10分間読書

いつ頃から実施されたのか定かではないが、朝の10分間読書というものがかつて小学校時代にあった。

先生 「さて、来週から朝の10分間読書運動というものを始めます。これはどう云うものかと言いますとですね、朝の一時間目が始まる10分から15分、教室にて皆で一斉に読書します。じつに単純ですね。読む本はどんなものでも構いません。皆さんのお家にある小説、エッセイ、短歌俳句集…等々。何でもよろしい。読む本が分からないという子は図書室の学級文庫から選ぶと良いでしょう。ただしマンガはノン。マンガ以外でお願いします。先生からは以上です。」

だいたいこの様な説明だったと思う。小学校の中学年くらいから急に始まった記憶がある。あれで読書習慣が身についたという子がどれだけいただろう。普段から本を読むのが好きでたまらない子には10分15分程度の限定された読書などそもそも読書のうちに入らず、むしろたいして読みたくもない本を半ば無理やりに読まされる10分を機械的にやり過ごし、かえって読書から遠ざかる子供もいたかもしれない。この奇妙な習慣は中学に上がると不思議と無くなった。

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