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キーンランドC 2021 回顧

【レース展開】

札幌・芝1200m (良)
前半3F:34.0秒 後半3F:35.1秒
H(ハイ)前半型 SP持続・失速型

レイハリア 1着

【出し切る形・好発・4角で包まれ気味・時計を要する馬場向く・51キロの斤量効く・古馬との対戦で結果残す】

【好発】【主導権握る→好位追走・内】【3~4角内通す】【4角で包まれる】【直線しぶとく伸びる】【G前追撃凌ぎ切切る】
ポンと好発からスッと内に寄せて自然と主導権を握るが、2F目でメイケイエールが掛かり気味に進出してきてハナを譲る形。その後は好位のインで進めて3角から4角へ。4角で前のメイケイエールが下がり気味で、さらに外にはカイザーメランジェが居て蓋をされる格好になって本仕掛けを一旦待つ形。直線入口でその2頭の外に持ち出すも序盤の反応がイマイチ。それでも残り1Fからしぶとく伸びを見せてゴール前数十メートルで前を交わして先頭に立つと、最後は後ろから来た2.3着馬の追撃を封じてゴール。

序盤でメイケイエールの動向に多少左右されたかもしれないが、それでも好発から楽に前々の競馬をしてきた感じ。4角で包まれる格好で若干スムーズさを欠いた内容ではあったが、この馬としては直線で再加速する形でもしぶとく伸びきって見せた。2.3着と比較しても51キロの斤量は効いたと思うし、時計を要する馬場になっていたのもこの馬向きになったかなという印象。前半の3Fも34.0秒と比較的緩めだったのも要因の一つだろうか。今後は他馬との斤量差がなくなった場合と、高速馬場での時計勝負となった場合にどう対応するかが大きなポイントになりそう。

エイティーンガール 2着

【出し切る形・展開、馬場向く・出負けもリカバー効く・勝ち馬とは斤量差と位置取りの差】

【出負け】【リカバー・中団待機・外】【3角馬なり】【4角~直線入口で大外】【直線外から伸びる】【G前強襲も・2着】
出負けも序盤で行き脚がつく形で中団外目の位置取り。3角でも持ったままの手応えでジワッと進出し、4角から直線入口で大外に出して追い出しを開始。直線は大外からグイグイと前との差を詰め、残り100mで先行馬が揃って苦しくなったところを大外から強襲する形でゴール前で際どく詰め寄ったがアタマ差及ばずの2着まで。

時計も掛かっていた馬場だし、最後の1Fで前の馬が苦しくなったところを差し込むというこの馬向きの流れも理想通りの展開。ただ僅かに届かずという内容だが、勝ち馬との斤量差は4キロだし序盤の位置取りと勝負所から通した位置を考えれば決して悲観すべき内容でもないだろう。この馬向きの条件が揃っていた中での好走ではあるが、結果的には出負けしながらも早い段階で中団外目の位置までリカバー出来たのが一番大きな要因だと思える。1200m戦としては前半の流れが比較的遅めだった事が容易にリカバーできた要因かもしれない。

セイウンコウセイ 3着

【出し切る形?・好発・前半と勝負所でスムーズさ欠く・直線持続力の高さ見せる・上位馬とは斤量差が大きく】

【好発】【好位追走】【3角で詰まる?】【4角外から動く】【直線ジリ伸び】【G前接戦も・3着】
まずまずの好発も序盤で外の馬に前を僅かにカットされるような形から、道中は終始包まれ加減で好位集団の中で追走。3角で若干前が詰まって4角で外目に持ち出して仕掛けていく。直線入口では外目に出してジリジリとした脚ながらも確実に前との差を詰め始める。ゴール前数十メートルで前の馬が苦しくなったところで一気に進出する形になったが結果は頭差+クビ差の3着まで。

ちょっと序盤でゴチャっとしてスンナリ先行できなかった事と、3角では前が詰まったのかコーナーリングが下手なのか、勝負所でもスムーズさを欠いた格好。そこでワンテンポ仕掛け遅れの感が出て4角から外々という形にならざるを得ない形になっているのが結果的には響いていると思う。ただ直線では想像以上にしぶとく伸びた印象で、ゴール前では持ち前の持続力という点で他馬との違いを見せた格好に。時計を要する馬場で良さが出た感は強く、単純に勝ち馬とは7キロの斤量差、2着馬にも3キロの斤量差があったことを考えると内容としては決して悪くはない。むしろ前半と勝負所で上手く噛み合っていれば勝っていた可能性も十分になったような内容と思える。

カイザーメランジェ 4着

【出し切る形・終始ムーズな競馬・前半の流れ緩め・前半型の競馬で好内容示す】

【好発】【好位追走・外】【3~4角内通す】【4角で動く】【直線入口で先頭】【最後1F抜け出す】【G前脚色鈍る】
好発からスムーズに好位の外目を確保…という形だったが、2F目に内から掛かったメイケイエールが驀進してきてそれをやり過ごす形で外に振られる格好。その後はスムーズに好位の外目を追走。3~4角では勝ち馬を内に封じ込めるようにして進出し、直線入口ではメイケイエールを交わして先頭に躍り出る。残り1Fでは完全に抜け出す形だったが、残り100mからゴール前にかけて脚色が鈍った所を一気に外から来られて結果は0.2秒差の4着敗退。

もしかしたら2F目のメイケイエールの動向が大きく影響を与えたのかな…?とも思えたが、見返してみるとそこまで影響したような印象は無かった。比較的スムーズに追走できたし、3~4角で勝ち馬を内に封じ込めるような形から直線抜け出すなど勝ってもおかしくないような内容だったと思う。ただ直線残り100mで脚が鈍った所を後続に揃って差されていて、元々後半勝負型の馬であり前半のスピード勝負的な展開では他馬と比較して優位性を保てなかったのかなと思う。しかし後半型の馬が前半要素を問われる形で0.2秒差の4着とある程度対応するなど、やはり対応力の高さは流石だなと思う。ただ後半型の馬がこういう結果を残したのは、1200mとしては前半3Fが34.0秒と遅めの流れであり、時計を要する馬場で勝ちタイムも1分9秒台での決着だった事が主な要因だろう。前半が33秒台半ば、勝ちタイムも1分7秒台クラスになってくると厳しくなると思われる。

アストラエンブレム 5着

【出し切る形・後半勝負に徹して・展開、馬場、コース取り向く・完敗】

【中団待機・内→後方・内】【3~4角内通す】【4角で動く】【直線入口で外】【直線外から伸びる】【G前接戦制す・5着】
発馬五分から中団の内目という位置取りから徐々に下げて後方のインを追走。3角でも仕掛けを待って4角手前から内目から進出を開始。4角から直線入口で外に振って追い出しを開始。序盤でスッと反応する面は無かったが残り1Fから内の先行勢が苦しくなったところを外から一気に伸びて来る感じ。最後は大混戦の5着争いに参加してこれを制して5着を確保。

後方から後半勝負に徹してという形で5着を確保。勝負所を内目を通して4角から直線入口で外に振ってという形から最後は鋭く差し込んだが5着まで。掲示板に載った馬の中で明確に後半勝負に徹したクチであり、それでいて0.3秒差の5着だから完敗という様相。まぁ14人気という事を考えれば健闘と言えるのだろうが、展開や馬場、コース取りなどこの馬にしては結構嵌り切った感の強い内容なので…。

メイケイエール 7着(1人気)

【出し切る形?・途中で掛かってハナに・直線脚色鈍る・時計の掛かる馬場でスピード面の優位性引き出せず?】
【好位追走→主導権握る】【3角馬なり】【4角で動く】【直線ジリ伸び】【最後1F脚色鈍る】


発馬五分で序盤は控えるような格好を見せつつも、2F目からは掛かり気味に一気にハナへ。ハナに立ってからは少し落ち着いた感じで前半3Fも34.0秒と比較的遅めの流れを演出。4角で外からカイザーメランジェが被せるように来てこれに抵抗。4角から直線入口は2頭並んで入ったものの、直線序盤で僅かに前に出られてしまう。残り1Fでもしぶとく内で粘っていたが残り100mで脚色が鈍ってその後は外から来た馬に揃って交わされて7着敗退。

途中で掛かって…というパターンはある程度想定されていたが、前半3Fが34.0秒という1200m戦ではやや緩めの展開でも最後は粘り切れなかったか…という印象。ただ最後もバタッと失速したという感は無く、勝ち馬との着差は0.3秒差。4角から直線で並んで入った4着のカイザーメランジェに対しても0.1秒差でゴールしているから、決して失速という形ではない。初の古馬との対戦でもあるので力関係云々という話になるかもしれないが、それよりも力の要る馬場状態という事もあって力のいる馬場の適性の差というのが出たような気もする。今回上位に来た馬は揃って時計を要する馬場向きの馬ばかりだし、こちらは掛り通しでもレコードタイムを叩き出せる馬。単純に時計の掛かる馬場(洋芝が要因という可能勢もあるが…)でスピード面の優位性を引き出せなかったと思われる。今後ある程度は時計勝負ができる馬場であれば見直しは必要だろう。

ミッキーブリランテ 10着(2人気)

【3角で置かれる・時計の掛かる馬場でスピード面引き出せず?】

【中団待機・外】【3角で外から動く】【4角~直線入口で大外】【直線ジリ伸び】【最後1F脚色鈍る】
発馬五分から中団外目を追走。3角でムチを入れて本仕掛けをして、4角から直線入口を大外に回す形。直線半ばまで何とかジリっとした脚ながらも伸びていたが、残り100m付近で先行馬と同じ脚色になってゴール前は雪崩れ込むような格好で10着敗退。

3角で徐々に置かれ始めてそこで早々にムチが入るも、その後も位置取りは上げられず…という状態。最後もそこまでバタっと止まってはいないが、勝負所で他馬と脚色の違いを見せられなかった印象。前走は同じ札幌の1200mで1.07.6で走破しているし、今回以上にスピード面を問われてもソコソコの内容を残した事を考えれば今回は案外な結果。札幌の馬場もかなり時計が掛かって来ており、こういう馬場での適性の差というのが出た印象が強い。



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