阪神大賞典　2023　回顧

【レース展開】

Ｓ（スロー）後半型　後半SP持続型　64.9-57.9
13.0-12.3-13.3-13.3-13.0-12.8-12.5-13.2-12.6-12.2-11.9-11.6-11.4-11.3-11.7

超スローの流れからの後半のＳＰ持続力勝負。結構極端な後半４Ｆ戦と言ってもいいくらいで、その中でスピード面と直線序盤から半ばでの加速力が問われた展開。結果的にスタミナ面はそこまで問われていない形になると思う。

ジャスティンパレス　1着

【決め手】終始好位内目でスムーズな競馬・後半要素で違いを見せる

好発から好位内目を追走。道中は好位内目で掛かることなく終始しムーズな追走から2周目の3角手前でペースが上がって徐々に押し上げを開始。3～4角はそのまま内々を回って4角で仕掛けて直線へ。しかし直線序盤で前の馬が下がってきたのと、隣にいたディープボンド（5着）に寄られて内に押し込められるような形でワンテンポ仕掛けが遅れる形。しかし半ばで立て直して内から差し返すように伸びを見せると、残り100ｍからは後続をグンと突き放してゴール前は流す余裕を見せて1馬身3/4の差をつけて快勝。

終始好位内目で折り合いに専念してスムーズな競馬。直線で内に押し込められる形になったが、それを大した問題とせずに最後は後半要素での違いを見せるかのように後続勢を突き放しての快勝ぶり。最後の突き放す感じからも余力十分だったのは見えるし、スローの後半ＳＰ持続力勝負の中での強みが際立った感じになる。現状では純粋な持続力勝負の形よりもＳＰ持続力勝負の中での一瞬の加速とＳＰ持続力を生かし切る形の方が高パフォーマンスを見せている感じはする。上位人気の中では一番対応力と総合力があるタイプでもあり、天皇賞春も極端な展開になら当然勝ち負けが期待できる状況にあると思われる。

ボルドグフーシュ　2着

【決め手】後半ＳＰ持続力勝負で持ち味出せず？・勝ち馬に後半要素で完敗

発馬五分から中団内面の位置を追走。道中は終始中団内目で折り合って進めて、1角～2角で中団外目に持ち出しす形。2周目3角で外を回って進出して、4角手前で好位外目まで押し上げて直線へ。直線序盤から半ばでは外から伸びる感じを見せたものの、坂の上りで少し脚色が鈍るような感じ。その間に内から勝ち馬（ジャスティンパレス）がグンと伸びて逆に突き放される様な感じに。最後の１Ｆもしぶとく伸びを見せたがゴール前で逃げ粘りを図るアフリカンゴールド（4着）を辛うじて捉え、追撃してきた3着馬（ブレークアップ）も何とか封じ込めて2着を死守。

まずまずの発馬で序盤に良い位置を確保しており、前半要素の不安は見せなかった事は大きい。さらに1～2角で外に持ち出すなど出し切る為の準備は全て揃っていた状況だと思う。ただ3角で外から動く形になったものの、最後の１Ｆで勝ち馬とには突き放される結果になっている。勝ち馬（ジャスティンパレス）との比較で見ても動き出しの位置と内外の通った差はあるのだが、ちょっと着差が大きい内容であり、今回は単純にスローの後半SP持続力勝負という展開での適性の差が出たと見ていいだろう。前半要素の不安を払拭し前半で良い位置を得られたのも、序盤から超スローという流れのおかげだと思う。本質的には流れる展開での後半の持続力勝負向きという感じなので、天皇賞春でも同様の展開になった場合は今回と同じ結果になるものと思われる。これに対処するのは向こう正面の中ほどから仕掛けるなどの積極策でロングスパート戦に持ち込む形しかないと思う。

ブレークアップ　3着

【決め手】中団前目でスムーズな競馬・後半SP持続力勝負で強み見せる

発馬五分からある程度前を伺って中団前目の外という位置取り。道中は好位集団の直後の中団前目で進めて2周目3角過ぎで中目から持ったままの手応えでジワッと進出を開始。4角で動いて勝ち馬の直後を通って直線へ。直線序盤で外目に持ち出して追い出しを開始。ただ直線での伸び脚は他馬とほぼ同じで違いを引き出せず。それでも最後の１Ｆもしぶとく伸びきる形を見せ、内で脚色が鈍った数頭を交わしてゴール前は2着馬にも際どく詰め寄ったが3着まで。

道中は中団前目、好位直後という位置取りでスムーズな追走。2周目4角で少し前が詰まり気味で動き難かったような感じも見せたが、そこまで致命的なものでは無くスムーズに直線に向けている。直線は加速の面で違いを作れなかったが、持続力の高さを見せてゴール前までしぶとさを見せている。58キロを背負って0.3秒差の3着は内容があると思うし、後半のSP持続力勝負という中である程度強みを引き出すことは出来た内容だと思う。後は平均以上の流れになった場合と純粋な持続力勝負寄りの展開になった場合に対応できるかどうかが焦点になると思う。

アフリカンゴールド　4着

【決め手】主導権握って超スローに持ち込むも・強敵相手に見せ場は十分

発馬五分から押して押してハナを取り切る。ハナを切ってからは結構極端にペースを落として3F目ですでに13秒台まで落とし込むなど超スローの流れを演出。他に競ってくる馬も無く超スローのままレースを進めて、2周目3角からジワッとペースを引き上げて4角で動いて直線へ。直線は後続を突き放すようなシーンもあったが、最後の１Ｆ区間で自身の脚色が鈍ったのと同時に後続勢に一斉に襲われる格好。それでもバタっと止まる感じを見せず最後まで粘りを見せて0.4秒差の4着を確保。

自分の形に持ち込んで緩い流れを演出。結局前半は64.9秒、中盤でも63.3秒、後半は57.9秒と極端な後半のSP持続力勝負の形を作り出し、自身にとって最善の形には持ち込んだと思う。昨年の京都記念と同じような形なのだが、やはり相手が違ったと言うかG1で勝ち負けする馬相手では逃げ切ることは出来なかった感じ。それでもこの相手に0.4秒差の4着なら立派な内容。完璧な高速馬場ならもう少し上の着順が望めたかもしれない。

ディープボンド　5着

【決め手】好位外目でスムーズな追走も・直線加速力で見劣り

好発から押して押して好位外目を確保。道中は終始2番手で進めて2周目の3角の件でジワッと外から進出開始し、4角で動いてムチまで飛ばして直線に向く。ただ直線に入ってからの加速で良さを引き出せず、自身の内外のに居た1.2着馬とは追い比べで見劣る感じ。最後の１Ｆも自身の脚も鈍ってはいないのだが突き放される一方で、最後は逃げた4着馬（アフリカンゴールド）も捉えられずに5着敗退。

終始好位外目で進めたもののみすみす後半のSP持続力勝負に持ち込まれ、直線の加速面でも見劣る感じで5着敗退。後半のSP持続力勝負にも対応出来なくはないが、今回は超スローの流れで加速面の方を強く問われる形になった分だけ苦しい競馬になったと思う。まぁ絶好の位置を得ながらもみすみす後半型の競馬に持ち込まれているのは不可解だし、3角では急なペースアップに対応できなかったのか置かれ気味になっていたのも致命的。まぁ敗因はハッキリとしているのだが、主戦の和田騎手が乗ってこの内容はちょっと不可解と言わざるを得ない。本番に向けて何かを試したという感は無いので…。

サンレイポケット　6着

【決め手】中団内目追走・3～4角内通す・直線伸びきれず

アイアンバローズ　7着

【決め手】中団外目追走・4角で動く、直線入口で大外・直線脚色鈍る

ユーキャンスマイル　8着

【決め手】中団中目追走・4角手前で動く、直線大外・直線脚色鈍る

ゼーゲン　9着

【決め手】出負け、中団後方待機・4角で動く・直線半ばで脚色鈍る

アケルナルスター　10着

【決め手】好発、控えて後方待機・直線入口で大外・最後１Ｆ脚色鈍る

メロディーレーン　11着

【決め手】後方待機・3～4角内目通す・直線余力ナシ、後方侭

シロニイ　12着

【決め手】押して押して好位外目・3～4角置かれ気味・直線半ば余力ナシ

ノーチカルチャート　13着

【決め手】下げて後方待機・3～4角内通す・直線余力ナシ

メイショウテンゲン　14着

【決め手】出負け、最後方待機・3～4角内通す・直線真面に追わず、後方侭