きさらぎ賞　2022　回顧

【レース展開】　

Ｓ（スロー）後半型　SP持続型（稍重）　60.6-59.9　
12.7-11.3-12.2-12.3-12.1-11.9-12.1-11.9-11.8-12.2　

平均寄りのスローという流れからのＳＰ持続力勝負。どちらかと言えば持続力勝負寄りでもあり、終始12秒台前後を刻み続けるラップ。その単調な流れの中で直線の決め手と持続力が勝負を分けた格好に。

マテンロウレオ　1着

【出し切る形・後半勝負に徹して・加速の過程でスムーズさ得る・直線一瞬の加速見せる・後半要素で強み見せる】

【出負け】【中団待機・後】【4角外から動く】【直線外から伸びる】【最後１Ｆで叩き合い】【Ｇ前接戦制す】

若干出負け気味から中団やや後方を追走。道中は中団でジックリと脚を貯めて4角から外を回ってジワッと進出。直線は追われてから内にヨレるようなシーンもあったが、外から力強く伸びて最後の１Ｆで内で粘る2着馬(ダンテスヴュー)をゴール前で競り落としての勝利。

展開的には持続力勝負寄りの中で直線の決め手を見せて来た。追われてから少しヨレる感じはあったが、直線半ばでの加速力そのものはある程度の内容を見せたと思う。2着馬(ダンテスヴュー)とは4角から直線にかけての加速の過程においてこちらに分があったと思えるものの、最後は持続力も見せて何とかねじ伏せる格好を見せたのも好感が持てる。まだ鋭い加速を問われる展開に不安は残るものの、持続力勝負の中で後半要素を問われる形になれば今後も出番はあるだろう。

ダンテスヴュー　2着

【出し切る形・後半要素の強み見せる・勝負所で包まれ気味・勝ち馬とは加速態勢の差で・惜敗】

【中団待機】【3～4角内通す】【4角～直線序盤包まれ気味】【直線半ばで伸びる】【最後１Ｆ叩き合い】【Ｇ前接戦も・2着】【惜敗】

発馬五分から中団待機策。道中は中団のインで脚を貯める形で、勝負所からも内々を回す形。4角からはやや包まれ気味になって進路を探しつつの直線に向いて、直線半ばでようやく進路が開けて追い出しを開始。追い出されてからそれなりの加速を見せるも、外から来た勝ち馬(マテンロウレオ)の方が脚色が良い状態。最後の１Ｆは2着馬と馬体を併せての叩き合いになるもゴール前で僅かに差されて2着惜敗。

内容としては勝ち馬と同じ感じで、持続力勝負の中で直線である程度決め手を見せて来た形に。ただ勝ち馬と根本的に違うのが、4角から直線序盤で包まれ気味で完全な進路を得るのに時間を要した事だろう。加速の過程でどうしてもスムーズさを欠いた形になり、4角で外を回してスムーズに加速態勢に入れた勝ち馬とはやはり最後で脚色の差が出たと思う。ただそれにしては勝ち馬とはハナ差と僅かな差であり、この形で僅差の2着に粘れた事を評価する事も出来る。最後も決して止まった感じは無いし、結局は加速力の差（加速態勢の差）というのが大きく出た内容と見たい。

メイショウゲキリン　3着

【出し切る形・主導権握って平均ペース演出・直線後続を突き放す・見せ場十分・完敗】

【主導権握る】【4角で動く】【直線序盤で伸びる】【最後１Ｆ先頭も】【最後１Ｆ後続に差される】【完敗】

発馬五分もスンナリと主導権を取り切る形。道中は平均寄りのスローと言った流れで12秒台前後の持続ラップでレースを引っ張る。4角で動き出して行って直線序盤から半ばで後続を突き放す形を作ったものの、最後の100ｍで外から来た上位2頭(マテンロウレオ、ダンテスヴュー)に交わされてしまう。それでも最後まで粘りの走りを見せて4着馬(アスクワイルドモア)の追撃は封じて3着は確保。

平均寄りの流れでレースを引っ張り、その中で直線序盤から半ばで後続を突き放す格好を作り出すなど、この馬としては最高の形に持ってこれたとは思う。最後の１Ｆで甘くなるのは仕方ないし、後半勝負の形になっている上位2頭には及ばなかったのも仕方ない結果と言える。ただ平均寄りの流れを作って直線でも一瞬の加速で後続を突き放す形を作り切った事は評価できる。まぁクラシック戦線での話となると何とも言えない面はあるが、どういう展開でも直線で再加速する形を作れるという所は魅力のある馬と言える。今後も展開によっては意外と嵌る切るレースもあるように思える。

アスクワイルドモア　4着

【出し切る形・後半勝負に徹するも・勝負所内通す・勝負所反応で見劣り・直線加速力の差出る・完敗】

【出負け】【後方待機】【3～4角内通す】【直線ジリ伸び】【最後１Ｆバテ差し】【完敗】

出負けもあって後方待機策。3角過ぎから内を回す形で徐々に進出し、直線内目から中目の辺りからジリジリと伸びを見せる形で、明確な伸びはあまり無い感じ。最後の１Ｆもジリ伸びながらもしぶとく脚を使って、最後は内の馬をバテ差しのような格好で4着に浮上してゴール前は3着馬(メイショウゲキリン)にも迫ったが4着まで。

後方で脚を貯める形だったが勝負所で反応が悪いと言うか若干置かれ気味な感じで、さらに肝心の直線の加速も上位2頭(マテンロウレオ、ダンテスヴュー)ほどの脚も使えず。勝負所から内を回る格好になっているし、上位2頭よりも後ろの位置だったという事もあって力負けの感は強い。現状ではもう少し距離があった方が良いかもしれないし、ゲートや前半の位置取り的なものも今後の課題になると思う。

ストロングウィル　5着

【好発】【好位追走】【4角外から動く】【直線ジリ伸び】【最後１Ｆ脚色鈍る】

好発から好位追走の形。やや行きたがる面もあったがそこまで致命的なものでは無い。4角で外から動いて前を捉まえに行って、直線序盤から半ばでジリジリとした脚ながらも伸びを見せて2番手まで上がったが、最後の１Ｆで脚色が鈍って後ろから来た馬に揃って差される格好の5着。

道中若干力んでいたという要素はあるが、それでも平均寄りの流れる展開になって持続力勝負で見劣った感じ。結果的に5着とは言っても勝ち馬(マテンロウレオ)には0.7秒差だし、4着馬(アスクワイルドモア)にも0.5秒差だから完全な力負け。現状ではもう少し緩い流れになるか、後半勝負の形にならないと厳しい感じはある。前半である程度流れに乗ってしまうと後半要素を引き出せないタイプの馬なのだろう。少し控える形の競馬をすればまた違った結果と内容を見せる可能性はあると思える。

ショウナンマグマ　10着
（10人気・個人的本命馬）

【道中掛かる・向こう正面で逸走・競馬にならず・度外視？】

【好位追走】【序盤で掛かる】【2角～向こう正面で逸走】【3角で馬群に戻るも】【直線失速】

発馬五分で前を伺うも1角の進入地点でかなり掛かってしまい、2角からは外々へ逃げるような格好に。向こう正面ではもう外に逸走の形になって馬群を離れてしまい、3角で再度馬群に戻ってきたがもうこの時点でほぼ終了。当然直線は失速状態で勝ち馬から4.5秒差の11着大敗だった。

序盤でガツンと掛かってもう制御不能状態。2角から向こう正面で逸走しているかは度外視と言うか、真面な競馬をしていないので何とも言えない。当然次走見直しの余地はあると思う。