TM-7.6.1 (K2)テストチーム内、およびテストチームとステークホルダとの間のコミュニケーションを、効率的に行うための要因を説明する。


テストチームによるコミュニケーション

  • テストプロダクトの文書化

  • レビュー済みドキュメントのフィードバック

  • 情報収集と拡散

テストマネージャはプロジェクトステータス情報を提示することが多いため、情報を適切な詳細度合いでまとめ、明確に提示し、簡単に理解できるような方法で提示できなけれならない。効果的にコミュニケーションすることで、聴いている人の注意を引き付けることができ、正しいメッセージを伝えることができる。テストマネージャは、各プレゼンテーションを、品質と品質プロセスを促進するための機会として捉えなけれならない。

テストマネージャはさまざまなコミュニケーション手段を自由に使いこなせなけれならない。すべてのコミュニケーションを専門的で客観的に行わなければならない。また、緊急を要するコミュニケーションの場合でも、品質と内容の両方を担保しなけれならない。

テストチームが効果的なコミュニケーションを行うための要因

専門性

テストチームは、テストに関する専門知識を有していることが前提です。テストプロダクトの文書化やフィードバックにおいては、テストの目的や方法論を正しく理解し、適切な情報を提供する必要があります。また、情報収集と拡散においては、正確な情報を迅速に共有することが求められます。

客観性

テストチームは、テストの独立性を維持することが重要です。ステークホルダからの圧力や影響を受けることなく、客観的な視点でテストを行う必要があります。また、フィードバックにおいては、建設的な意見を述べ、問題の解決に貢献する必要があります。

効果性

テストチームのコミュニケーションは、対象となるステークホルダにとって効果的である必要があります。相手のニーズや理解度を把握し、適切な方法で情報を伝達する必要があります。また、コミュニケーションの目的を明確にし、メッセージが正しく伝わっているかどうかを確認する必要があります。

コミュニケーションを行う際の注意点

コミュニケーションの目的を明確にする

何を伝えたいのか、なぜ伝えるのかを明確にしておきましょう。目的が明確になっていないと、コミュニケーションの方向性がブレてしまいます。

相手のニーズや理解度を把握する

誰に、何を伝えるのかを把握しておきましょう。相手の立場や知識、理解度を踏まえて、適切な内容や方法でコミュニケーションを行う必要があります。

適切な方法で情報を伝達する

相手の状況やニーズに合わせて、適切な方法で情報を伝達しましょう。口頭、文書、プレゼンテーションなど、さまざまな方法を組み合わせて活用するとよいでしょう。

メッセージが正しく伝わっているかを確認する

相手の理解度を確認しましょう。相手に質問をしたり、フィードバックを求めたりして、メッセージが正しく伝わっているかどうかを確認することが重要です。

練習問題

あなたはATMソフトウェア開発プロジェクトのテスト担当マネージャーです。

プロジェクト開始当初、上層部は機能システムテストを社内チームからオフショア拠点に移行することを決定しました。社内チームは現場でユーザビリティテストを行っていましたが、その過程で機能上の欠陥が複数発見されました。中にはユーザビリティテスト続行を妨げる重大な欠陥も含まれていました。テストレポートの分析によると、これらの重大な欠陥は、オフショアチームが設計・実行した関連機能のテストでは検出されていませんでした。

上記の状況を改善するために、最善のコミュニケーション提案はどれでしょうか?

a) 上層部に詳細な欠陥レポートと欠陥率を送信し、社内チームのユーザビリティテスト時間を延長するよう求める
b) 社内チームとオフショアチームの両方のメンバーによる機能システムテストの作業成果レビュー会を開催する
c) オフショアチームと上層部とのビデオ会議を開催し、欠陥検出漏れの原因究明を行う
d) 詳細な欠陥レポートと欠陥率をオフショアチームに送信し、欠陥検出漏れの原因究明を依頼する








正解:b)

a) 正しくありません。上層部は詳細な欠陥レポートを見ることを好まないでしょう。
詳細な欠陥レポートは、問題を明確にするために重要ですが、上層部への最初のコミュニケーションとしては、情報過多になる恐れがあります。彼らには、より簡潔で重要なポイントを伝える必要があります。
b) 正しいです。外交性と客観性は、新しいアウトソーシング環境で信頼を築くために重要です。レビューは、社内チームの知識をオフショアチームに伝達するための建設的な手段です。
レビュー会は、社内チームとオフショアチームの間の相互学習の機会を提供し、テストプロセスと欠陥検出の知識を共有することができます。これは、長期的な改善につながる可能性があります。
c) 正しくありません。上層部は根本原因調査に関与したくないでしょう。
根本原因調査は、プロジェクト全体に影響を及ぼす可能性があります。したがって、上層部を完全に無視するのではなく、状況を把握し、必要に応じて支援を提供することが重要です。
d) 正しくありません。オフショアチームだけでは根本原因を効果的に見つけることはできません。
オフショアチームは問題解決に貢献できますが、根本原因を特定するには、より広範な調査や分析が必要になる可能性があります。社内チームとの協力や、必要に応じて外部専門家の支援を求めることも検討する必要があります。

【出典元】

ISTQBテスト技術者資格制度
Advanced Level シラバス日本語版
テストマネージャ
Version2012.J04

ISTQB® Test Manager Syllabus
Advanced Level
Compatible with Syllabus version 2021
Sample Exam – Questions
Sample Exam set A
Version 1.4

ISTQB® Test Manager Syllabus
Advanced Level
Compatible with Syllabus version 2012
Sample Exam – Answers
Sample Exam set A
Version 1.4

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