アンナ・カレーリナ

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【劇評296】宮沢りえ、小日向文世の『アンナ・カレーリナ』。過剰な演出が、かえって空虚な舞台を生み出している。

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木村浩訳『アンナ・カレーリナ』(新潮文庫)。上中下の三巻。下巻の奥付を確かめたら、平成二十一年、五十三刷とあった。驚異的なロングセラーなんですね。

批評や講義は、こうありたい。ナボコフによるレフ・トルストイ論。「アンナ・カレーリナ」を詳細に分析しています。「二組の時間組(タイム・チーム)の間の同時性の絆となるのは、今や相手を持たぬカレーニンである。つねにだか一人が弾き出され、相手を持たぬ存在となるよう運命づけられている」