見出し画像

いれかわる

10年以上前の彫刻を見ていると、
デッサンも狂っているし彫りすぎな面もあるけれど、今に足りないものがあったりする。
どちらがいいという訳でもなく、フラットにただ並んでいて、決めるのは観る人々だ。

技術は身につけては捨て、身につけては捨てと常に入れ替えて新鮮にしてきた。
技術を貯め込みすぎないようにするのは、いつでも鮮度ある目線で子供のようなセンスオブワンダーを大切にしたいのと、フットワーク軽く気ままに感覚を動かせたいから。

もちろん美術を始めた頃は、技術を最高峰まで積み上げるほど身につける努力をしてきた。彫刻を始めてから約20年経った今は、積み上げた技術を選別していらないものは捨てる事も積極的に取り組んでいる。余分な荷物は省いたほうが高い山に登れるような気持ちになる。

次をつくるために壊す
壊してまたつくりなおす

はたからみると、アウトラインは何も変化していない様に見えるけれど、技術は彫刻のバランスを保つために新しいものに常に中身は入れ替わっているのだ。ちょうど生命活動のように。

10年後はまたどんなふうな彫刻を残しているだろう。今作っている彫刻たちを見ると、恥ずかしくも懐かしく思うのだろうな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?