TM-6.4.1 (K2)ツールを活用することでメトリックの収集および評価がどのように改善できるかを説明する。
ツールのメリット
ツールを活用することで、メトリックの収集および評価のメリットは次のとおりです。
効率性の向上: ツールは、手動でメトリックを収集および評価するより効率的にリアルタイムデータを取得できます。これにより、テストマネージャーは、より重要なタスクに集中することができます。
正確性の向上: ツールは、手動でメトリックを収集および評価するよりも正確です。これにより、テスト活動の全体的な信頼性が向上します。
可視性の向上: ツールは、メトリックをより簡単に可視化することができます。これにより、テストマネージャーは、テスト活動をよりよく理解し、改善することができます。
ツールの種類
テストメトリックを収集および評価するために使用できるツールは、さまざまな種類があります。主な種類は次のとおりです。
テストマネジメントツール: テストケースの実行、欠陥の追跡、テストカバレッジの測定など、さまざまなタスクを自動化することができます。
欠陥マネジメントツール: 欠陥の現在ステータス、重要度、優先度、分布など、欠陥に関する情報を提供します。
静的解析ツール:保守性問題を検出および報告するに役立つ。
性能テストツール:システム拡張性に関する有益な情報を提供できる。
カバレッジツール:テストマネージャがテスト全体でテスト消化率を理解するに役立つ。
練習問題
あなたは国際的な通信ネットワーク機器メーカーで、ハードウェアとソフトウェアの両方を開発しています。ハードウェアとソフトウェアの開発は別々の部門で行われ、あなたはネットワークルーターソフトウェア製品ラインのテストマネージャーです。
あなたの製品ラインでは、密に統合された製品を漸進的な製品ライフサイクルで開発するという伝統があります。ハードウェア部門は6ヶ月ごとに新バージョンをリリースし、ソフトウェア部門はそれに合わせて新バージョンをリリースする必要があります。ソフトウェアは2ヶ月単位で開発が進められます。両部門のスケジュールは設計段階で同期化されます。
あなたのチームは15人のテスターで構成されており、全員が少なくとも2年以上、多くはそれ以上の経験を積んでいます。新テストは熟練したテストアナリストによって社内独自のテストスクリプトとして開発され、それらのバリエーションや回帰テストセットは残りのチームメンバーが実行します。
会社経営陣は、重大な欠陥の発見数とテスト実行状況をまとめた月次進捗報告を求めています。また、全部門の人員効率を測定する取り組みも行われています。さらに、会社レベルでCMMIも導入されています。
ハードウェア開発スケジュールに追いつけていないという問題があり、その原因を分析したところ、新しいリリースの新しい要件を十分にカバーする時間が足りていないことが初步的に判明しました。
リリース期限に間に合わせるため、機能テストスクリプトの網羅率を測定する方法を検討しています。以下の選択肢のうち、最善のものはどれでしょうか?
a) テスト管理ツールで、インクリメントごとのテストスクリプト実行数を収集する
b) テスト管理ツールで、テストスクリプトからテスト要件へのトレーサビリティを把握する
c) システムのパフォーマンスを監視し、スケーラビリティを調整する
d) テストスクリプトの開発時間数をテストスクリプトの属性として測定する
正解:b)
a) 正しいとは言えません。単純にテストスクリプトの実行数を集計しても、テスト対象機能の網羅率はわかりません。同じ機能領域のテストを繰り返し実行している可能性があり、新しい機能を十分にテストできていない可能性があります。ただし、この方法はテスト実行の測定を容易にします。
b) 正しいです。この指標は、リリース期限までに十分な要件をカバーしているか、特定の領域で網羅率が過剰でないかを自動的に判断できます。トレーサビリティの把握が簡単になるため、テスト網羅率の分析が効率化できます。
c) 正しいとは言えません。パフォーマンステストツールは、機能テスト網羅率を測定するものではありません。
d) 正しいとは言えません。作業時間の集計は、テスト作業の効率化に役立つかもしれませんが、直接的にはテスト網羅率の向上にはつながりません。問題として時間不足が挙げられているため、この選択肢は好ましくありません。
【出典元】
ISTQBテスト技術者資格制度
Advanced Level シラバス日本語版
テストマネージャ
Version2012.J04
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