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See-Saw音楽で育った1993年生まれが見た「See-Saw LIVE ~Dream Field 2019~」【全曲感想】

See-Sawのいる時代に生まれてよかった。
「See-Saw LIVE ~Dream Field 2019~」の直後、そんな言葉が頭に浮かびました。

改めましてこんにちは。物心ついたころからSee-Sawファンのフリーライター、ハシビロコです。
2019年12月15日に開催された17年ぶりのSee-Sawライブ、本当に最高でした……!

初めて生で聴く「あんなに一緒だったのに」はもちろん、どの曲も思い入れがありすぎて涙。
See-Sawの音と言葉と声が好きなのだと、どうしようもなく実感しました。

いまだにざわざわしている心を落ち着かせるためにも、感想を書き記しておこうと思います。

※あくまで1ファンとしての想いですので、公式とは一切関係ない点をご承知おきください。

人生の夢が叶った瞬間

1993年生まれの私にとって、See-Sawがデビューした年に産声を上げたことは密かな誇りでもありました。
だって好きなアーティストとひとつでも共通点があるって、嬉しいじゃないですか。

さすがにSee-Sawを子守歌に育った……とまではいきませんが、小学2年生の頃に「あんなに一緒だったのに」と出会ったので、人生の半分以上をSee-Sawの音楽とともに過ごしてきたことに。
See-Sawに育てられたといっても過言ではない。
好きな曲は「静寂はヘッドフォンの中」とか言っている小学生でした。昔からああいう曲調や歌詞が好きだったんだなあ……。

「いつかSee-Sawのライブに行きたい」と思っていたものの、ようやくライブに足を運べる年頃になるとSee-Sawは活動休止期間に。
それでもお2人の音楽が大好きだったので、梶浦さんのライブに行ったり石川さんのCDに聞き惚れたりと、わりと充実した音楽ライフを送っておりました。

それでもSee-Sawの音楽を生で聴くことは人生の夢。
「生きているうちに一度くらいは……」と願い続けてきました。

だからこそ、今回のライブ告知を目にしたときは心臓が飛び出るかと思いました。

チケットがとれたときも、なんなら当日の朝になっても、いまいち現実味がない。
遠い世界の神話のように、決して触れられないものだと思っていたのかもしれません。

会場の国際フォーラムホールA。先行物販開始と同時に流れ始めたデビュー曲「Swimmer」

――本当に、始まるんだ。

実感を持てたのは、その瞬間だったように思います。
止まっていた時間が動き出したような。色あせないきれいなものが目の前に見えたような。
なにかに引っぱられるように、夢見心地のまま物販で散在してきたのでした。後悔はしていない。

その数時間後、客席で耳にした「overture」。
「優しい夜明け」をアレンジしたその旋律に、まだ誰も立っていないステージを見ながら涙しました。

See-Sawにしか奏でられない19曲

ライブで披露した曲は、私の記憶が定かであれば19曲。
どれも今のSee-Sawだからこそ奏でられるサウンドでした。

優しい夜明け

1曲目、「優しい夜明け」のイントロが流れ始めた瞬間に両手で口を覆った私。
初めて生で聴く石川智晶さんの、どこまでも伸びのある、それでいて心地よい揺らぎを感じる歌声に酔いしれました。
後奏のアドリブは、石川さんにしか出せない音。
重なり合っていく音色をさらに遠くへ連れていくような、力強さを感じました。

黄昏の海

「黄昏の海」はゆったりとしたテンポが心地よい曲。
寄せては返す波のように、心を揺さぶっていきます。
正直このあたりは記憶があいまいなのですが……「ずっとCDで聴いていたあの曲だ!」と当たり前のことに感動していた気がします。

LOVE

MCで楽しそうに言葉を交わす2人の姿に感動したところで、「LOVE」のイントロが。
西川進さんのやわらかなアコギの音が会場を包みます。
やさしく歌詞を紡いでいく石川さん。風景のように自然と入ってくるバンドサウンドが、なんと心地よいことか。
雨の中、切なくもきれいなひとときを垣間見たような、情景豊かな曲でした。

Emerald Green

「Emerald Green」は、キラキラとした木漏れ日。
涙でにじんだ目の前が一気に明るくなります。
イントロ終盤で入るスネアの音が大好きなので生で聴けて嬉しかった……!
ここまで3曲続けてアルバム「Dream Field」の順番を踏襲しているのもたまりません。

不透明水彩絵具

続いてはいわゆる“See-Saw第1期”から「不透明水彩絵具」。
この曲を当時のピッチのまま歌える石川さんすごすぎる。
歌詞に登場する色の使い方が、今聞いても「ザ・梶浦音楽」な感じで好きです。

Swimmer

そしてついにデビュー曲「Swimmer」のターンが。
テンポや調がアレンジされていたので、キーボードのイントロが流れ始めた瞬間は、なんの曲かわかりませんでした。
しかしだんだんと聞き知った旋律が。
「ま、まさか……!」と思った瞬間に石川さんが深みのある低音で言葉を紡ぎます。
もう泣くしかない。
あまりにも感動しすぎてほぼ覚えていないのですが、「今の2人だからできる曲」になっていたことだけは間違いありません。Cメロのアレンジもよかった。ちょっと水平線目指して泳いでくる。

静寂はヘッドフォンの中

MCで黒歴史披露大会をしたあとは、See-Sawでもっとも新しい曲「静寂はヘッドフォンの中」を披露。
「Swimmer」とこの曲の間になにがあった。
……と言いたいくらい曲調も歌詞も正反対ですが、私はどちらも好きです。
この幅の広さというか、世界観がどこまでも広がっていく感じがSee-Saw。
歌詞は私が小学生だった当時かなり衝撃的で、「まだよくわからないけどこれが世界の真理だ」となぞの悟りをしたことを覚えています。
そんな人生のバイブルといえる曲を、ようやく生で聴けたことに感無量。
大人になってから聴くと、共感できる部分がかなり多かった気がしました。

また会えるから

「また会えるから」は、See-Sawからのメッセージとも思える曲。
言葉のひとつひとつが心に染み入りました。
サビの歌い方が思っていた以上にかわいらしくて、ちょっと萌えました。

うた

Kaji Fes.で梶浦さんがやりたかったアレンジを披露した「うた」も、石川さんと奏でるのは今回のライブが初。
ラストの讃美歌のようなコーラス、大好きです。
梶浦さんのライブでは歌姫が複数人いるのでコーラスを重ねられるのですが、ボーカルひとりだとどうなるのか……と心配する必要はまったくありませんでした。
高低差のある細かなフレーズを見事に歌いこなす石川さん。
この声と音があってこそのSee-Sawなのだと、この日何度目かの納得をしました。

千夜一夜

「千夜一夜」は「Dream Field」の中で一番好きな曲。
おとぎ話を聞いているかのような歌詞の世界観や、攻撃的で色気のあるヴァイオリンがたまりません。
びっくりするほどサビの短い歌ですが、インパクトがすごいんですよ……!
最初から最後まで鳥肌が立ちっぱなし。生で聴けた私は本当に幸せ者です。

夏の手紙

物語性は「夏の手紙」もピカイチ。
夏、小川のせせらぎに耳を澄ませながら大切な人からの手紙に目を通す。
そんな情景を、昔からずっと持っていました。
原曲が7分あるのでライブでやるのは難しいかな、と思っていたのですが、そういえば梶浦さん関連のライブではよくあることでした。
あれだけの尺、しかもシンプルなメロディーを飽きさせずに聴かせるのは、See-Sawの実力あってこそ。

『.hack』4連発

「記憶」「Obsession」「edge」「君がいた物語」の4曲を続けて演奏されたときにはテンションがマックスに。
だって『.hack』シリーズのOP・EDばっかりじゃないですか! ありがとうございます!
「君がいた物語」なんてお2人がお互いにメッセージを送り合っているのかと思うほど歌詞が胸アツで……。もう一生ついていきます。

あんなに一緒だったのに

そしてついに「あんなに一緒だったのに」のイントロが。
間違いなく私の人生はこの曲で変わりました。
そりゃ思い入れが強すぎて総立ちにもなりますよ!(ちなみにここまで全員座ってじっくり聴いていました。)
「この瞬間、人生が終わってもいいな」と、あのときの私は思っていたに違いない。

indio

しかしライブはまだ続きます。“See-Saw第2期”のきっかけとなった「indio」。
心が浄化されるような神々しいサウンドに、シャウトにも近いラストのアドリブ。
どちらも共存するからこそ、唯一無二の音楽が生まれる。
そんなSee-Sawの音楽とともに育ったことを、心の底から感謝しました。

Jumping Fish

アンコールでは、梶浦さんと石川さんの2人だけで「Jumping Fish」を披露。
そんな粋な演出泣くにきまってるじゃん。もう何回も泣いてるけど。
視線と呼吸を感じながら奏でられる音。
休符の入り方や音の余韻に、2人の信頼関係が垣間見えた気がしました。

君は僕に似ている

最後は「君は僕に似ている」。
See-Sawの心情かと思うほど、歌詞が鮮烈に響きます。
「僕が選んだ今を生きたい」「同じ世界を見てる君がいることで」のあたりがとくに……。
締めくくりはこの曲しか考えられないと勝手に思っていたので、その理想が現実になって嬉しかったです。

音楽っていいな

長々と書いてしまいましたが、振り返ってみると心に残ったのは「音楽っていいな」というシンプルな感情だったり。

長い時間も距離も一瞬で飛び越えていける音楽。
喜びも悲しみも怒りも感謝も受け入れてくれる音楽。
信頼できる人がいるからこそ生まれる音楽。

そうした音楽のさまざまな魅力を、改めて感じさせてくれるライブでした。

これだからSee-Sawファンはやめられない。

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