カペラＳ　2023　回顧（簡易版・1～5着まで）

【レース展開】

Ｈ（ハイ）前半型　SP持続・失速型　33.5-35.8
11.8-10.5-11.2-11.3-11.8-12.7
ハイペースからの純粋なＳＰ持続力勝負の展開。失速ラップの中で前半要素を生かし切った上位がそのまま上位に残った形。

テイエムトッキュウ　1着

【決め手】主導権握ってそのまま押し切る競馬・前半要素で他馬を圧倒

好発と二の足の速さで内枠から比較的楽に先手を取る形。そのままスピードに乗せて行って前半33.5秒でレースを引っ張り、ペースを殆ど緩めないまま3～4角へ。3～4角からの勢いそのままに直線もそのまま伸び続け、最後１Ｆは流石に自身の脚色が鈍ったものの、後続勢は迫ってくることは無くそのまま押し切って2着以下に3馬身の差をつける圧勝。

比較的楽にハナを切れた意味は大きかったし、自身が作った前半33.5秒の流れをに対して他馬が対応しきれずという感じで力の違いを見せた内容。まあ2着に0.5秒差（3馬身）、さらに3着馬に対しては0.8秒差（5馬身）の差をつけたのだから、完勝と言っていい内容。確かに内枠という好条件ではあったが、前半のスピード面で違いを作り切ったと見ていい内容。自身も良馬場で1分9秒台前半で走破するなど、時計面でも進境を見せた事は今後に大きな意味を持つと思う。

【レース関係者コメント】

（津村明秀騎手）
「スタートも速い馬なので自信を持って騎乗しました。本当にスタートセンスが抜群なのでだいたいハナに行くだろうなとは想像していたのでスタートだけ気を付けて、あとはそれほど緩めることもなく自分のリズムで行くことを心掛けました。最後の１ハロンは馬が苦しそうでしたがセーフティーリードもあったぶん頑張ってくれました。（強みは）テンのダッシュと持続力だと思っていて前回（自身が乗った２走前）の函館はあまり調子が良くなかったのでしょうがないかと思います。本当にこの馬の持ち味はスタートとテンの速さだと思っているので、小さい競馬場でもこなしてくれると思いますし、いろんな条件がこの後待っていると思うので楽しみです」

チェイスザドリーム　2着

【決め手】終始楽な形の好位追走で前半要素生かし切る・勝ち馬に完敗も

好発と二の足が効いてハナを伺う勢いで出て行くも、内枠のテイエムトッキュウに行かせて楽に2番手追走の形。道中は終始楽な形で2番手追走から、4角でジワッと動き出して行って直線に入ってから追い出しを開始。序盤でスッと加速を見せて前を追いかけるが、逃げるテイエムトッキュウも同じように伸びを見せて中々差が詰まらない。最後１Ｆもしぶとく伸びきったが、最後まで前との差は詰まらないままで結局3馬身の差がついたが、自身より後ろの馬の追撃も楽々と振り切っての2着。

比較的前半にスムーズさがあって楽な形での2番手追走。スムーズさがあったとは言え33.5秒の流れを楽に追走できたし、4角から直線に向けての余力も十分に残して直線に向いたのは大きい。ちょっと勝ち馬とは0.5秒差もの差をつけられて力の差を見せつけられたものの、3着以下には0.3秒以上もの差をつけているし、自身も良馬場で1分9秒台に入れて来たのも評価できる内容。別定戦とは言っても55キロの斤量だった事が生きたと思うが、それでもこのメンバー構成で前半要素を生かし切っての2着は価値があると思う。

【レース関係者コメント】

（藤岡佑介騎手）
「このメンバーだったので先生と相談して２番手からいきました。ギリギリ我慢してくれました。年齢を重ねてずぶさが出てくれば、レースがしやすくなると思います」

メタマックス　3着

【決め手】中団後方から直線しぶとく伸びるも・上位馬に完敗の感

発馬五分から中団中目の位置取り。序盤から外目を意識しつつ3角までに外に出し切って中団外目の位置を確保。3～4角は最初は外を回るも4角で再度内に入れて、直線入口から直線で再度外に出して追い出しを開始。直線序盤では加速で違いを作り切れなかったが、直線半ばでグイっと伸び始めると最後１Ｆでエンジンが掛かってしぶとく伸びきる形。最後はゴール前で苦しくなった4着馬（リュウノユキナ）を捉えきって3着に浮上。

最内枠という難しい枠だったし、砂を被らずに…という意識の高さで様々なコース取りを用いてカバー。直線はしぶとく脚を使ってゴール前で3着浮上と、かなり工夫と言うか考えて乗られた結果。まあ流れる展開の中で後半要素を少なからず差を作ることが出来たし、勝ち馬とは0.8秒もの差がついたとはいえ相手関係を考えても現状では善戦のクチになると思う。

【レース関係者コメント】

（菅原明良騎手）
「内枠でもまれるのは、よくないと思っていた。多少なら砂をかぶっても、今日は大丈夫でした。収穫のあるレース。今後が楽しみです」

リュウノユキナ　4着

【決め手】好位追走も直線伸びきれず・勝ち馬に完敗、前半ＳＰ面に翳り？

好発から好位外目追走。3～4角で外目をスムーズに回って、4角で前を捉まえに動き出して直線へ。直線は内にモタれる感じで中々追い難そうな感じに。それでも最後１Ｆはしぶとく伸びきったが、ゴール前で外から来た3着馬（メタマックス）交わされて4着後退。

大外枠もスムーズに好位外目を確保できた形。ただ4角から動き出す形になった事と、直線で思ったほど伸びを引き出せずという感じ。前半のスピード面、後半の加速、持続力の面の両方で他馬との違いを作り切れなかった印象。決して道中のロスが大きかったいう感じではない内容で、勝ち馬から0.8秒差だからこれはもう完敗と言わざるを得ない内容。年齢的なものもあるし前半のスピード面で見劣ったという事は、ちょっと認めたくない事実かもしれない。

【レース関係者コメント】

（柴田善臣騎手）
「最近は乗っていなかったですが、レースを見ていてアクセルを踏んでも、昔ほど反応がなかったように感じていた。外枠からスムーズに運べたが、最後までダラダラ走るような感じだった。年齢を重ねた影響もあるのかな」

タガノクリステル　5着

【決め手】中団外追走、3角置かれ気味・コーナー対応？力の要るダート？

発馬五分から中団外目追走。3～4角で外々を回る形になるも、3角過ぎで若干置かれ気味。それでも4角で何とか押し上げて行って直線は外目へと誘導。直線は外からジリジリと追い上げると、最後までしぶとく伸びきる形を見せてゴール前で5着に浮上。

中団外目から終始外々を回る形で少しロスのある競馬だったと思うし、その中で3角で置かれ気味になるなどコーナーでの加速に少し難があるところを見せた内容。最後は持続力を見せて掲示板を確保する内容だが、現状では力の要るダートとなると持ち味を発揮しきれない感は強い。

【レース関係者コメント】

（戸崎圭太騎手）
「重賞で思ったより位置が取れなかった。ある程度流れに乗ってからは、リズム良く走れました。センスのいい馬で、これからが楽しみです」

ベルダーイメル　6着（3人気）

【決め手】後方待機も直線差し届かず・上位馬に完敗、1200ｍ適性に？

発馬五分から後方待機策。3～4角は内に入れて4角で動き出して、直線は一旦は外目日出すが壁になるのを見て、再度内に入れて追い出しを開始。直線半ばから最後１Ｆにかけて内目の狭い所をしぶとく伸びきる形を見せたが、上位馬に迫ることは出来ずに1.0秒差の6着まで。

まぁ後方待機策でもコースロスを防ごうと3～4角で内に入れて…という工夫は見えたが、この結果を見てもすべてを挽回しきるほどの後半要素を備えていないという事になる。ただ上手く先行出来たとしても33秒台の追走で余力を残せたかどうかは定かではないし、そもそも1200ｍの適性が怪しい馬であり、道中でタメが利かなかった…とすればこの結果は仕方ないかもしれない。

【レース関係者コメント】

（吉田豊騎手）
「１２００メートルが初めてで、意外に戸惑ってしまった。手前を替えてからは伸びていました」