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まっちゃんねるを観て思ったこと。

どうも。長谷川優貴(@hase0616)です。クレオパトラというお笑いコンビでネタをしたり、エンニュイという劇団を主宰して脚本演出をしたりしています。

「まっちゃんねる」というテレビ番組を観た。

ダウンタウンの松本人志さんの番組。

YouTubeなどでお笑い芸人・タレントたちが自由に面白いことをやり始めている中、 日本のお笑い界をけん引し常に笑いを追求してきたダウンタウン・松本人志がテレビのお笑いの可能性を提案するべく、様々な実験的企画を行なっていく番組。
Wikipedia

今回で3回目だが、この番組が好きで過去二回も観ている。ダウンタウンの松本さんの創作に憧れてお笑いの世界に入った僕にとっては、松本さんが実験する番組は観ないわけにはいかない。

今日も、観るのを楽しみにして帰ってきた。内容は、「IPPON女子グランプリ」だった。「IPPONグランプリ」とは、松本さんが考案した大喜利の番組で、これまで何度も開催されている。それの女性版を今回実験的にやっていた。

女性芸人バージョンと、女性タレントバージョンがあって、女性芸人の方は技と技のぶつかり合いといった感じで見応えがあった。女性タレントバージョンは、型にとらわれない発想で、観ていて大爆笑した。大喜利というものを、芸人だけではなく普通のタレントさんにもやってもらうのが幅が広がって凄く良かった。

番組は面白かった。でも、色々と気になる事が多くてヒヤヒヤしてしまい、全開で笑えなかった……。

予め言っておくが、僕はフェミニストでもポリコレでもない。ただ、お笑い芸人だけではなく、演劇や他の世界の仕事をしているから、色々と気がつくような体にいつの間にかなっていた。

あ、これ良くないなと思って、ネットで検索したら、やはり色々な意見があった。

僕が気になったのは、冒頭の男性が女性より上的な言い回しと、審査員が男性だけだったということ。あとは、見せ方。

芸人の感覚との違い

僕はお笑い芸人でもあるから、中立の感覚がある。演劇やアートの現場にいるとこういうことに敏感だが、芸人は芸人同士でしか話さないから、あまりこういった話を理解していない。今は少数の意見かもしれないが、この流れは止まらないと思う。それに、少数だったとしてもSNSで様々な意見が見れる時代なのだから、しっかりと把握しておくべきだ。歳を取った芸人が、そういうことに疎いのは百歩譲って仕方ないとして、スタッフがしっかりと把握して、配慮して作るべきだ。そして、やんわりと芸人達にも理解させていくべきだと思う。

配慮をすべき

全ての意見に配慮しろと言っているわけではない。民放でやる以上、最大限の配慮はした方がいい。見せ方や言い回しを少し配慮して変えるだけで全然違うのだから。

例えば、冒頭に大喜利やお笑いは男の方が上みたいな言い方をするのではなく「今までのお笑いはどうしても男性の方が多くて男性社会でしたが、近年は女性芸人が増えてきて、男性芸人と女性芸人が対等に闘う時代が来ています。そこで今回は、女性だけのIPPONグランプリを開催してみようと思います」的な言い回しにしたら少し違ったと思う。

審査員の紹介も「冒頭で述べた様にお笑いは男性社会だった為、これまでの優勝者を集めたら男性のみになってしまいましたが、今後は優勝者も女性がどんどん増えていきそうですね。女性目線だと笑えるみたいなこともあるので、女性の審査員も入れたかったのですけどね」みたいなことを一言加えるだけで配慮とリスペクトが感じられるかも。

あとは、今まで通り松本さんだけ別室で、審査員は会場にいた方が見栄えが良かったかも。別室から偉そうにおじさん達が審査しているのは見え方が良くない。出演者は、そこまで考えるのは難しいかもだから、スタッフが考えないと。もしかしたら、そうしようとしたけど、出演者の方から「そんなこと気にしなくて良いだろ」とか言われた可能性も少しはあるかもしれないが、そういったことにビビっていたら全員で共倒れするわけだから、うまく出演者も誘導できる言い方を考えたらいい。

内容が面白かっただけに勿体ない

内容は面白かっただけに勿体ない。スタンスは変えなくても、少し見せ方を変えるだけで全然違うのに。出演者の皆さんも、スタッフの方も女性解答者へのリスペクトが感じられただけに、少しの見せ方と言い回しで勘違いされたり、不快に思わせてしまう人がいたりしたのは本当に勿体ない。

お笑いが好きだから

売れていない芸人もどきが偉そうに書く事じゃないと思って悩んだけど、こんな感覚の芸人も少ないだろうから書いた。お笑いが好きで、お笑いを嫌いにならないで欲しいから。

真摯に向き合おう

こんなの少数の意見なんだからとか言って突っぱねないでほしいし、そして逆にその意見を気にしすぎて面白いことを諦めないでほしい。配慮とリスペクトがあれば中間が狙えるはず。どんな表現も全員を納得させるのは難しいと思う。でも、ちゃんと考えた上でやっているかどうかは見ればわかるから、真摯に向き合うべきだ。これも大喜利のお題だと思えばいい。普通に柔軟に考えればいいだけ。

少数の意見なんだから気にするなと思っている芸人やスタッフがいるなら、それはなにも理解していない。配慮していれば、不快に思う人も最小限に抑えられるし、番組を観て楽しんだのに不快に思った人のツイートを見てしまい不快な思いをしてしまった人という二次被害も起きなくて済む。とは言っても、なんでも文句言う人はゼロにすることはできないのだけれど。

長々と書いたが、これは結局僕の意見でしかない。正解でも不正解でもないだろう。否定的な意見もあるかもしれない。それでも、今この変化の時代に40歳のおっさんが感じたことを書き記しておきたかった。

ノイズは極力ないほうが笑える

今後、フェミニズムやポリコレなどで気にしなければならない表現がもっと増えていく。でも、それを考えていたらキリがないと諦めないでほしい。今後、必ずそういう声は大きくなっていく、そうなった時に配慮のない表現を見たら、気にしてない人達も、今回の僕の様にヒヤヒヤしてしまうはずだ。そのヒヤヒヤはノイズになる。ノイズがあると全開で笑えない。だとしたら、ノイズは極力無くすように言い回しや見せ方を配慮するべきだ。

最後に

最後まで読んでくださりありがとうございました。勘違いしないでほしいのは、今回の番組が凄く酷かったというわけではないこと。ほんの少しのボタンの掛け違いで、そう感じる人を不快にされてしまったり、そういうリテラシーがある人がヒヤヒヤしたってだけ。で、ヒヤヒヤしたら、色々な想いや考えが込み上げてきたので、たまたまこの機会に書いてみたわけです。

テレビのスタッフさん達も出演者さん達もプロフェッショナルなわけだから、僕が考えるようなことは考えた上で色々なしがらみなどの中で真剣に番組作りをしていると思うので、僕はかなり野暮なことを言っているということはわかっています。でも、自分の考えを書きたかった。

今後も面白いものを提供していきたいし、面白いものを観たい。なにも余計な心配をせずに笑いたい。だからこそ、目を背けていけない気がして。

読み直してみたら、俺はなにを真面目に偉そうに書いているんだ。明日も早い。寝よう。

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