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京都大賞典 2021 回顧

【レース展開】

S(スロー)後半型 SP持続・失速型 61.6-59.9

序盤こそスローだが中盤以降は11秒台半ばから後半のラップを連発する流れから、最後の1Fは13.0秒と大きく落とす形。純粋に持続力勝負の末の消耗戦という感じになったと思う。

マカヒキ 1着

【出し切る形・展開向く・持続力の高さ生きる・メンバー低調?】

【出負け】【リカバー・中団待機】【3角置かれ気味】【4角で動く】【直線入口で中目】【直線ジリ伸び】【最後1F外から伸びる】【G前差し切る】
出負けも序盤から押して行って中団からの競馬。道中は終始中団で待機して3角から手綱が動いて外から押し上げ態勢に入るもやや置かれ気味。4角で本格的に追い出して行くが見た目の位置取りはほとんど変わらず。直線は馬群の中目に突っ込んで行って、しぶとく伸びるという感じ。残り1F地点で4.5番手の位置まで上がってくると、残り100mで外目に出してからさらにしぶとく伸びを見せてゴール前で2.3着馬を一気に交わして見せた。

勝負所でややモタついた感じはあるものの、直線しぶとく脚を伸ばしてゴール前で失速した2頭を綺麗に差し切る形の競馬。良くも悪くも勝負所で一気に加速出来なかったのだが、その分だけバテない強みで末脚の持続力だけで何とかしてしまったような競馬。中盤以降からの持続力を問われる展開で、後半は失速する消耗戦の形になったのがこの馬には向いた印象。特にゴール前の坂で他馬が失速した所を差し込めたのは、まだ余力があった事の証明だろう。今回のメンバーがやや低調であったのも要因の一つではあるものの、このメンバー内では持続力の高さが最大限に生きた結果と見ていいだろう。

アリストテレス 2着

【出し切る形・ロングスパート戦嵌る・持続力の高さ見せる・最後は展開のアヤで・惜敗】

【出負け】【リカバー・好位追走】【4角~直線入口包まれ気味】【直線半ばで伸びる】【最後1F叩き合い】【G前外から差される】
若干出負けしたが前に行って1角までに好位の外目を確保し、3角過ぎから中目からジワッと押し上げて行いく格好。4角から直線入口で若干包まれ気味になるも、直線序盤で外目に出して追い出しを開始。そこから確実に伸びを見せて前との差を一気に詰めて最後の1Fで先頭に立つ。しかし最後の100mで内から一旦は交わしたはずのキセキ(3着馬)に差し返される格好になって、激しい追い比べに発展。しかしゴール前数十メートルでグイっと頭一つ抜け出したと思ったら今度は外からマカヒキが突っ込んできた所がゴール。結果は僅かにハナ差及ばずの2着だった。

正直流れる展開の持続力勝負には?がつくタイプと思っていたが、想像以上にやれたなという印象。開幕週の軽い馬場という条件でもあったし、純粋な持続力勝負というのがこの馬には見事に嵌ったというような印象。最後はキセキを何とか競り落としたものの、マカヒキにやられたのは展開のアヤと言っていいものだろう。ちょっと今回のメンバーの力関係の話になってくると強調しにくい点はあるものの、好位からレースを進めて展開的にもかなり厳しい内容で2着に来たことは評価されていいはず。


キセキ 3着

【出し切る形・展開向く・持続力の高さ見せるも・流石にゴール前で甘く】

【出負け】【リカバー・好位・外】【4角で動く】【直線ジリ伸び】【直線半ば抜け出す】【最後1F叩き合い】【G前接戦も・3着】
若干出負け気味から二の足が遅かったが押して押して1角までに好位の外目を確保。3角から外を回ってジワッと押し上げて行って、4角で本格的に仕掛けて先頭に並びかけに行く展開。直線序盤での伸びがジリっぽくて先頭のダンビュライトを中々交わせない状況。それでも直線半ばでようやく先頭に立つと最後の1Fで押し切り態勢にはいるものの、外からアリストテレス(2着)迫ってくる。一旦は交わされたように見えたがこれに執拗に抵抗。最後の100m付近で差し返す形を示したが、ゴール前で甘くなって相手に抜け出されるとゴール前で外から来た勝ち馬に交わされて0.1秒差の3着まで。

好位から持続力の高さを見せる内容だったが、ゴール前で流石に甘くなったところを後続に差される格好。ペースの緩急が無くてとことん持続力が問われる展開はこの馬向きであり、結果は兎も角内容的には出し切る形になったとは思う。上位3頭の中では最も厳しい展開になっているし、形としては決して悪くないと思う。

ディアマンミノル 4着

【発馬直後不利・出し切る形・展開向く・位置取り後ろ過ぎ?・バテない強み生きる・完敗】

【発馬直後不利あり】【後方待機】【3角で動く】【4角~直線入口で大外】【直線ジリ伸び】【G前バテ差し・4着】【完敗】
発馬直後に両サイドの馬(アリストテレス、キセキ)に挟まれる形になって最後方からの競馬。3角手前で動き出していくが他馬もペースを上げていて全く前の集団との差が詰まらない。4角手前でようやく馬群の後尾に付いたがそれでも押っ付け通しで直線入口へ。直線は大外に出してくるが伸びはあまり見られず終始ジリ伸びという感じ。残り100mで前の馬が揃って脚色が鈍った所をバテ差しの恰好で4着を確保。

こちらも切れる脚は無いがとにかくバテない脚を持っている事がこの4着という結果に繋がっている印象。後方からバテ差しの恰好ではあるものの、長く脚を使っているのは事実だし、発馬直後に挟まれる不利があったのは結構痛かったかもしれない。発馬後の不利があったにせよ二の足が遅くて後方過ぎる位置になっているし、3角で押し上げようとしても全く加速出来ていなかったのは致命的。ただこの面子を相手に0.3秒差は善戦と言っていいかも。現状ではもっと距離を伸ばした方が良さそうな雰囲気も。

ロードマイウェイ 5着

【出し切る形・勝負所から外回る展開・長距離戦で新味出る・持続力の高さ見せる・完敗】

【中団待機・外】【3角で外から動く】【4角から直線入口で大外】【直線ジリ伸び】【G前バテ差し・5着】【完敗】
発馬五分から中団外目を追走。3角で動き出していって、3~4角は外を回って進出し、直線入口も外目に出して伸びて来る感じ。直線は終始ジリ伸びという感じで他馬と脚色の違いを出せないが、最後までしぶとく伸びきるという感じ。ゴール前うちの先行馬がバテたところを差し込んで5着。

長距離向きという印象は全くなかったのだが、この距離で持続力の高さを見せてきたのはちょっと驚き。3角過ぎから外々を回る形での結果だし、勝ち馬に完敗とは言っても0.3秒差だから悲観すべき内容ではないはず。距離が伸びて新しい一面を見せたのと同時に持続力の高さを証明する形になった事で長距離戦への路線変更も視野に入ってくるのは確実だろうが、G2と言えメンバーの力関係的にはそこまで高くないレース。長距離戦での活躍の期待度は高まった事とは思うが、過度の期待は禁物のように思える。


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