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最近中国で話題に上がったSNSのエンゲージメント詐欺について

皆さんこんにちは。エンジョイジャパンの橋本です。最近中国でSNSのエンゲージメント詐欺事件が話題に上がりました。本日は、この事件についてご紹介したいと思います。

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事件について

最近、「星援APP(シンユェンアプリ)」というアプリを開発した「蔡坤苗(ツァイ・クンミョウ)」という人物が、PC情報システムプログラムへ侵入した疑いで有罪判決を受け、5年の懲役と、100,000元(約160万円)の罰金を科されました。

2018年、人気アイドルの「蔡徐坤(ツァイ・シユウクン)」の微博投稿の転載数が1億回を超えたことがこの事件の始まりでした。(彼自体はとても良いアイドルです。)彼のフォロワー数は約3,000万人しかいませんし、フォロワーたちが全員転載しても1億回にはまだほど遠いため、当時はこの出来事は一気に注目を浴びました。

芸能人のファンたちは、自分が応援している芸能人の知名度を上げるのに、芸能人が投稿した記事のエンゲージメント数を上げようと、必死に転載やいいね!を押しているのが今中国の潮流になっていて、「星援APP」はそこに目を付け、ファンたちに対して有料で芸能人のエンゲージメントを上げるサービスを提供していました。「星援APP」は、微博の公式アカウントを経由せずに、芸能人が投稿した記事のエンゲージメント数を上げるためのアプリだったのです。

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星援APPの機能について

星援APPに微博のアカウントを登録し、「自动转发模式(自動転送モード)」をオンにするだけで、好きな芸能人が投稿した記事を自動的に転載することが出来ます。しかし、1つのアカウントでは1回しか転載ができないため、対策として「批量绑号(アカウントのセット買い)」機能が備えられていて、複数のアカウントで一気に転載をすることができます。複数のアカウントを使って記事を転載すれば、一瞬で転載数が数万回に超えてしまいます。つまり、このアプリを使えば、誰でもホット記事を生み出すことが可能になるということです。

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微博を使って広告出稿を検討する多くの企業は、芸能人やKOLを起用する際に、彼らのフォロワー数や話題性を参考に選定しています。特に芸能人の場合は、「流量(トラフィック)」がとても大事で、多くの動画サイトは映画やドラマ作品の著作権を購入するのに、出演者の「流量」を基準にしていることがよくあります。エンゲージメント数が嘘のデータになると、最終的高額な広告費や著作権料を支払った企業が被害者になってしまいます。

以上、最近中国で話題に上がったSNSのエンゲージメント詐欺のご紹介でした。気になることがありましたら、ぜひ橋本までご連絡ください。

メール:hashimoto@enjoy-japan.jp

中国に関する情報を知りたい方は、ぜひ弊社のYouTubeチャンネルもぜひ観てください!!


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