鉈の柄つけに関するおぼえがき
もう十年位前に堺市で開かれたクリエーターマーケットで買った鉈にやっと柄をすげました。
鉈に柄をすげると聞けば何だか面倒臭そうですが、特別な道具も必要ありませんし時間もかかりません。切り込みを入れた木材に刀身を差し込み金属製の輪とピンで固定しているだけですが、かなりの力に耐えます。作業に必要なのも、鋸と柄を削るための刃物、金属製の輪とピンを柄に打ち込むための金槌だけ。この仕組みを考えた人は本当に賢いと感心しています。
ただ、難点がひとつ。刀身の穴の位置が正確に判らないという事です。事前に位置合わせしているものの、どうしても運任せの部分が出てしまいます。それに対して、柄の方に先に穴を開けておいてピンを打ち込んでから口金を嵌める方法や、柄をすげる度に柄ごとピン穴を開けるといった方法があります。状況に合わせて好みの方法をとるといいと思っています。
それと、柄に切り込みを入れる時に万力で固定出来れば便利ですが、私は側溝に自動車用の回転式ジャッキを入れて固定しています。道端で作業する事になりますが、農村のおおらかさというか…誰も通らないので何も言われません。また、口金は丸くないといけない訳ではなく、私は自身の握りやすさに合わせて楕円に潰した口金を使っています。口金に合わせて柄の側面を平たくできるので、疲れて握力が落ちて来た時に手の中で鉈が回るのを防ぐことができます。それと、柄は最終的に400番程度の紙やすりで磨いて油を塗りますが、こだわって紙やすりの番手を上げ過ぎると手の中で滑りやすくなります。それでもいいという方なら、仕上げはガラスの破片で撫ぜるという方法もあります。使えるものは何でも使うという姿勢が一番大事なのかも知れません。後、少々精度が悪くても実用上は問題ないと割り切る気持ちも大切です。