにせよ、道中は意外と流れに乗れたし最後までしぶとく脚を使う形を見せた。まぁ短い距離で集中力を切らさずに走ることが出来たという要素が大きいと思うが、いきなりこの距離で結果を残すとは…。
 

ロータスランド 6着(3人気)

【決め手】やや流れる展開で脚削がれる?・後半要素で見劣り・右回り?

【好位追走・外】【3角で動く】【4角~直線入口で外】【直線ジリ伸び】【最後1F脚色鈍る】


発馬五分もスッと二の足が効いて好位外目を追走。道中はスムーズな追走に見えたが3角過ぎて手綱が動き始め、反応が鈍いのか追走手一杯なのか4角では激しく手綱が動いた状態で直線へ。直線もそれなりに伸びを見せてはいるが勝ち馬(ダイアトニック)の脚色には及ばずに突き放される様な格好。それでも外からジリジリと伸びて前との差を詰めてくるが、最後の1Fでは後続各馬に差される形で6着敗退。

絶好位でレースを進めていたように見えたが3角で手応えが悪くなったように見えたし、勝負所から外々を回る形になっていて最終的にちょっと余力を無くていたような感じ。前半から少し流れる展開の中で好位外目で進める形であり、この馬自身としては少し早めの流れになった可能性はある。また3角過ぎから手応え的に怪しくなっていて、ここに来て右回りのコーナーリングの課題が再燃した感じにも見受けられた。まぁ好走した同じ阪神1400mの京都牝馬Sと比較しても前半の流れはこちらの方が速いし、前半の流れには少し注文がつくタイプなのだろう。ただ同じような位置にいた勝ち馬(ダイアトニック)に対しては完全に力負けという感じだろうか。

マテンロウオリオン 7着(2人気)

【決め手】最後方待機で直線勝負に徹するも・最後1F脚止まる

【最後方待機】【3角で動く】【4角~直線入口で大外】【直線序盤~半ばで鋭く伸びる】【最後1F脚色鈍る】


発馬五分も控えて最後方待機。道中は離れた最後方の位置から3角過ぎからジワッと押し上げを開始して、4角から直線で大外に回して直線に向く。直線は序盤から半ばにかけて大外から鋭い伸び脚を見せて追い込んでくるも、最後の1Fで脚色が鈍って差を詰め切れず。ゴール前は鞍上も追わずに流す状態で結局7着まで。

最後方で脚を貯める形から直線勝負のような感じ。4角から直線で大外に回して直線も大外から結構良い脚を使って伸びを見せたものの、最後は脚色が鈍っていて使える脚の短さを再認識させた形。通した位置の差はあるとはいえ4角でほぼ同位置だったルプリュフォール(3着)と比較しても持続力の面で見劣った形になると思う。現状では使える脚がかなり限定的な印象であり、後半勝負に徹する形でも前が極端に止まる形でないと厳しそうな印象。前半要素の課題を克服してある程度の位置取りからの競馬が出来るようになれば…。

サブライムアンセム 8着

【決め手】道中若干掛かり気味?・直線外から伸びるも・最後1F脚鈍る

ヴァトレニ 9着

【決め手】押して主導権握る・直線序盤で後続突き放すも・最後1F脚色鈍る

ホウオウアマゾン 10着(1人気)

【決め手】最後1Fで脚止まる・前半で消耗?・仕上げに?

【出負け】【リカバー・好位追走】【3~4角内通す】【4角で動く】【直線序盤内から伸びる】【最後1F脚色鈍る】

出負けも二の足が速くリカバーが効いて好位追走の形。道中は好位内目で進めて、3~4角は内々を回す形から4角で動いて直線へ。直線序盤から半ばで伸びを見せて抜け出そうとしたものの、残り1F区間で明確に脚色が鈍って後退。結果は0.9秒差の10着敗退となった。

出負けしたがリカバーが効いて…という内容だが、ある程度流れる展開という事もあって前半で少し消耗した感は強い。最後の1Fは脚色が鈍ったというか極端に脚が止まった感じであきらかに余力が無かった感じ。それでも直線序盤から半ばでひと足を引き出すなど、この馬自身の持ち味を見せてはいる。まぁ元々次戦を見据えた仕上げっぽくて戦前に出来7~8分と陣営も言っており、ここでの敗戦はある程度度外視できるかもしれない。逆に世間ではここでの結果で早々に見限られるようであれば…。

ベステンダンク 11着

【決め手】好発も行き脚つかず中団後方から・4角一杯、直線半ばで失速気味

キャプテンドレイク 12着

【決め手】好発、中団外目追走・4角動く、直線伸びきれず・流れ速く消耗?

アイラブテーラー 13着

【決め手】押して押しての先行策・直線半ばで一杯・脚質展開計るも叶わず

ケイデンスコール 14着

【決め手】控えて後方待機・直線勝負に徹するも、直線伸びきれず

ミッキーブリランテ 15着

【決め手】押して押して先行策も・4角で動くも直線失速・前半で消耗

メイショウミモザ 16着

【決め手】好発、中団外目追走・4角~直線入口で外・直線半ばで失速

レイモンドバローズ 17着

【決め手】中団後方外目追走・道中若干掛かり気味・直線伸びず、半ばで失速

スカイグルーヴ 18着

【決め手】中団外目追走、3~4角大外回る・直線半ばで余力ナシ・明確な敗因不明

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