彼女は日本語が出来なかった。眠った幼児を抱きかかえヘトヘトに疲れて帰る夕刻に電車に乗ったが誰も席を代わろうとしない。彼女の国なら信じられないことらしい。「アニマーレス!!」つい罵りの言葉が出た。通じるものだ、席を譲ってくれる人が現れた。‥いや、鬼気迫るものを感じたからでしょ。