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【インテリアコーディネーター】名作椅子の世界vol.7 ヒルハウス ラダーバックチェア

椅子シリーズ第7弾です。

以前の記事で富山県美術館の「20世紀の椅子コレクション」を紹介しました。

今回は私が実際に訪れて見た名作椅子の中から、インテリアコーディネーター試験に頻出の椅子を紹介したいと思います。

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名作椅子vol.7 ヒルハウス ラダーバックチェア

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【試験の暗記ポイント】
作品名:ヒルハウス ラダーバックチェア
デザイナー:マッキントッシュ
年代:アール・ヌーボー(1957)
特徴:グラスゴーで日本の影響を感じさせる直線的な形態のいすをデザインした。はしご状の背もたれを持つ。

アール・ヌーボーとは、アーツ&クラフツ運動の影響を受け、フランスやベルギーを中心に興った芸術運動。流動感のある有機的曲線の多用が特徴。

背もたれ長いですよね。それに尽きます。半分オブジェです。背もたれの美しさを見て過ごすのでしょう。
ちょうど私が展示を見ているときに親子連れがやって来て、色々な椅子を見ては「この椅子座りやすそう!」と言ってはしゃいでいました。
私はというと、(本物だ!すごい!)と内心興奮しながら見て回っていました。いつの間にか夫と子どももどこか行ってしまいました・・・。
本当に色々な椅子があって面白いです。

正しい解説をどうぞ

歴史主義から離れ、自由な造形を求めて建築家やデザイナーが台頭した20世紀初頭、「ヒルハウス.1ラダーバックチェア」もまたセンセーショナルな登場でした。チャールズ・レニー・マッキントッシュの水平垂直を基調とした無駄のない洗練された造形は、人々に新たなモダンムーブメントを予感させたのです。

マッキントッシュはグラスゴー美術学校在学時に建築家・デザイナーによるグループ「ザ・フォー」を結成し、グラフィックを中心とした活動がヨーロッパ各地の展覧会で大きな評価を受けます。さらに27歳の若さで、母校の新校舎設計コンペに優勝。絵画にも建築にも一貫した理念をもち、造形にまつわるすべてに携わったクリエイターでした。

「ヒルハウス.1 ラダーバックチェア」は、出版業者のウォルター・ブラッキーに依頼された別荘「ヒルハウス」の設計と同じく1902年にデザインされた椅子です。スコットランド地方の伝統的な民家様式であるスコティッシュ・バロニアルスタイルをもとに、マッキントッシュ独自の幾何学的抽象を取り合わせたこの椅子は、彼の代表作となりました。寝室のふたつの白いワードローブの間にオブジェのように置かれた「ヒルハウス.1 ラダーバックチェア」は、座ることができるものの機能としてはモノを置く台のようなもの。彼にとって家具は室内造形のエレメントとしての役割を担っていたのです。100年以上も前にデザインされたとは思えない建築的なコンポジションは、アール・デコに通じるモダニズムを感じさせます。機能性はもちろん、より抽象的な方向にあるインターナショナル・スタイルを見据えたデザインでした。従来の様式にとらわれない新しい造形は、20世紀初頭のヨーロッパのデザインの発達にさまざまな影響を与えていくこととなります。

出典「Pen online 名作椅子に恋して。」

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皆さまもお好きな椅子を見つけてみてはいかがでしょうか。

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