講談社選書メチエ・2024

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◆「文学的営為の基本」(木庭顕『ポスト戦後日本の知的状況』42頁)を読む際には気をつけてきた。だから文学作品の登場人物に共感できるかどうかはほとんど関心外である。『カラマーゾフの兄弟』を何度も読むのは、アリョーシャやイワンに共感するからではなく、問題を精度高く感知するため。

◆木庭顕『ポスト戦後日本の知的状況』を所々読む。私自身は読み解く基礎を欠くが、問題群が透徹した眼差しに射貫かれている。 「世界の現実の総体と対峙するという学問の基本姿勢」「古い時代から続いてきた知的姿勢の基本、とりわけ社会の圧倒的な潮流に一人で立ち向かうという基本」310頁