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【猫】私の大切な家族

※この話は猫とある男の実話に基づく話である



私は猫である。名前はまだ無い。生後半年くらいであろうか。気がついたら首輪をつけられていた。

ある夜私はどこへともなく逃げた。そしてとある民家へ忍び込んだ。お腹が空いていたのだ。食糧を探すも見つからない。

(全く、近頃の家には猫用の餌も置いてないのか。)

そんな事を考えていた時だった。ガタッ!ドカドカドカ。足音がする。私は茶箪笥の裏へとっさに隠れた。数秒後私の視界に入ったのはとても大きい人間だった。

??『あれ?なんか鳴き声聞こえるんだよなー』

私は恐怖心から鳴いていた。ミャーミャーと。その恐ろしく大きな身体に震えながら。

??『あれ?やっぱりいるな。そんじゃーこれで…。』

その大きな男は銀色のスプーンへ旨そうな匂いのする何かを置いてタンスの裏へ差し出してくる。

『早く食え。ほら。』

…。罠だ…。でも…食べたい…。あぁ…いい匂いだ…。

恐る恐る私は近づきそしてその物体を舐めてみた。

(ぱないのっ!!なんだこれ!!めちゃうま!!)

私は気がついたら貪りついていた。無心に食べた。あっという間にスプーンの上にあったものはなくなっていた。

『よしよし。ん?なんだこれ?首輪ついてるな。邪魔だろうから切ってやる。』

その男はハサミを取り出すと私の首にあった紐を切り始めた。

『お前は今日から俺の家族だ。名前はどーするかな。よし、小さいからチビだな。お前はチビだ。俺はイサムだ。よろしくな。』

※普通首輪をつけられているということはどこかの家の飼い猫の可能性が高いがイサムはそんなの気にしていなかった

チビ(仕方ない。この家で世話になるか。どうせどこへも行き場所は無いしな。)

これが橋本と愛猫チビの出会いである。この時橋本18歳。チビと名付けられた猫はまだ手のひらへ乗るサイズだった。そしてチビはこれから長い間この家に住むことになる。  



さて、今回は猫との出会いを猫目線で書いてみました。続きはいつかまた書くかもしれないし、書かないかもしれません。本当に可愛くて仕方なかったチビは先月天国へ旅立ちました。もうかなりのおばあちゃん猫でしたね。6月頃実家であった時にはもうあまり元気もありませんでしたね。家で子猫を三匹生んで、どの子猫よりも長生きしたのが母猫のチビでした。チビも大切な私達の家族でした。今頃天国で子猫たちと仲良くやっている事でしょう。いろいろな思い出をありがとうな。チビ。



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