佃隆『1日3回で、ねこ背がよくなる「姿勢の魔法」シャキーン!』(2016)

200ページ足らずの親書でシンプルな内容でしたが、かなりの感銘を受けました。

この本の結論は、著者が力点を置いた「天地人ポーズ」よりも、個人的には、50ページにある一行、カッコ内のわずか15文字に尽きる気がしました。

これはあまりにも素晴らしい唯一無二の真実(Truth)だと感じたので、この15文字のことを以下、Tと呼ぶことにします。もちろんここで引用してしまうことも可能ですが、それはさすがに人のふんどしで相撲を取る所業ですし、何よりもこの本の流れの中でこのTの魔法の力を味わってほしいという気持ちも大きいので、ここでは控えます。

僕もいわゆるマッサージ業(リラクゼーションセラピスト業)をしているので、一応、正しい姿勢に関する一家言を持っていまして、それは「背筋を伸ばして、顎を引く」でした。これも間違いではないと思っています。ただ、これだと二つの動作が入ってますし、しかもなぜそれがいいのか、という理由までを含んでいません。しかも、恥ずかしながら、自分で実践はできていない。つい猫背で、顎が上がってしまう。全く説得力がないのです。

でもTは違います。Tはもっとシンプルで、かつ、なぜそうすべきか、ということも定義の中に含んでいます。そうすれば無駄に筋肉を疲労させないんだ、ということまでスッと理解できるのです。そしてTの表現の方が、体の使い方としてイメージしやすいので、あらゆるシチュエーションに対応できるのです(体勢が変わるごとに、いちいち「背筋を伸ばして、顎を引く」という二つの動作を意識できないが、Tなら一動作なので可能)。

さすが姿勢のプロフェッショナル。幼少期から悩んできただけのことはあります。負けました。今度からお客さんにTを伝えていきたいと思います。願わくば、著者の佃さんに許可をいただけたらと思います。

この二日間ほど、Tを継続して何が変わったか。わずか二日ですが、思いつくだけでも、

・お腹の調子がよくなった(いつも下し気味なのに、軽減された)

・強烈な睡魔に襲われなくなった

・食事の消化が早くなった

・朝の目覚めが快調

・目の疲れ、首の疲れが大幅に軽減された

・読書やPCの事務仕事中、集中力が途切れない

などの、劇的な変化が得られました。なんだか回し者みたいに思われそうですが、事実なんです。疲れ方が全く違います。というか、疲れない。疲れていても、翌日の朝には、すべてリセットされている。

他にもこの本には、PCを使う時の姿勢、スマホを見る時の姿勢、バッグを持つ時の姿勢、枕について、服について、髪型についてのアドバイスが実に一貫した理論に基づいて、シンプルに説明がなされています。「ウォレット症候群」なんて言葉は初めて知りました。ズボンのポケットについ財布入れちゃうんだよなあ。

最後に余談ですが、トイレのフタを開ける時は膝を使う、という部分を読んでいる時に、セラピストとしての施術中にも、膝を使うと的確な力加減の調節ができるし自分の体も楽だという、あまりにも大きなオマケまでいただきました。本当に、著者には感謝してもしきれません。ぜひ皆さんもTがなんなのか、確かめてみて下さい。2、3時間で読めますし、絶対に損はしない一冊です。

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