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神戸新聞杯 2021 回顧

【レース展開】

S(スロー)後半型 持続力・瞬発型 63.8-61.4
不良馬場での後半持続力勝負の形。後半3F目で11.9秒の加速ラップになっていて、3~4角あたりで一気に加速力を問われたものの、最後は総合的な持続力を問われる展開。ただ結果だけを見ると馬場適性だけを問われた感じもする。


ステラヴェローチェ 1着

【出し切る形・展開向く・重馬場適性の差出る・後半の持続力勝負で違い見せる】

【出負け】【後方待機】【3角で動く】【4角~直線入口で外】【直線序盤で伸びる】【最後1Fで前捉える】

出負けもあったが慌てず騒がずそのまま後方2番手からの競馬。3角でジワッと動いて外目から進出を開始し、4角から直線入口を外目に回して追い出しを開始。直線序盤から坂の上りでグンと加速して馬群の間から突き抜けてくる。最後の1Fで先に内から抜け出したレッドジェネシス(2着)を捉えるとそのまま押し切ってゴール。

後半の持続力勝負という展開も向いた印象だが、その展開の中で直線序盤から半ばでの加速力は鋭さは目についたし、やはり不良馬場に対する適性の差は大きく出たとは思う。ちょっと1人気のシャフリヤールがこの馬場状態という事もあって、出し切れた感じが無いレースなので単純な力関係の把握は難しいとは思う。もちろん馬場適性の差は明確になったので、本番でも馬場が悪化すれば最後の一冠はより身近なものになると思える。また良馬場でもある程度流れる展開で後半の持続力を強めに問われる展開になれば十分にチャンスはありそうな雰囲気。

レッドジェネシス 2着

【出し切る形・コース取り嵌る・馬場、展開向く・後半持続力勝負で良さ出る】

【中団待機・後ろ】【3角で動く】【3~4角内通す】【直線序盤で伸びる】【最後1Fで後続に交わされるも・2着】
発馬五分で中団やや後方からの競馬。3角からジワッと押し上げて行くが、進路を内目に選択した為に4角で前が詰まってやや待たされる格好に。それでも4角で前が開くと内目から一気に進出して直線入口では3.4番手まで上がってくる。直線序盤から坂の上りでスッと加速を見せて直線半ばで先頭に躍り出る。このまま最後まで押し切れそうな勢いだったが、残り1Fで勝ち馬に交わされてしまうが最後まで伸びを見せて半馬身差の2着。

重い馬場で極端な加速や時計を問われる展開では無かったのは向いた感じ。さらに勝負所でのコース取りは明らかに嵌っているし、かなり噛み合った要素が多かったのが好走の要因だろう。1人気のダービー馬が出し切れない形だったとは言え、0.7秒の差をつけたのはある程度評価してもいいかもしれない。距離に関しては何とも言えないが、展開的に流れる形からの持続力勝負なら本番でも多少期待できそうな感じはある。何しろ今年は阪神での菊花賞になるし、阪神コースは意外と合っていそうなタイプだからね…。


モンテディオ 3着

【出し切る形・展開、位置取り向く・3着も上位馬とは0.5秒差で】


【好発】【好位追走】【4角で動く】【4角先頭】【直線伸びる】【最後1Fで後続に交わされる】【最後1F脚色鈍るも】【完敗】
まずまずの発馬から前を伺うが、1角までに外から来た馬にハナを譲って2番手追走の形。3角過ぎで外目から動いて行って4角で逃げ馬を捉えて先頭に立ってそのまま直線へ。直線は4角での勢いそのままにスッと加速が効いて残り1F地点まで先頭を保つが、その後は内から来た1.2着馬に揃って交わされてしまう。ゴール前では自身の脚も鈍くはなったが、後続の伸び脚色そこまで良くなく3着を確保してゴール。

前半である程度の位置を取って何とか粘り込むような競馬。自身が後半要素でワンパンチ不足することが多い事からも、今回の様な重馬場や展開的に後半の持続力勝負の形になった事が好影響を与えたのは間違いないだろう。また最後の1Fは結構脚色的には鈍っているのだが、後続の馬の脚色も良くなくてそういう面にも助けられたという感じの3着。何しろ1.2着馬相手に0.5秒差だからそこまで高い評価という訳にはいかないと思う。

シャフリヤール 4着

【終始外々を回す展開・展開、馬場不向き?・タフな馬場の持続力勝負でモロさ見せる・上位馬に完敗】

【中団待機・外】【3角で外から動く】【4角~直線入口で大外】【直線ジリ伸び】【最後1F脚色鈍る】【完敗】
発馬五分から中団外目からの競馬。3角過ぎから外目を回ってジワッと進出して、4角から直線入口は大外を回って押し上げて行く。ただ直線に向いてからが終始ジリ伸びという感じ。最後の1Fでは脚色が鈍った感じで上位の馬に突き放されるような格好だが何とか4着を確保するのが精一杯だった。

中団から終始外々を回る形で上位馬を捉えきれず、最後はやや失速気味という内容。通した位置、馬場に対する適性の差はあるにしても1.2着馬とは0.7秒差という大差であり、単純に後半の持続力の差が出たという印象が強い。純粋なSP持続力勝負で好パフォーマンスを示してきたが、タフな馬場で持続力を問われるとここまで極端にパフォーマンスを落とすとは個人的にはちょっと想像も出来なかった…。本番に向けての話になると、京都の菊花賞ならまだしも阪神コースの菊花賞となるとやや不安を残す内容となった感じ。まぁ阪神でも高速馬場であれば変わってくるだろうが、流れる展開の持続力勝負の形になるとやはり不安があると思う。

キングストンボーイ 5着

【馬場、展開不向き・終始外々を回る競馬・後半の持続力勝負で完敗】


【中団待機・後】【3角で外から動く】【4角~直線入口で大外】【直線半ばで伸びる】【最後1F脚色鈍る】【完敗】
若干出負け気味から徐々に外目に持ち出して1人気シャフリヤールの直後に付けて中団後ろ目からの競馬。勝負所からもシャフリヤールを目標に外から動き出して行って、直線は大外に持ち出して追い出しを開始。直線の坂の上りでグンと加速して伸びて来るが、最後の1Fで甘くなって内から伸びた上位馬に突き放される様な格好。結局最後はマークシャフリヤールも交わせずに5着まで。

4着のシャフリヤール同様に外々を回って最後差し切れずという感じの競馬。元々スローの瞬発力型の馬でもあり、この馬場と展開は明らかに不向きな流れであったことは間違いないだろう。ただ序盤から1人気のシャフリヤールを徹底マークするという形の競馬で、しかも最後はその目標としたはずのシャフリヤールを差し切れずではあまり心証が良くないと思う。瞬発力型の馬が外々回って長く脚を使っては…という感じ。鞍上や陣営が本番に向けて試す競馬をしたのならばまだ言い訳はできるが…。


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