いむいむが生まれた日

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旅の途中で枯れた大地に立ち寄った。 そこには少女がただ一人。 緑の髪には白い花が咲いていた。 少女は枯れた大地に根付いて、大地を生き返らせるのだという。 「私は花の種ですから」 少女は微笑むと種をひと粒託した。 「きっと旅の役に立ちます」 少年は別れを告げ、最果ての島を目指した。

少年を乗せた黒い大鳥は空高く飛んだ。 険しい山に囲まれた島は見渡す限り灰色の瓦礫。 黒い大鳥は言う。 「ここは虹の町。 全ての色と全ての光がごちゃまぜで 何もかもありすぎて何もない。 野牡丹と晴れた空と太陽の色が黒く混ざり、 林檎と葉っぱと菫の色が白く混ざり、 黒と白とで灰色に」