AUTFL-3.2.3.2 HiL テスト環境の適用領域と境界条件を説明する。(K2)
HiL テスト環境の適用領域と境界条件
HiL テスト環境は、ソフトウェアおよびハードウェアの機能性/非機能性欠陥を見つけるた めに、コンポーネントテスト、統合テスト、およびシステムテストで使用できる。
テストアイテムが単一の電子制御ユニット(ECU)の場合、コンポーネントHiL と呼び、制 御ユニットの機能をテストする。テストアイテムが複数の電子制御ユニットの組み合わせの 場合、システム HiL と呼び、電子制御ユニット間のデータ交換のテストとシステム全体の システムテストに重点を置く。
HiL テスト環境は、実際のハードウェアでソフトウェアを実行するため、常に実時間でシミ ュレーションを実行する。また、テストの一時停止や強制終了を行うことはできないため、 リアルタイム対応コンピュータを使用する。
適用領域
コンポーネントテスト:単一の電子制御ユニット(ECU)の機能をテストする。
統合テスト:複数の ECU の組み合わせをテストする。
システムテスト:システム全体の機能をテストする。
境界条件
アクセスポイントが広範に存在するため、誤ったアクセスポイントを使用するとテスト 結果が無意味になる。
実際のハードウェアでソフトウェアを実行するため、常に実時間でシミュレーションを 実行する。
テストの一時停止や強制終了を行うことができない。
練習問題 #31 (1 Point)
コンポーネント ハードウェアインザループ (HiL) テスト環境で通常行われるテストはどれで すか?
a) 車両全体のシステム要件のテスト
b) シャーシの走行挙動のテスト
c) 電子制御ユニット機能の動作確認テスト
d) 電子制御ユニット間のデータ交換テスト
正解:c)
a) 正しくありません。全体のシステム要件はシステムHiLでテストできますが、コンポーネ ントHiLテスト環境ではテストできません。
b) 正しくありません。運転挙動は複雑な機能であり、複数の電子制御ユニットによって実 行されます。したがって、コンポーネントHiLテスト環境は適切ではありません。
c) 正解です。コンポーネントHiLテスト環境では、個々の電子制御ユニットとその機能がテ ストされます。
d) 正しくありません。電子制御ユニット間のデータ交換をテストするには、少なくとも2つ の電子制御ユニット(ECU)が必要です。したがって、これらのテストはシステムHiLテス ト環境で行われる必要があります。
練習問題 #33 (1 Point)
あなたはテストチームの一員であり、電子制御ユニットのソフトウェアコードのテストを行 う予定です。 開発チームから電子制御ユニットのハードウェアはまだ入手できないため、 モデルと開発ボードが提供されました。 このテストは、電子制御ユニット内のエラー検出 メカニズムとエラー処理が適切に機能することを確認することを目的としています。
上記のテストの種類を考慮すると、どのようなテスト環境が望ましいでしょうか?
a) ハードウェアインザループ (HiL) テスト環境: エラー処理のテストのエラーは、このテス ト環境でのみシミュレートできるため
b) ソフトウェアインザループ (SiL) テスト環境: 開発ボードが利用可能で、エラー検出のテ ストが必要なため
c) モデルインザループ (MiL) テスト環境: まだハードウェアが利用できず、テスト対象がモ デルとして提供されているため
d) 電子制御ユニットのハードウェアが利用できない場合は、ソフトウェアのテストはでき ない
正解:c)
a) 正しくありません。Hardware-in-the-Loop (HiL) テスト環境で使用できるハードウェアが ないためです。
b) 正しくありません。Software-in-the-Loop (SiL) テスト環境は、開発ボードなどの追加ハ ードウェアを必要としないためです。
c) 正しいです。ハードウェアが利用できず、テスト対象がモデルとして利用可能なため、 Model-in-the-Loop (MiL) テスト環境が望ましいです。
d) 正しくありません。ハードウェアがなくても、テストは可能です。
【出典元】
ISTQBテスト技術者資格制度
Foundation Level Specialist シラバス
自動車ソフトウェアテスト担当者
日本語版 Version 2018.J03
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