TM-6.3.1 (K2)ツールのライフサイクル内の各フェーズについて説明する。


調達

このフェーズでは、テストツールの選定、導入、トレーニングを行います。テストツールの選定では、テストチームのニーズと予算を踏まえて、適切なツールを選択することが重要です。導入後は、テストチームのメンバーにツールの操作方法をトレーニングする必要があります。

テストツールの調達フェーズでは、以下の事項を検討する必要があります。

  • テストツールの機能要件

  • テストツールの性能要件

  • テストツールのコスト

テストツールの機能要件では、テストチームが実施するテストの種類や範囲を踏まえて、必要な機能を備えたツールを選択する必要があります。テストツールの性能要件では、テストチームの規模やテスト対象の規模を踏まえて、必要な性能を備えたツールを選択する必要があります。テストツールのコストでは、テストチームの予算を踏まえて、適切なコストのツールを選択する必要があります。

サポートとメンテナンス

このフェーズでは、ツールの定期的なメンテナンス、アップデート、データバックアップなどを行います。また、ツールの不具合や障害が発生した場合の対応も必要です。

テストツールのサポートとメンテナンスフェーズでは、以下の事項を検討する必要があります。

  • ツールの保守契約の有無

  • ツールのアップデートの頻度

  • ツールの不具合や障害の対応

テストツールの保守契約の有無では、ツールの保守やサポートを受けられるかどうかを検討する必要があります。ツールのアップデートの頻度では、ツールの最新バージョンにアップデートするタイミングを検討する必要があります。ツールの不具合や障害の対応では、ツールの不具合や障害が発生した場合の対応方法を検討する必要があります。

進化

このフェーズでは、テストツールの機能拡張やバージョンアップに対応します。また、ビジネス環境の変化やテスト方法の変化に伴って、ツールの使用方法を変更する必要がある場合もあります。

テストツールの進化フェーズでは、以下の事項を検討する必要があります。

  • ツールの機能拡張の要否

  • ツールのバージョンアップの要否

  • ツールの使用方法の変更の要否

テストツールの機能拡張の要否では、テストチームのニーズに合わせて、ツールの機能を拡張する必要があるかどうかを検討する必要があります。テストツールのバージョンアップの要否では、ツールの最新バージョンにアップデートする必要があるかどうかを検討する必要があります。テストツールの使用方法の変更の要否では、ビジネス環境の変化やテスト方法の変化に伴って、ツールの使用方法を変更する必要があるかどうかを検討する必要があります。

廃棄

このフェーズでは、テストツールの使用を終了します。ツールによって提供されていた機能を別のツールや手法で代替する必要がある場合もあります。

テストツールの廃棄フェーズでは、以下の事項を検討する必要があります。

  • ツールのデータ移行先

  • ツールの資産の処分

ツールのデータ移行先では、ツールによって提供されていたデータを別のツールや手法で移行する必要があるかどうかを検討する必要があります。ツールの資産の処分では、ツールのハードウェアやソフトウェアの処分方法を検討する必要があります。

練習問題

あなたは、通信ネットワーク向けハードウェアとソフトウェアを製造する国際企業に勤務しています。ハードウェアとソフトウェアの開発は別々の部門で行われており、あなたはネットワークルーターソフトウェア製品ラインのテストマネージャーです。

この製品ラインでは、密に統合された製品を漸進的な製品ライフサイクルで開発するのが長年の伝統となっています。ハードウェア部門は6ヶ月ごとに新しいバージョンをリリースし、ソフトウェア部門はそれに合わせて新バージョンを準備することを目指しています。ソフトウェア開発は2ヶ月ごとに区切って進められ、両部門のスケジュールは設計段階で同期されます。

あなたのチームは15人のテスト担当者で構成されており、入社2年の人もいますが、ほとんどはもっと長いキャリアを積んでいます。新しいテストは経験豊富なテストアナリストによって社内のカスタムテストスクリプトとして開発され、そのバリエーションや回帰テストセットはチームの他のメンバーが実行します。

経営陣は、毎月、重大な欠陥の検出件数とテスト実行状況をリストした進捗報告書を要求しています。また、全部門の人員効率を測定する取り組みも実施されています。さらに、会社全体でCMMI (ソフトウェア開発能力成熟度モデル統合) が導入されています。

しかし、ハードウェア開発スケジュールに追いつくことが課題となっています。

社内には同じようなソフトウェア製品ラインがあり、オープンソースのテスト自動化ツールを使用していることを聞きました。彼らは、テストの約50%を自動化し、残りはソフトウェアのユーザーインターフェイスを通じて手動で実行しているそうです。

同じオープンソースツールを選択した場合、迅速に価値を生み出すために、現在のカスタムツールを廃棄する前に、最初に実行すべき活動はどれでしょうか?

a) カスタムツールをメンテナンスし、新しい環境に移行する
b) カスタムツールの回帰テストスクリプトを新しいツールに変換する
c) カスタムツールのバックアップと復元機能を維持する
d) カスタムツールのすべてのテストスクリプトを新しいツールに変換する








正解:b)

a) 正しくありません。古いツールは廃棄されるため、この作業は不要です。
b) 正しいです。既存のスクリプトは多数存在しますが、回帰テストスクリプトは最も頻繁に使用されるため、廃棄という点でこの回答は的確です。
c) 正しくありません。古いツールは廃棄されるため、この作業は不要です。
d) 正しくありません。すべてのスクリプトの変換は望ましいかもしれませんが、回帰テストスクリプトだけで済ませられるのであれば、すべてのスクリプトを変換するのは現実的ではありません。

【出典元】

ISTQBテスト技術者資格制度
Advanced Level シラバス日本語版
テストマネージャ
Version2012.J04

ISTQB® Test Manager Syllabus
Advanced Level
Compatible with Syllabus version 2021
Sample Exam – Questions
Sample Exam set A
Version 1.4

ISTQB® Test Manager Syllabus
Advanced Level
Compatible with Syllabus version 2012
Sample Exam – Answers
Sample Exam set A
Version 1.4

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