『熱風』の「マッチングアプリ特集」を読んで。
スタジオジブリ『熱風』最新号の巻頭特集は「マッチングアプリ」。
何故か分からないけど、マッチングアプリの話、めっちゃ興味ある。こないだ「はらっぱラジオ」でマッチングアプリの話をしていた回も面白かったなー。
マッチングアプリのこと、まったく知らないんですよ。さわったこともない。自分達が結婚したずーっと後に出たものだから、本当に分からない。でもそれが今は当たり前になっている。「へぇー」の連続。おもろいよね。
使ったことのない身からすると、まずは、「めっちゃイイじゃん!」て思う。
そんなに多くの人と出会える機会なんて、おれらの時代には到底なかった。
でも使った人の意見をいろいろ聞くと、スワイプ地獄とか、同じくスワイプされ地獄とか、アプリ前には決してなかった「何人もの人に連続で断られるという体験の辛さ」とか、同時に何人もの人とメッセージのやり取りをするプレッシャーとか、そりゃ大変だよ…なるほど…と思う。その中で運良く相性の良い相手を見つける人もいるし。その人たちの努力や流れの様子が3ケース紹介されてた。
●漫画家の山田玲司が、70年代からの今に至るまでの恋愛・結婚観の移り変わりをインタビューで語っていて、さすがの巧さ。というか30年前に俺が大学生だった頃から山田玲司、ずーっと同じようなことやってるんだよね。それが凄い。いつの時代も妙な鋭さと客観性がある。ホイチョイなんてまったく目じゃない。
この対談の最後
と編集者が語ってたのが説得力あるわ。
●そんな中で「チャプターズ」という、読書会とマッチングが合体したようなサービスの紹介があって、これがめちゃ良さそう。自分はリアルで人を呼ぶからまぁ不要だけど、でもやってみたい。
参加者は、プロフィールに写真や職業、年収などは書いてはいけない。年代のみ。
運営側から提示された3冊のうち、1冊を選んで読む。
読了後、同じ本を読んだ人と20分のビデオチャットを行い、互いに「YES」となった場合のみ、連絡先とメッセージが開示される、というもの(この相手は運営側がある程度選ぶ)。どんあに頑張って読書しても、月に8回のチャットが限界だとか。
これ、マッチング目的なのか読書ありきなのかも曖昧で、最初は恋愛系で始めたのが、満足度としては選書・本屋としての機能の方が高くなっているのだとか。既婚者には既婚者同性しか紹介しない、年齢差は7歳まで(※)とか、ある程度のフィルタリングはあれど、ルックスと職業・年収・住所だけでスワイプ地獄・スワイプされ地獄になることは、少なくともないだろう。
(※:データを蓄積してそうなったんだって。自分も奥さんと7歳差なのでへー!て思った。7歳差までは「ちょっと年が離れている」の範疇なのだそう)
職業を出すことって、たとえば人気の医者や弁護士、経営者などの人でも
とか、そうだろーなーって。あとやたら美人の人にも「写真出したくない」ってあったりしそう。
何が何でも相手を見つける!という人にはそこまで向いていないかも知れないけど、このメソッドって他にも使えるんじゃないだろうか。映画とかドラマとか。まず「読書をする」というハードルが最初にあるから、そんなに変な人も入ってこないだろうし。
しかしなんでこんなにマッチングアプリのこと読むのが好きなんだろう…笑
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自分は本当に恋愛した経験もなく、ドラマ『恋せぬふたり』を観て今さらアロマンティックだなこりゃ、ということが分かった人だ。まぁ前から実感していたし人にも話していて、それに名前が付いた位なんだけど。でもエンタメの中で恋愛を疑似体験するのは全然好きだし楽しい。
とか言って、恋愛がメインテーマのエンタメって、まず見ないのだけど…うーん。恋愛が「目的」になっちゃうと、それには全然ノれないというか。結婚が目的になるともっとノれないかも。だって結婚は新たなステージの「はじまり」だよ。最終目的にされちゃうとなんかね、ノれない。
『花束みたいな恋をした』を観た時は「あのさー、そんな地獄は結婚後にに山ほどやって来るからさ…乗り越える覚悟ないなら、一緒にならん方がいいよ」って、ちょっと白けてしまう。いやとっても良い映画だったと思うのだけど。
これだけ情報が溢れ、エンタメのクオリティが上がったおかげで、結婚が孤独を埋めるものではないし、より孤独になる人がどれだけ多いか、知られるようになったとは思う。だから結婚する人が少ないのは当たり前だし賢いなって、素直に思う。
もちろんそれ以外の良さは間違いなくあって、後悔しているものではないけども。でもどちらの選択肢を採るにしても、幸せに生きていける社会環境になって欲しいと心から思うし、自分にできることはやっていきたいなぁと思う訳です。