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歌舞伎座の大間(ロビー)で、会話をかわすべきか。それとも…

コロナウィルスの脅威のなか、歌舞伎座が開いてはや一ヶ月。

 8月は大きな事故もなく、無事、千穐楽を迎えてなによりめでたく思う。

 9月の大歌舞伎は、昨日1日から始まっている。8月と同じ四部制を取る。警戒態勢を緩めることなく、積み上げてきた予防のためのオペレーションで、今月も乗り切っていくことだろう。

 観客の方も、さらに気を引き締めなければと思っている。劇場へ行くのが、日常になれば、おのずと緩みも生まれる。現在は、友人、知人と劇場で会っても、立ち話もままならない。ロビーでの雑談もはばかられている。

 こうした「規制」を「分断」と呼んで、忌み嫌ってはいけないと思う。

 たしかに親しい友人と劇場であれば、月旦ばかりではなく、今、観た芝居の感想を話したい。それも含めての劇場だという思いは、一方である。

 ただ、しばらくは、こうした欲望よりは、芝居がコンスタントに上演できること。それが私たちの日常に組み込まれることを最優先にしたい。

 もっとも、私は、歌舞伎座のロビーで世論ができることは、あまり好ましくないと思ってきた。特に、劇評を書く人間が、役者や型などについて、短評を交わす。たしかに、専門家同士の会話は楽しいものだが、それが、家に帰って書く劇評に影響を与えるのはいかがなものかと思ってきた。

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年々、演劇を観るのが楽しくなってきました。20代から30代のときの感触が戻ってきたようが気がします。これからは、小劇場からミュージカル、歌舞伎まで、ジャンルにこだわらず、よい舞台を紹介していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。