阪神カップ　2022　回顧

　

【レース展開】

Ｈ（ハイ）前半型　SP持続型　33.4-35.5
12.1-10.5-10.8-11.3-11.4-12.0-12.1

序盤から流れる展開でのＳＰ持続力勝負。流れる展開の中で最後の2Fは12.0-12.1で、純粋なスピード持続力を引き出せるかどうかがポイントとなったレース。

 

ダイアトニック　1着

【決め手】Ｇ前差し返しての勝利・1400ｍでの強さを証明して引退へ

発馬五分から序盤は中団の外目という位置も、3角手前で少し掛かり気味に前に行って好位集団の中を追走。そのまま3～4角も好位集団の中目で進めて、4角から直線入口で促して行って直線に向く。直線序盤で少し外目に出して半ばにかけて追い出すが、反応と加速面で僅かに見劣る形で外から来た2着馬（グレナディアガーズ）に交わされてしまう。それでも最後の１Ｆでしぶとく食い下がる形になって、最後の最後のゴール直前で内から差し返してハナ差で勝利。

ちょっと外目の枠で前に壁が出来ず…という感じで少し掛かるようなところも見せたが、好位集団の中で何とか折り合う形。直線は慎重に進路を選んで追い出しもギリギリまで待つような感じで、直線半ばでイザ追い出してから少し反応が良くなかった印象。それでも最後までしぶとく伸び続けて、最後の最後で差し返したのは立派。一旦外から交わされる形になったものの、追い出しをギリギリまで待つ事によって効果的に末脚を使えたような印象を受ける。ましてやこのハイペースを好位で流れに乗って後半要素を引き出せたのは流石のひと言。

これでこの馬はラストラン。戦績が示すように1400ｍでは無類の強さと安定感を示したし、流れる展開を追走しても脚が削がれにくいタイプでもあった。一時期スランプにもなったが、立て直されてからのレースはこの馬らしいものを見せていた。ちょっとＧ１の舞台で結果が出なかったのは残念だが、最後にしっかりと1400ｍの強さを示して地力の高さを示すには十分な内容と結果だったと思う。

グレナディアガーズ　2着

【決め手】Ｇ前差し返されるも・流れる展開で後半要素を引き出す

好発も序盤はそこまで無理をしない形で中団外目を追走。道中は僅かに行きたがる素振りを見せつつ中団外を追走し、3～4角も外々を回りつつ4角で動いて直線入口で外目に持ち出す。直線序盤でスッと伸びて半ばで追われるとグンと加速して、うちの勝ち馬（ダイアトニック）を交わして前に出る。最後の１Ｆでしぶとく伸びて先頭に立ってそのまま何とか押し切りの態勢に入るも、脚色は僅かに鈍り気味。そこで内から勝ち馬が盛り返してきて、ゴール前で差し返されてハナ差の2着惜敗。

外枠から外々を回る形だが前を見ながらの絶好位での競馬。直線の反応と加速で良い脚色で外から伸びを見せたが、最後の１Ｆで少し脚色が鈍るなど苦しい面を見せたところを内から勝ち馬（ダイアトニック）に差し返される形で2着惜敗。かなり流れる展開だったし、その中で大外枠からの競馬で前に壁が出来ない状態でやや折り合いを欠いて、さらに外々を回って…という複合的な要素があっての2着惜敗だと思う。勝ち馬に僅かに及ばなかったがそれでも流れる展開の中で後半要素を引き出しているし、スピード面での優位性は示すことが出来たと思う。

ラウダシオン　3着

【決め手】後半型の競馬に徹して新味出る・展開、進路取り噛み合う

出負けからそのまま後方待機策。道中は後方内目で追走して3～4角も内々を通してジワッと動き出して行って直線へ。直線序盤は中目に進路を取るが包まれ気味で追い出しを待つ形。それでも半ばで進路を得るとそこからジリっとした脚ながらも確実な伸びを見せる。そして最後の１Ｆで他馬が苦しくなったところへもうひと伸びを見せて馬群を抜け出し、最後は1.2着馬に詰め寄る形で3着でゴール。

後方待機で脚を貯めて直線苦しみながらも何とか馬群を捌いて、最後の１Ｆで貯めた脚をフルに発揮する事でシッカリと伸びきった形の3着。まぁハイペースの流れで展開的に嵌ったのは間違いないし、直線も鞍上が上手く捌いてきたなという印象。まぁ突如差す形に転じての好走だけに読めきれない部分はあったにせよ、後半型の競馬で新味を見せたのは事実。最後の１Ｆは先行勢が苦しくなった…という所を考慮にいれてもゴール前の伸びには見所があったし、差す形で結果を残した意味も大きい。そこまで高いレベルで後半要素を引き出せるとは思えないのだが、今回きっかけに後半型の競馬に徹しての上がり目は多少望めるかもしれない。

バスラットレオン　4着

【決め手】前半33秒台の流れに対応・芝1400ｍでの前半要素で見劣りせず

僅かに出遅れ気味から押して押して序盤で好位を確保。そのまま2.3番手の一角でレースを進め、3～4角は内を通して馬なりの手応えで直線に向く。直線序盤は若干包まれ気味になるも、半ばから馬群の間から抜け出してきて最後の１Ｆ地点で2番手まで押し上げる。最後の１Fも内目から脚を伸ばしたが外から来た上位馬の脚色の方が良く、自身もゴール前100ｍほどで少し脚が鈍った感じで後退気味。ゴール前では大戦線の末に何とか4着を確保した。

ゲートで少し後手を踏んだ感じもあるがリカバーが効いて好位追走。勝負所では内目を通して手応えも良くて…という形から直線内から伸びを見せたが最後で少し甘くなった印象。まぁ流れる展開を前目で運んで…という形だから最後は甘くなるもの仕方ないし、そもそも芝の短距離で前半が33秒台の流れを追走して粘れたのは凄いと思うし、それなりにメンバーが揃った中で前半からスピード負けしなかったのは評価できる。今後は1200ｍも視野に入ると思うが、ここでの結果はスプリント路線に転身してもやっていけるだけの下地を見せたと思う。

ダイメイフジ　5着

【決め手】直線進路に恵まれずも・脚が貯まる形も最後１Ｆで伸びきれず？

発馬五分も少し流れに乗り損ねて中団後方のインを追走。3～4角をそのまま内を通して直線に向くも、直線序盤から半ばで前と外が壁で追い出せない状態。最後の１Fでようやく進路を見出して内目から伸びを見せてきたが、そこまで明確に鋭い脚でもなく最後は若干ではあるが鈍り気味で最終的に接戦の5着争いを制するにとどまった。

少し行き脚がつかなかったのか流れが速かったのか、後方内目で控える形の競馬。勝負所～直線入口まで内々で我慢する形で、直線に向いてからは進路に恵まれず自然と脚が貯まる格好。確かに直線は進路に恵まれなかったが、それでも最後は自身の脚も僅かに鈍り気味…という感じ。あそこまで脚が貯まる形になっていて、しかも最後は前の馬が苦しくなっているのに…と考えるとやはり物足りない内容。明らかに全盛期は過ぎているし、今回はかなりいろんな要素が噛み合っての0.2秒差5着と見た方が良いかも。

ルチェカリーナ　6着

【決め手】出負け、後方待機・3角で外から動く・最後１Ｆ伸びきれず（内にモタれ）

ミッキーブリランテ　7着

【決め手】中団中目追走・道中追走に苦労？・直線しぶとく伸びるも

トゥラヴェスーラ　8着

【決め手】控えて後方待機・4角～直線で大外・最後１Ｆ差し届かず

ロータスランド　9着

【決め手】好発、好位外目追走・最後１Ｆ脚色鈍る・前傾過ぎて消耗激しく

エントシャイデン　10着

【決め手】後方待機、直線勝負・直線序盤～半ばで前が壁・最後差し届かず

トリプルエース　11着

【決め手】中団後方追走・4角外から動く・直線伸びきれず

カイザーミノル　12着

【決め手】押して好位後ろ・道中追走に苦労？・最後１Ｆ伸びきれず

ルプリュフォール　13着

【決め手】出負け、最後方待機直線勝負・3～4角内通す・直線終始進路なし

オパールシャルム　14着

【決め手】好発、主導権握る・直線序盤で伸びるも・最後１Ｆ失速

メイショウチタン　15着

【決め手】好位追走→控えて中団待機・直線伸びきれず・最後１Ｆ失速

ライトオンキュー　16着

【決め手】好発、控えて中団待機・4角置かれ気味・直線余力ナシ

キングオブコージ　17着

【決め手】押して好位外目追走・4角外から動く・直線余力ナシ

プルパレイ　18着

【決め手】出負け、押してリカバー、好位追走・直線半ばで失速

【見直しの余地アリ】

ルプリュフォール　13着
（直線勝負も直線で終始進路なし、脚余した印象）