サウジアラビアRC 2021 回顧
【レース展開】
S(スロー)後半型 瞬発型 50.0-46.4
かなりのスローペースで後半の3Fだけの瞬発力勝負。最後の2F目で10.9秒という加速力を問われているのだが、どの馬にも余力があったので同じような脚を使って来た印象。なので結局は勝負所での位置取りが勝敗を分けたような内容。
コマンドライン 1着
【出し切る形・道中で位置取り上げる好判断・反応の良さと瞬間的加速力見せる】
【中団待機→好位追走】【4角で動く】【直線序盤馬なり】【直線半ばで伸びる】【最後1Fそのまま押し切る】
発馬五分から中団に控えるも、ペースが遅いと見て3角手前で外目から押し上げて位置取りを上げていって好位を確保。その後好位を楽走して4角でジワッと仕掛けて直線へ。直線序盤も持ったままで坂の途中でようやく追い出しを開始。ここでグッと加速を見せて先頭に躍り出ると最後の1Fはそのまま押し切り態勢。最後の100m付近からは多少後続に迫られたものの半馬身の差をつけてそのままゴール。
3角手前で位置取りを上げに行ったのは鞍上の好判断。最終的に直線の加速勝負という形の中で、4角進入時の位置取りがモノを言った形になったという印象。直線序盤の反応と瞬間的加速力はそれなりに見所があった内容だが、最後の100mからゴール前にかけて後続に迫らている感が少なからずあって、連続して速いラップを刻む形はそこまで得意ではないのかな?という印象を受けた。ちょっとレース内容的にかなり極端な競馬になっているので評価は難しい所だが、基本的には前々で運んで要所でのひと脚を使って…という形がベストの馬なのかもしれない。
ステルナティーア 2着
【出し切る形・ソツなく乗られるも・直線序盤の反応と加速で見劣る?・末脚の持続力に?】
【中団待機・前】【4角で動く】【直線序盤モタつく】【最後1F伸びる】【G前詰め寄るも・2着】
発馬五分から3番手だが中団前目くらいの位置で追走。4角から前のコマンドラインを追いかけるようにジワッと進出。直線入口で少し外目に出して馬なりで進出。直線序盤で追い出されるが若干モタついた感じでコマンドラインとの差が若干広がってしまう。それでも坂を上り切ってからエンジンが掛かった感じでジワジワと勝ち馬を追いつめたが結局半馬身及ばずの2着まで。
悪くはない内容と結果だとは思うが、対勝ち馬という視点で見ると直線序盤での反応と加速で見劣ってしまった印象。最後は詰め寄っているのだがエンジンが掛かったのが坂を上り切ってから…という感じがあって、ちょっと惜しい内容ではある。しかし勝ち馬に0.1秒差で敗れたものの、3着馬には同タイムでゴール前では詰め寄られている感もあったのが気になる要素。反応と加速力で勝ち馬に見劣り、末脚の持続力で3着馬に見劣る…という内容だとすると、今後の展望は厳しいものになるかもしれない。ただ今回は超スローの瞬発力勝負であり、ちょっと評価が難しい面もあるのも事実。ただのスロー専用の馬ではないだろうし、少し流れる展開でどういう対応を見せるかが今後のカギとなるかもしれない。
スタニングローズ 3着
【直線序盤でやや包まれ気味・直線序盤の加速力で見劣る・末脚の持続力は高い?】
【中団待機・内】【3~4角内通す】【直線序盤で包まれる】【直線半ばジリ伸び】【最後1F伸びる】【G前詰め寄るも・3着】
発馬五分から中団内目を追走。3~4角を馬なりで内目を回り、4角から直線入口にかけてジワッと動き出していく形。直線序盤で外目に出そうとするが外にいたウナギノボリ(4着)が壁になって外に持ち出せず。前にもステルナティーアが居てこれも壁となってやや進路を塞がれた様な格好に。しかし半ばで馬群がばらけて追い出されるも目立った加速は見せられず、上位2頭には突き放される様な格好に。ただ坂を上り切った最後の1Fでエンジンが掛かってグイグイと伸びてきて2着馬にクビ差まで迫ったが結果は0.1秒差の3着まで。
直線入口から序盤で少し包まれる様な格好になるシーンはあったが、そこまで致命的なものでないように思える。しかし坂の上り付近では完全に前2頭に突き放されていて、この区間のラップが最速の10.9秒を計測している事からも速いラップ、瞬間的加速力を問われる形に不安がある印象を受けた。ただエンジンが掛かり切った最後の1Fでグンと加速を見せ、最後はその2頭に詰め寄って結局は0.1秒差にまで挽回。加速は見劣っても末脚の持続力そのものは備えているように見えた。こうなると致命的では無いと思えた序盤で進路取りだが、ここでやや手間取った事が意外と響いているのかもしれない。
ウナギノボリ 4着
【出し切る形・出負けもリカバー効く・勝負所から外回る展開・直線末脚の持続力見せる・善戦】
【出遅れ】【最後方待機→中団・後】【4角で外から動く】【直線序盤ジリ伸び】【最後1Fしぶとく伸びる】【善戦】
結構な出遅れで最後方からの競馬も、向こう正面中ほどから3角手前にかけて中団やや後方まで位置取りを上げてくる。4角で外から仕掛けて行って直線入口で外目に出して進出。坂の上りでムチが入って加速するが他馬も同様に伸びていて、違いを引き出せない感じ。最後の1Fもしぶとく伸び続けたが前の馬を捉えることは出来ず結局0.3秒差の4着まで。
相当な出遅れがあったものの、ペースが緩んだ向こう正面終わりから3角にかけての地点で押し上げてリカバーが効いたのは大きい。しかもその3角から外々を回る形で最後はよく伸びてきていて、数字的には上位3頭と遜色ない上り時計をマークしている。かなり長く脚を使った印象だし大きな出遅れと外々を回る展開のもので勝ち馬には0.3秒差、2.3着馬に対しても0.2秒差だから大健闘といっていいだろう。ただ最後の2F目の加速区間で差がついている事からも、やはり鋭く加速を問われるよりも長く脚を使う脚が武器となるタイプなのだろう。
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