菊花賞 出走馬個別メモ ソールオリエンス
ソールオリエンス
【競走馬特性面】
MH2 【SP持続力・後半型】【後半型】【万能型】【直線加速型】
【専用メモ】出負け癖 二の足遅い 瞬間的加速、反応に? コーナーリングに難点?
【所感メモ】持続力問われた中で後半要素で違いを作るタイプ
【最終更新日】2023.5.29
【前走結果・レース展開】
セントライト記念・2着(0.3秒差)
S(スロー)後半型 瞬発力・一瞬型 60.1-58.8
前半からスローの流れから仕掛けが遅くて、結局は直線に向けての瞬発力勝負。コーナー区間で意外と速い脚は問われなかったが、最後の1Fで11.0秒という鋭い加速に対応する必要があったレース
【前走予想コメント】
【休み明け初戦】王者の力誇示・落ち着いて臨めば
【調教】絶好の動き見せる
【直前・変わり身診断】A・フットワークの良さは元々だが、精神的なものは春と比べてかなり大人になった雰囲気、絶好の気配
【事前予想】皐月賞馬でもあり当然実績最上位。ただ本質的に反応は悪いタイプだし、京成杯や皐月賞ではコーナリングにも難を見せていた馬。ただ外回りになる分だけ幾分マシになるかも
【前走決め手】
4角置かれ気味、外に振られる感・直線差し届かず、4角のロス響く
【前走個別レース回顧】
発馬五分から中団外目を追走の形。道中はそのまま中団外目から中団後方の位置で運んで、3角から外を回してジワッと進出の構え。しかし4角手前からちょっと置かれ気味になってジリっと後退。4角で盛り返すように動き出したが今度は若干外に振られ気味になって大外を回って直線へ。それでも直線は追われてからスッと伸びを見せ、半ば以降でも伸びて先に抜け出した勝ち馬(レーベンスティール)を追撃したものの、ゴール前でも勝ち馬の脚色は鈍らずで捉えきれずに1馬身3/4の差をつけられた2着まで。
道中の運びは問題なかったと思うが、やはり課題のコーナーリングの拙さと直線入口以降での勝ち馬(レーベンスティール)との反応と加速力の差が出た内容。また枠順の影響もあって道中の内外の通った位置の差もあったと思う。まぁコーナーリングの拙さと言っても4角だけだし、外に振られると言っても内の馬(コスモサガルマータ)が外に膨れてその余波を受けたと見れなくもない。またコーナーでは11.7秒程度のラップでそこまで速い加速を問われていないのも、意外と幸いしていると思う。ただ直線に向いてからはそれなりの伸びを見せたが、勝ち馬の脚色も素晴らしくて加速そのものは僅かに見劣った感じがしないでもない。まぁ本質的に平均以上で流れる展開の中で後半要素で違いを作れるタイプなので、今回のようにスローの後半要素の勝負は本質的に向いていないのだろう。この辺りは勝ち馬との特性面の差が大きく出た形になると思う。
本番菊花賞に向けての課題はコーナーの加速に対応できるかどうかに尽きる。今回の3~4角の対応が京王杯、皐月賞の時と比較すると幾らかマシだった事は事実だが、これでコーナーでの改善が見られたと見るのは結構危険かもしれない。本番の京都3000mは2度の坂越えもあるし、3角の下りで行き脚をつけての4角を迎えるとなると現状の内容ではかなり危険だと見る。この辺りをどう判断するかが菊花賞の最大のカギになるかもしれない。
【前走関係者コメント】
(手塚貴久調教師)「残念でした。格好はつけていますけどね。ちょっと4コーナーで振られてしまって、2馬身くらい離されちゃった。最後は伸びていましたからね。枠と良馬場で外、外を回して厳しかった。単勝1倍台で勝てなかったのは申し訳なかったけど、悪い内容ではなかった。道中はお釣りがあったし、これで距離はかなりもつのは分かった。本番でリベンジしたい。今日は安全策で外、外を回って、力を信じて乗ろうと決めていた。本番は枠順も違うだろうし、いろいろ考えて乗ることになるだろうしね。圧倒的に逆転されたわけではない」
【2走前結果・レース展開】
日本ダービー・2着(0.0秒差)
S(スロー)後半型 後半SP持続型 60.4-59.6
平均寄りのスローという流れからの後半SP持続力勝負だが、向こう正面で逃げ馬(パクスオトマニカ)単騎の形に持ち込んでおり、2番手以降の集団で見るとかなりスロー寄りの流れと推定される。実質的にスローの流れから直線加速勝負という展開だが、ラップを見ると意外と鋭い加速を問われる形にはなっていない印象
【2走前予想コメント】
無敗で二冠を・東京向く
【調教】上昇一途辿る
【直前・変わり身診断】A・wを自分のリズムで流す、無駄のない動きで切れおあるフットワーク
【事前予想】東京替りはプラス ゲート、位置取りカギ 長い直線で末脚出し切れば
【2走前決め手】
直線差し届かず、差し遅れの感も・勝ち馬に反応で見劣り
【2走前個別レース回顧】
発馬五分から中団前目の位置取り。道中は中団前目のインでの追走で3~4角も内々を回しつつ、4角でジワッと動き出して行って直線へ。ただ直線序盤から半ばで若干包まれ気味で少し追い出しを待つ形から、半ばで勝ち馬の直後を通って伸びを見せ始める。ただ完全に追い出してからの加速で少し見劣って勝ち馬には逆に突き放される様な感じになるが、最後の1Fでグンと伸びてゴール前にかけて勝ち馬に詰め寄ったがクビ差及ばずの2着惜敗。
中団内目の絶好位で運んだものの直線で差し届かずという内容。まぁ直線序盤から半ばで進路取りで少し後手を踏んだというのもあるのだが、単純に差し遅れという感じの見立ててでいいと思う。勝ち馬に対しては追われてからの反応と加速で完全に見劣った形であり、そうなるとやはり勝負所から直線での加速態勢が問題になると思う。ただ皐月賞で見せたパフォーマンスの高さから見ても本質的にスローの後半勝負の展開では現3歳世代の中でそこまで違いを作れるタイプでは無い可能性が高い。まぁこの展開でもクビ差の2着だからこの展開の適性が全く無いという事ではないだろうが、本質的にはある程度の流れから持続力勝負の中で後半要素で決定的な違いを作るタイプなのかもしれない。ちょっとこの辺りは秋に向けて、或いは来年に向けて少し精査する必要はあると思う。
【2走前関係者コメント】
(横山武史騎手)「左回りが初めてなのがどうかなと思っていたが、内側に倒れるような仕草があった。想像以上にスローペースになって、いつものキレ味が削がれてしまった。勝った馬に有利になった。運がなかったです」
【3走前結果・レース展開】
皐月賞・1着(-0.2秒差)
H(ハイ)前半型 持続型 重馬場 58.5-62.1
序盤から結構流れる展開から5F目以降は12秒台半ばのラップで持続力勝負の形。重馬場という条件でもあり、かなりタフな競馬になった印象
【3走前予想コメント】
【休み明け初戦】前走経験糧に・能力高い
【調教】仕上がり万全
【直前・変わり身診断】A・大きなフットワーク、抑えきれない気合い乗り
【事前予想】平均以上の流れへの対応カギ コーナーの加速に?
【3走前決め手】
直線後方から豪快に差し切る・後半要素で他馬と明確な違い見せる
【3走前個別レース回顧】
発馬五分も序盤から下げて後方待機策。道中は流れる展開を後方で脚を貯める形から3角過ぎで外から進出を図るも置かれ気味で、4角では外に振られる形になりつつ直線入口で大外へ。しかし直線は序盤から伸びを見せて半ばで更に加速。最後の1Fは大外からただ一頭違う脚色で差し切っての勝利。
序盤は控える形で後半勝負に徹する乗り方。重馬場の馬場状態でハイペースという条件だから、見た目にも展開的に噛み合った形だったと思う。ただ直線での加速は本当に桁違いのモノを見せていて単純に噛み合っただけの勝利という感じも無い。持続力勝負の展開ではあるものの後半3Fは12.7-12.5-12.0の加速ラップで、特に最後1Fでは見た目にも11秒台前半の脚を使っていると推定される。展開の利だけで差し切れるようなラップ推移では無いのは間違いない。ただ明らかに後半要素での違いを見せてはいるものの、3角では置かれ気味だったし4角では前走の京成杯で見た内容と同じように外に振られていてコーナーの対応には課題を残したままという印象。後方待機に徹して後半要素での違いを見せた内容ではあるが、中山だとこの形でしか走れないのかもしれない。
次走は当然ダービーという事になる。すでに前走の時点でダービーを少し意識できる内容ではあったが、ここでの結果を受けてさらに前向きになれるのは間違いないと思う。アラを探せば高速馬場はどうか?とか、左回りでもコーナーリングの課題が出て…というのはあるのだけど、現状では後半要素でまだ底を見せずという雰囲気すらあるのでこのまま普通にダービーもクリアしてしまいそうである。後は別路線組に強敵の出現があれば話は別だろうが…。
【3走前関係者コメント】
(横山武史騎手)「本当に普段からいい馬に乗せていただきながら、去年はG1で結果を出せなかった。自分には何が足りないのか、毎日毎日考えてきたんですけど、もちろん馬のおかげですけど、G1で結果が出せてよかったです。馬場を考えて、外を走りたいなと思っていたんですけど、ゲートで行き脚がつかなかったので、(後方から)この馬のリズムで走らせました。この馬の強さは僕が一番知っている。返し馬でも状態が良かったので、自信を持って乗りました。1年ぶりにG1を勝てましたが、去年も、2年前も乗せていただきましたが、ダービーではいい結果を出せていない。僕は成長しているはずなので、技術を上げた姿をこの馬と一緒に(ダービーで)見せたいと思います」
(手塚貴久調教師)「レースぶりは想像以上ですごいと思いました。レース経験の少ない中、ファンの皆さんに人気にして頂いて条件の悪い中で結果を出してくれました。これまでの2戦と同様、これから競馬だという雰囲気がなく、まだレース慣れしていないのかと思っていたのですがレースでは違いましたね。今日の難しい条件でどうするかと思っていたのですが横山武史騎手がうまく乗ってくれました。レースでは勝負どころで手応え良く上がって行ったのである程度伸びると思いました。しかし、前の馬とは離れていたのでゴール直前まで届くかどうかはわかりませんでした。良く伸びてくれました。この子(ソールオリエンス)を信じて良かったと思います。今後に向けては上積みしかありません。コースが東京に変わってもそれはプラスだと思います。ダービーへはいっそう期待を持ってしっかりと仕上げたいと考えています」
【菊花賞に向けてのポイント】
末脚の破壊力は抜群だが、なにせスピードを乗せていく過程で少し難を見せるタイプ。特に皐月賞、セントライト記念と右回りでは4角から直線入口で外に振られる傾向がある点をどう見るかが最大のポイントになると思う。現状では流れる形から持続力勝負寄りの展開で、加速そのものを問われにくい形の方が信頼できそうな感じ。
【注意事項】
前走予想コメントは専門誌のものですが、事前予想、★欄のコメント、競走馬の前走決め手、前走個別レース回顧は私個人の見解のものです。また前走決め手、前走個別回顧、前走関係者コメントは過去にレース回顧で掲載されたものです。
また前走が海外競馬、地方競馬、重賞以外のレースに出走していた場合、前走決め手、前走個別回顧、前走関係者コメントの掲載はありません。また一部の重賞競走ではレース回顧をしていないケースもあり、その場合も決め手、回顧、関係者コメントは掲載しておりません。
☆競走馬特性面についての注意事項
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