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社会復帰の第一歩

高校を卒業し東京で1年浪人した後地元に帰り大学生になった。

浪人時代は同居していた姉以外の人間関係がほぼ無くひとり行動がほとんどだった。

大学入学後、大学滞在時間が必要最小限だったので同じ学部の友人が皆無だった。ひとり部屋を暗くして毎日にように映画を何本も観ていた。

大学3年生になり専門の授業が始まった。既に仲良しのグループが出来ていた。ある日ひとつのグループの女の子からランチに誘われた。何だか嬉しかった。それをきっかけに4人で食事したり、美味しいケーキを食べに行ったり、服を買いに行ったり、だんだんと人並みに友達と遊ぶ時間が増えてきた。卒業間際はゼミの何人かの男女で旅行に行ったり楽しく過ごすほどに社会性を取り戻していた。

就職後も同僚と仲良く付き合うことができた。同僚の女性達と毎日のように一緒に
ランチに行ったりしている自分を見て時々不思議な気持ちになった。ひとり行動ばかりしていた私はどこへ行ってしまったんだろう。大学3年生の時彼女たちが声をかけ
てくれてなかったら相変わらず社会復帰することなくひとりで遊んでいたのだろうか。

私に声をかけようと言った女の子に何故声をかけたか尋ねたことがある。彼女は笑顔で答えた「面白そうだったから」


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