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天皇賞・秋 2021 回顧

【レース展開】

S(スロー)後半型 SP持続・瞬発型 60.5-57.4

序盤から緩めの流れになっての後半のSP持続力勝負の展開。後半4Fのラップ推移が11.8-11.1-11.1-11.4で4角から一気加速が問われた上で、ゴール前までのSP持続力も問われた形。

エフフォーリア 1着

【出し切る形・勝負所から外を回る・後半要素で他馬を圧倒・完勝】


【出負け】【中団待機・前】【4角外から動く】【直線入口で外】【直線半ばで伸びる】【最後1F前を捉える】【G前追撃振り切る】【完勝】

若干煽り気味の発馬から好位集団の後ろを追走。4角で外からジワッと押し上げに掛って直線入口も外目に出して直線に向く。直線の半ばで追われるとスッと加速を見せて先に抜け出したグランアレグリア(3着)を外から追いつめる形。そのグランアレグリアもかなりの抵抗を見せたが残り1Fでそのグランを交わして先頭に躍り出ると、後続の追撃も振り切ってそのままゴール。結局2着のコントレイルに1馬身の差をつけての完勝だった。

後半のスピード持続力勝負の展開だが、4角から直線半ばで鋭く加速を問われる展開にキッチリと対応し、ゴール前でもその勢いを削がれる事無くそのまま押し切って見せた。ダービーこそシャフリヤールの瞬間的加速力に屈したもののスピードを維持を問われる形で、前年度の三冠馬らを相手に隙を全く見せず、さらに1馬身の差をつけたのだから完勝と言っていい。確かに古馬勢とは2キロの斤量差はあったものの勝負所から外を回る展開でもあり、本当にケチのつけようがない走りを見せたと思う。皐月賞での内容が良いので本来流れる展開向きのようにも見えたが、緩い流れからの後半勝負でここまでの内容を見せたとなるとまさしく展開不問の後半勝負型という事になるだろう。


コントレイル 2着

【出し切る形?・3~4角包まれ気味・勝ち馬に後半要素で見劣り・位置取りの差・完敗】

【好発】【中団待機・内】【3~4角包まれ気味】【直線序盤で外】【直線半ばで伸びる】【G前接戦も・2着】【完敗】


好発も早々に控える態勢を取って中団内目の位置取りを追走。向こう正面でちょっと外に出そうという素振りも見られたが、外が壁で持ち出せずにやや中目に閉じ込められるような格好に。終始馬群に包まれた格好のまま4角から直線入口に向いて、序盤でやや外目に持ち出して前にいる勝ち馬のエフフォーリアを追いかけるように進出するがやや内にササり気味。直線半ばで追われてそれなりの加速を見せるもエフフォーリアにどうしても追いつけない…という感じで、最後の1Fも食い下がったが結局追いつけないままだが、ゴール前でグランアレグリア(3着)を辛うじて交わして2着を確保。

後半のスピード持続力勝負の中での加速勝負だからこの馬向きの展開だったが、最後は1馬身及ばずの2着。3~4角で終始包まれ気味で動きたいときに動けなかったという感じはアリアリだが、勝負所から外を回っても勝ち切ったエフフォーリアとの比較で見るとやはり序盤での位置取りの差が大きく出た感は強い。結果的に勝ち馬以上に道中貯める形になっているはずで最後はもっと切れる脚を見せても良いはずだが、それ以上に勝ち馬の方が切れ味を含めた後半要素の総合力で上回ったと見た方が良いのかも。そういう意味では今回はまさしく完敗だったと言える。


グランアレグリア 3着

【出し切る形・正攻法で厳しい展開・積極策で後半要素で見劣り?・惜敗】

【好発】【好位追走】【3~4角馬なり】【直線序盤で先頭】【直線半ばで伸びるも】【最後1F脚色鈍る】【G前後続に差される・3着】【惜敗】


まずまずの発馬から前に行って2番手追走の形。3角過ぎから馬なりで先頭との差を詰めてきて4角から直線入口で外目に出してそのまま先頭躍り出る感じ。直線半ばで追われるが見た目の反応と加速が今一つで外から来た勝ち馬の接近を夜素形に。最後の1Fを先頭で迎えたがここで若干脚色が鈍った感じで、外から来た勝ち馬に交わされるとゴール前でもさらにコントレイル(2着)に交わされて結局は3着止まりに終わる。

好発を切った事もあって結構な積極策で終始2番手追走。勝負所で馬なりで進出して直線もしぶとく伸びを見せたが、最後の1Fで少し甘くなったところを後続に交わされる形。序盤からに積極的に行ったという事もあるし、距離云々の心配は払拭した形にはなったが、中距離戦でこのメンバー構成となるとやはり後半の決め手の部分で見劣ってしまったような感じ。もう少し前半で貯める形になっていたら正直どうなっていたか分からない雰囲気はある。ここまで積極的に行って4着以下には0.3秒もの差をつけているのだから、敗れはしたものの想像以上に強い内容を見せたなという印象が強い。


サンレイポケット 4着

【出し切る形・上位馬には遠く及ばぬも・左回りでの堅実さ見せる・完敗】

【中団待機・前】【3~4角内通す】【4角で動く】【直線序盤ジリ伸び】【最後1Fしぶとく伸びる】【完敗】


発馬五分から中団前目のインという位置取り。3~4角を内を通して4角で徐々に動いて行く形。直線序盤で追われて馬場の中目から伸びを見せるも他馬と明確な違いは引き出せず、伸びはジリジリという感じに。それでも半ばでグンと伸び始めてゴール前にかけては上位3頭には及ばないものの、他馬とは脚色の違いを見せつけて4着でゴール。

中団前目の位置から勝負所を内々を立ち回って直線しぶとく伸びきる形の競馬で、この馬としてはかなり出し切ったし立ち回りが嵌った部類にはなると思う。まぁ上位3頭には遠く及ばなかったものの、その他馬(5着以下)に対しては0.3秒以上の差をつけた訳でそれなりに評価してもいいだろう。相変わらずエンジンの掛かりの遅さは今後も懸念される材料になるが、今回も最後の1Fでの伸びは意外と上位馬とも遜色ないものだったように思える。あくまでも左回り限定になるが、もう少し相手関係に恵まれればG1で馬券圏内に入ってもおかしくない雰囲気はある。

ヒシイグアス 5着

【出し切る形・大外枠響く・終始外回る展開・上位馬には遠く及ばぬも・持続性の脚見せる・完敗】

【中団待機・外】【3~4角で外】【4角外から動く】【直線ジリ伸び】【最後1Fバテ差し】【完敗】

発馬五分から中団外目の位置取り。3~4角は終始外を回る形になって、4角でジワッと動き始めて直線へ。直線は追われてからの伸びに目立ったものが無くて後方侭で藻掻いている感じだったがバテずにジリジリと伸び続けた結果、最後の1Fで内の馬がタレたところをバテ差しの形で5着は確保した。

結果的に5着なのだが勝ち馬とは0.8秒差で全く勝負にならずという感じ。大外枠で終始外を回る展開だから仕方ない内容と結果とも言えるが、直線はバテずに最後までしぶとく伸びる脚を見せたが故の5着だろう。枠順もそうだがある程度前の位置取りを得られるような状況ならば、もう少し良い面を見せることが出来たかもしれない。


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