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隙間さす光を追い 再び照る日を待つ 陰る日にこうべを上げてーー再生を待つ《真夜中の卓上神話》

空からトプンと水滴が顕れたかと思うと、ギョロリと森を見渡す。あれは森の主だ。くるりくるりと万華鏡のように尾びれをひるがえし、気に入った木の葉と戯れながら睨みをきかす。シッ、静かにしておけば、なんの問題もない。――樹海の主《真夜中の卓上神話》

木の根を食むものも土の下で眠るものも、花ひらく日までおやすみ。いずれ雪どけ、ふみ行く野に咲く花、花、花。ーー春の種 冬の眠り《真夜中の卓上神話》

もえる山霞たなびく狼煙に迷える狼 追い追われ垂れる星雨に澄ます日々―― 迷える狼の安息《真夜中の卓上神話》