#GWドラ2021 日ハム陣営振り返り ~北の超変革の真髄 後編~

はじめに

こんにちは。
2021年5月16日、ブラウンさん主催のもとで仮想ドラフト「GWドラ2021」が行われました。
私は今回日本ハム陣営代表として参加させていただきましたが、ここでは指名内容から陣営の戦略、そして舞台裏までをお届けしていきたいと考えておりますので、何卒よろしくお願いします。

目次

1.日本ハム陣営の紹介(前編)
2. 現状戦力の分析(前編)
3.ドラフト当日の舞台裏(中編)
4.「北の超変革」の真髄とは?(後編)

4.「北の超変革」の真髄とは?

さて本章ではこのドラフト中ずっと掲げてきた「北の超変革」とはいったい何だったのかを説明して参りたいと思います。まずは本家超変革である阪神のドラフト戦略や戦力の問題点について比較して参りましょう。

阪神
チーム戦略上の問題点
・主力選手の高齢化(20代野手の壊滅)
・生え抜き選手が大成しない
・”平均的選手”(俊足非力型野手)の量産

ドラフト戦略
・レギュラーが固定できていなかったセンターラインの即戦力補強
 →近本・糸原・木浪・中野といった社会人野手の獲得
・2019年ドラフトで高卒選手を大量指名
 →彼らは今の2軍主力となっている
・”平均的”な選手ではなく可能性の秘めた選手の獲得
 →大山や井上といった大砲型に小幡や遠藤、高寺といった将来性を秘めた
  選手の獲得

日本ハム
チーム戦略上の問題点
・主力選手のバックアップ要員がいない
・投手陣の駒不足
・二遊間のレギュラーが固定できていない
・投打において主力組と高卒組のメンバーはそろってはいるものの、その間の中堅層が薄いため、主力組のバックアップとして高卒組が出ることが多い(育成環境に集中できない)

ドラフト戦略(今回のGWドラ2021)
・二遊間で即戦力の社会人野手を指名
・高卒組と主力組の間を埋めれるような大卒・社会人・独立選手の大量指名
・多くのポジションでの競争を想定

阪神と日本ハムの比較において、共通する部分は二遊間のレギュラー問題主力の次点にあたる中堅層の薄さだと考えています。阪神は捕手と中堅手もレギュラーが決まっていませんでしたが、日ハムの場合は五十幡外野手と清水・古川両捕手が頑張っているため、即戦力の必要性は少なく、今回補強は行いませんでした。
また10代・20代の若手野手が壊滅していた阪神と比べて、日ハムの場合、
清宮・野村・上野・細川・万波といった高卒野手組が戦力として頑張っているので、彼らの育成環境をサポートできるような大卒・社会人を補強して層の厚さを確保しました。

ポジション競争
今回の超変革としてはこの部分が一番大きいと私は考えています。ここから先は完全に私の主張となりますので、あしからずお願いいたします。

現在日本ハムはリーグ戦の最下位となっており、その要因として打線の得点力の無さが挙げられます。チームの打撃成績を見ても、打率・打点・本塁打・出塁率の項目においてリーグ最下位の記録を打ち出しており、課題となっているのは明確でしょう(2021年6月1日現在)。
しかし上記で述べたように日ハム主力野手陣は他球団に負けず劣らずの面々がそろっています。中田に近藤、西川、太田、渡邊等…。アーティストから足のスペシャリストまで幅広い戦略を行えるメンバーです。なのになぜか。
それはこの主力が軒並み開幕から不調に陥ったことが挙げられます。
主力メンバーの中で最も成績がよい近藤が、2割6分2厘、6本塁打、31打点でチームを引っ張っていますが、残りのメンバーは2割台前半。中田に関しては1割台を抜け出せていません。

ですがいくら主力とはいえ、選手も人間である以上調子の良い悪いがあります。主力が調子悪いとチームも調子悪くなるのは当然だろうとの声があるかもしれませんが、これは当たりであり、これこそがドラフト戦略上の日ハムの最大の問題点だと考えています。

つまり戦力補強の段階から主力メンバーのポジションを絶対領域とし、バックアップ戦力の補強を行わなかったということです。

分かりやすい例が淺間です。淺間は昨年まで多くても50試合前後しか試合に出ることができていませんでした。おそらく今季開幕時も太田・近藤・西川らの影の存在だった思われます。
ですが、蓋を開けてみると先述のように主力メンバーの調子が軒並み悪く、淺間に白羽の矢が立ちました。淺間は2014年ドラフトで入団しており、プロの水に馴れていたため、今季すでに43試合の出場を遂げているのです。

さて日ハムファンのみなさん、ちょっと考えてみてください。
昨年のシーズン終了時、次のようなことを考えていましたでしょうか。

足で相手を揺さぶり、先陣を切るリードオフマン西川遥輝の代わりの選手
堅実な守備とつなぐ打撃に徹する遊撃手中島卓也の代わりの選手
チャンスメークから得点まで、攻撃の軸となる近藤健介や大田泰示の代わりの選手
4番に座り、本塁打と打点を稼いでくれる中田翔の代わりの選手

おそらく大半の部分が即答できないのではないでしょうか。
今季こそ五十幡や野村、郡ら若手の活躍で埋まる部分はあるかもしれませんが、入団して間もない若手の彼らはプロの水に馴れておらず、本来は2軍で体作りを行いつつ、直す部分は直す、伸ばす部分は伸ばす野球で、数年後に向けて大きく育てる方がよいのではないでしょうか。

中田や近藤らといった選手を主力と呼ぶなとまでは言いませんが、彼らには主力として頑張っていただく傍ら、何かあった時のためのバックアップ要員の育成も行うべきであると考えている次第でございます。
以下のポジション表は今回のドラフト指名と併せて私が独断で考えたものとなります。

ポジション表

基本的には上記にポジション配置で、調子のいい人を使っていくというのが理想に近いのかなと考えています。これによって仮に主力にトラブルが生じたとしてもバックアップ戦力として最低限の穴埋めを行い、同時に2軍では万波や上野・細川、今回指名した前田君のような若手の育成に専念するといった環境構築を引き続き行うことができます。

ただし最近では西川・近藤の守備の負担が大きく、一塁でのコンバート案も出てきているため、次世代主力となれるような大卒外野手の指名も今後視野に入れなければいけないかもしれません。
二遊間同様そのポジションを守れる人自体はいるのですが、打撃面でこれませの主力と同様の力を発揮できる存在は少ないので、長い目での育成をする必要があるでしょう。今回の山本ダンテ外野手の指名の裏背景にはそのような目論見もあります。
よく戦力分析では守備位置として補強すべき、すべきでないと見られることが多いですが、このように攻撃としての役割の面にも注目してみるのも良いのではないでしょうか

おわりに

ここまで読了お疲れ様でした。
これをもって計5回にわたるGWドラ2021日ハム陣営の振り返りを終了したいと思います。

私自身仮想ドラフトの経験はまだまだ少なく、加えて本職が阪神ファンであり、日本ハムに関しては知識が薄い中での参戦でしたが、サポーター含め多くの方々に助けられて今回完遂することができました。
今後も球団問わず仮想ドラフトにはかかわっていきたいと思っています。

さて仮想ドラフトというのは第一にファン同士が交流を深めあい、プロ野球をより楽しむために行うものだと思っております。
今回の私の記事はあくまで私の意見に過ぎず、ベストアンサーではございません。皆さんが思っていることがベストアンサーであり、同時に私の意見に対してコメントや意見をいただけると嬉しく思います。

それではみなさん、最後までありがとうございました。
楽しいプロ野球ライフをお過ごしください。

2021年6月某日 長谷川稀叶

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