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情報インターネットとしてのブロックチェーン

多くの研究者はブロックチェーンを価値インターネットと呼んでいる。この表現は完全に正しいわけではない。ブロックチェーンは主に、サプライチェーン管理(SCM)・偽造防止と追跡・貧困扶助・医療健康・食の安全・公益活動と社会支援などの場面に利用されている。情報インターネットとするブロックチェーンの応用は、分散型台帳でオフチェーンの商品・薬品・食品と資金などの流れを記録することで、上流と下流における異なる部分を相互的に検証させ、分散されたデータの間で繋がりを作り、全フロー管理を実現する。
このような応用は、多くの場合に「コインレスブロックチェーン」とも呼ばれ、共通した特徴がある:ブロックチェーン自体が価値移転(資産の所有権またはリスクの移転を指す)に関わらないが、ブロックチェーン外の価値移転をブロックチェーンに記帳できる。
情報インターネットとしてのブロックチェーンの重要性を考えると、以下の問題を明確にする必要がある。
第一に、ブロックチェーンにおける情報インターネットと価値インターネットの二つの機能はどのような関係であるか。
第二に、ブロックチェーン外のどのような情報がどのようにブロックチェーンに記帳できるか。
第三に、情報インターネットとしてのブロックチェーンでできることとできないことは何であるか。

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