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「テキーラは悪酔いする」「テキーラ好き=酒豪」への3つの反論

こんばんは!原田です。

note連続投稿5日目。

今日はテキーラマエストロらしく、がっつりテキーラについて語ります!

私がマエストロを取得したのは2年ほど前。当時はお店でテキーラを勧めても、

「そんなにお酒強くないから」
「あんな飲み方(ショットで一気)したくない」
「テキーラを飲むと悪酔いするから飲みたくない」

などなど、散々な言われようだったものです。笑

ところが最近では、

「テキーラって罰ゲームで一気させられるものだと思ってたけど、必ずしもそーゆーお酒じゃないんだよね」
「最近テキーラをいろいろ飲むようになったけど、おいしくてハマってる」

などなど、ポジティブなコメントも多くいただくようになりました。嬉しい限り!

とはいえまだまだ、「テキーラ=悪酔いするお酒、お酒が強い人が飲むもの」といったイメージを抱いている人は少なくありません。

私自身、テキーラが好きでよく飲むんですという話をすると、
「じゃあ相当お酒が強いんだね」
という返しをいただくのがテッパンです(実際は嗜む程度でございます)。

そこで今回は、1人でも多くの方にテキーラに対する誤解を解いていただいて、テキーラは悪酔いするお酒でもなければ、お酒に強い人だけが飲むお酒でもないんだよ、ということを知ってほしいなと。

そしてあわよくば、「テキーラ、飲んでみたい!」となっていただいて、バーやメキシコ料理のお店なんかで、たくさんのテキーラに触れていただければ、と思います!

(さらにあわよくば、Vogueにご来店くださいそして私にテキーラを選ばせて!)

【反論1】アルコール度数は他のスピリッツに比べて低め

まず「テキーラは悪酔いする」「テキーラ好き=酒豪」への1つ目の反論として、テキーラはそもそも、他の4大スピリッツやウイスキーと比較してアルコール度数の高いお酒ではないことを主張したい。

テキーラのアルコール度数は、35~55%。この数字はテキーラ管理評議委員会(CRT)により厳格に定められた規則なので、55%を超えるアルコール度数のテキーラは存在しません。そして、実際商品化しているものは、38%や40%のものが多いです。

一般的なウイスキーやウォッカ、ラム、ジンもだいたい40%程度ですから、テキーラだけが突出してアルコール度数が高いわけではないことがわかると思います。むしろ、他のスピリッツのほうがよっぽどアルコール度数は高いんですよ。

例えば、スピリタス(ウォッカ)は96%、ロンリコ151(ラム)75%。ジンには47%台の商品も多くあります。ウイスキーの中でもアルコール度数が高めな傾向にあるバーボンでは、50%台の商品も少なくありません。一方テキーラは、一番アルコール度数の高いもので55%未満。

アルコール度数だけで見て「テキーラを飲む人=お酒の強い人」が成り立つなら、どのスピリッツやウイスキーを飲む人にも同じことが言えてしまいそうですね。

同時に、「テキーラはアルコール度数が高いお酒だから悪酔いする」という理論も成り立たないことがわかると思います。

【反論2】楽しみ方はショットで飲む以外にもいろいろ

「テキーラは悪酔いする」「テキーラ好き=酒豪」というイメージに一役買っているのが、「ショットで煽る」という飲み方。しかも日本の場合、なぜか罰ゲームでテキーラが使われることが多いですよね。

テキーラ=ショットで、というイメージはいまだに根強いようで、テキーラを勧めると「ショットで飲む余力がもうないかも……」なんて言われたりすることは多いです。

ショット(ストレート)で飲むのももちろん、テキーラの味わい方の一つではあると思いますが、何も一気に飲む必要はないんですよね。

むしろ、ウイスキーや他のスピリッツと同様に、テキーラだって1つ1つのボトルでまったく味わいが異なるのですから、ゆっくりと口に含みながら、じっくりじっくり味わってほしい。

もっと言うと、ストレートで飲むだけがテキーラの楽しみ方ではありません。ジンと同じようにソーダやトニックウォーターで割っても、スッキリとした飲み口で香りはより華やかになり、とてもおいしいです。

ちなみに私、「テキーラ初心者に、テキーラが好きになりそうな一杯を」と言われたとき(わりと言っていただきます笑)は、以下のテキーラのソニック(ソーダとトニックを半々で)割りにレモンを添えたものをお出ししています。

そして、おいしい!としか言われたことないです(いやこれ、本当におすすめ。最初の一杯でもいっぱい飲んだ後の一杯でも、どちらでもイケます)。

あるいは、少しずつ氷を溶かしながら、ロックで楽しむのももちろんGood!水割りなら、個人的にはハーフロック(テキーラ:水=1:1)がベストかな。

そしてなんと、テキーラのお湯割りも、香り高くて実はすごくおいしいんですよ。

ボトルによってその特徴を最大限に引き出すおすすめの飲み方もあったりするので、テキーラはやっぱり、バーに行ってバーテンダーに聞きながら飲むのが一番楽しめると思います。

テキーラが必ずしもショットで飲むべきお酒ではないとしたら、「テキーラは悪酔いする」「テキーラ好き=酒豪」というイメージも、だいぶ遠のいていきませんか……?

【反論3】コンジナーの含有量は醸造酒よりも少ない

コンジナーとは、お酒に含まれるアルコールと水以外の成分のこと。お酒の味わいや香りに影響する成分ですが不純物も含むため、「悪酔い」する原因の一つと考えられている物質です。

コンジナーは、どんなお酒にも一定量含まれています。もちろん、テキーラにも。ただし、テキーラだけが格別にコンジナーを多く含んでいるわけではありません。

むしろ、製造過程でコンジナーがお酒に残りやすいために、蒸留酒(テキーラをはじめとしたスピリッツ、ウイスキーなど)よりも醸造酒(日本酒やワイン、ビールなど)のほうが、コンジナーは圧倒的に多いのです。

ですから少なくとも、蒸留酒であるテキーラのほうが、醸造酒である日本酒などよりはコンジナーの含有量は少ないということ。その意味においては、悪酔いもしづらいと言えると思います。

ただ、日本も以前はメキシコからの輸入品が入らず、国内に流通しているのはほとんど質の悪いミクスト・テキーラだった、という時代があったと聞いています。

ミクスト・テキーラとは、51%以上がアガベを原料としたお酒であるものを言います。要するに、残りの49%は何を原料としたお酒であろうが、どんな質のお酒であろうがいいわけです。

数十年前に日本に流通していたミクスト・テキーラは、廃糖蜜を原料にした質の悪い(不純物を多く含む)お酒を残りの49%に使っていたケースが多かったとか。

そのため当時のテキーラには、蒸留酒とは言ってもコンジナーが多く含まれていた可能性は高いです。コンジナーを多く含むテキーラを、罰ゲームと称し、ショットで、何杯も煽る。

そりゃ悪酔いもするでしょ、という感じもしますね。。
当時の記憶が鮮明に残っていて、テキーラに良いイメージがもてないとしたら、それも仕方がない気がします。

安心していただきたのは、テキーラの質も年々向上しており、現在ではミクスト・テキーラと言っても、悪酔いする成分を多く含むことはないと言えること。

そして、日本でも100%、アガベを原料とするお酒で構成されたテキーラ(プレミアム・テキーラと呼び、ミクストと区別することがあります)が一般に流通するようになり、そもそもミクストを飲む機会も減ってきつつあります。

日本でテキーラ、と言えば、多くの方のイメージにあるのはこれかな。

最古にして最大のテキーラ蒸留所を有する、クエルボ社のミクストです。エスペシャル、おいしいんですよね。

香りはいいしほのかに甘みがあって、特にこのレポサドは、樽香をちゃんと感じられるところも好みです。ライムとの相性も抜群ですしね、冷凍庫でキンキンに冷やしたやつをちみちみいただくの、好きです!

ただ!ただね!!

ミクストももちろんおいしいんですが、100%アガベには100%アガベでしか味わえない格別なおいしさもまた、確かに存在するのですよ。

まだミクストしか飲んだことないよ、っていう方、ぜひバーに足を運んでください。そして、一度でいいから100%アガベをゆっくり、じっくり、味わってほしい。

テキーラと言えどウイスキーと同じように数えきれないくらいの種類がありますから、いろいろと試していけば、きっとあなたにピッタリなテキーラとの出会いもあると思います。

当店の営業が再開した暁にはぜひ、その出会いのお手伝いをマエストロの原田にさせてくださいね!その日を楽しみにお待ちしております^^

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