彼を鍛え上げたのは、100℃をゆうに超える高温の鉄板。やわなもち米だった彼は灼熱の洗礼を受け、その肉体に鋼鉄のごとき強靭をまとう。生白かった肌さえもたくましい褐色に変じ、すあまやようかんやきんぎょくがこぞって秋波を送る偉丈夫へと成長した。和菓子界随一の硬派、その名はおせんべい。