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ネイルはぼろぼろ

私は切羽詰まった瞬間などのストレスを感じた時に、爪を噛む癖がある。無意識に行われていて、全部の詰めをくまなく食べてしまうのでいつも爪が短い。ピンクの部分が長いと手が美しく見えるので、自分の爪が恥ずかしくて仕方がない。

大学生になって、ボランティア団体の役職を請け負った。自分から進んで立候補した。業務量が多いし、自分は学校もあるとかで、脳みその中はパンパンだった。やることがおわった後やメンバーに意見を言った後に、自分は間違ってないだろうかこのデザインでいいだろうか発言内容は理解しやすい文章だろうかなど終わらない不安が襲い続ける。確認し終えても、頭の中をめぐり続ける。もちろん切迫感があり、いつのまにか爪がなくなっているし、無い爪を噛んでいるときもあった。

どうにかしたいと思って、ネイルを始めた。お化粧をしたら肌を触らないように、爪も色づけてやれば気を付けるのではないかと思った。基本的に自分でやり、ジェルを扱う時もあった。幾分不器用なのでネイルをしたほうがダサい…と思う時もあった。濃い色を選ぶと爪の形がはっきりしてしまうので、オフィスネイルのような肌なじみのいい色を選ぶようにした。

代表をやるうえで組織の在り方について考えるようになり、みんなのことを第一に考えて楽しくやってもらうのが第1だと思った。ボランティアはやりたくてやるもので、無理を強いるものではないから、つらいと感じさせるのは申し訳ない。細かい部分は自分が調整すればいいし、物申さなければいけない時があるときは自分が言わなければいけないと考えていた。そうして半月が経った。

気づけば死にたいと思っていた。行為に手を出した時もあった。

ネイルをしたはずの爪もボロボロだった。形もガタガタになっていて、ぱっくり割れていた。

そういえば、噛んでいるとき不味かったな。

腐っているのかな。

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