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血管が死ぬこと

私の腕の血管は太い。若い頃は職場の上司から「オッさんみたいな血管やなあ」と笑われていた。

人生初の手術は長男の帝王切開。手術前に点滴が始まる。看護師さんは太い血管がたくさんあって助かりますと笑っていた。手術に使う点滴の針は太い。術後7日間ずっと点滴は続いた。退院後しばらくして腕に固いシコリを見つけた。触ると細い針金のようなものがある。少し心配になり近所の病院に行った。医者は「血管が死んで固くなってますね。しばらくすれば無くなりますよ」と言った。原因は点滴と思われた。その後長女、次男を帝王切開で出産し、その度に私の太い血管が死んだ。合計3本の太い血管が死んだことになる。

最近一泊2日入院して簡単な手術をした。20年ぶりの手術前、看護師さんが点滴の針を入れる血管を探した。右腕を探したが太い血管がなかった。左腕を探し太い血管があった。28年前にはたくさんあった私の太い血管達は少なくなっていた。左腕に生き残っていた太い血管に点滴の太い針が入った。今回は帝王切開と違って一日の点滴だから大丈夫だろうと思っていた。

退院の日、看護師さんが点滴の針を抜いた。針の跡が固く腫れていた。嫌な予感がした。今手術後5日目。点滴をした血管が痛く固くなっている気がする。私の自慢?の太い血管がまた死んでしまったかもしれない。5回目の手術の時、まだ私の太い血管は残っているのだろうか?今から心配しても仕方ないので、今日はマブダチと美味しいものを求めてお出かけします。


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