hasera

博士課程落伍者

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最近の記事

毎日新聞みんなの広場(読者投稿)をもとに

前書き  『毎日新聞』朝刊の「みんなの広場」はいわゆる読者投稿欄であり、紙上で募集した意見を掲載している。同紙2022年5月2日、東京朝刊の5面に寄せられた投稿「教員のなり手を増やすには」について、概要を示したうえで考えを述べていく。 投稿内容の確認  まずは同投稿について確認していく。投稿者(紙面では氏名を掲載しているがここでは伏せる)は岐阜県、72歳の元小中学校教員である。タイトルは上にあげた通り、「教員のなり手を増やすには」とあり、教員のなり手の減少に対する意見を

    • 「やる夫スレ」という形式について(1)

       前項(https://note.com/hasera/n/n3564a8c78909)にて「やる夫スレ」を、「主にAAを用いて構成され、電子掲示板上で発表される一連の創作物」と定義づけた。次はこの定義に基づき、「やる夫スレ」という形式についてみていく。  「やる夫スレ」は一連のストーリーを表現するものであり、情報を伝達する手段の一つとしても考えられる。情報を伝達するものとして考えるのならば、「やる夫スレ」とはメディア(媒体)の一種ともいえる。  本項では「やる夫スレ」を

      • 翻訳って難しいよねっていう話

         前回は、中国語の自動翻訳は妄信するのはまだ難しいよねという話を書きました。前回の例で、DeepL翻訳はほぼ満点の翻訳をしましたが、長文になったり、より複雑な文章を翻訳させたとき、どうなるかはまだ未知数でしょう。  今回は機械ではなく、人の手による翻訳について考えてみます。ここでいう翻訳とは、言語が違うというだけでなく、時代が違ういわゆる日本の古典の現代語訳も含みます。  外国語の文章や文学、さらには古典文学について、どうしても原文と翻訳の間の問題が出てきます。ともすれば

        • 中国語自動翻訳の精度について

           近年の自動(機械)翻訳の精度は、英語については中々のものらしい。だが、英語能力の水準が高校をピークに低下している身としては、その検証はいささか身に余る。  そこでよりニッチな方向へ向かい、中国語の翻訳について考えてみる。というのも、以前縁あってある大学で初学者向け中国語の授業を担当したことがあるのだが、中国語作文の問題を学生に聞いてみたときに、よくわからない回答をされたことがある。習ってない語を使うことは気にしないのだが、どう考えてもその文脈で出てくるはずのない表現が出て

        毎日新聞みんなの広場(読者投稿)をもとに

          やる夫スレ概観

          「やる夫スレ」という文化がある。 一種のウェブ創作物ではあるが、管見の限りではこれに関して真面目に検討したものは少ないように思われる。 真面目に検討し始めると単項では終わらないは明白であるため、まずは「やる夫スレ」の定義から考えてみる。  「やる夫スレ」は「やる夫」と「スレ」という二つの単語から形成される。まず「スレ」から定義を導いていく。Weblio辞書(https://www.weblio.jp/content/%E3%82%B9%E3%83%AC)によると、「スレ

          やる夫スレ概観