倉敷在住の画家、ひらまつえりこ さん作「冬の観光案内所」です。建物は100年余り前の大正時代に町役場として建てられました。倉敷美観地区定番の風景ですが、この構図の風景画は初めて観ました。木の葉が落ちた冬限定の眺めで、ひらまつさんの発見的創造です。橋の袂に立つ人力車夫が寒そうです。
微笑ましい情景画ですが、青い枠が描かれています。枠により、紙袋の中を「覗いている」のを外から「覗く」という認識の入れ子構造が表されています。これは世界を観念的に認識する仕方で、例えば尺貫法ではなくてメートル法で世界を測ることに通じます。作者の柔軟な空間再構成能力が垣間見えます。