大向うさんの心持ちを思う。歌舞伎の大事な一部について。
大向うを大切に思うのは、歌舞伎を構成するだいじな一部分だと思うからだ。確かに役者や地方を観に行く人はいても、大向う目当てというのは聞かない。(ごめんなさい。○○会の某さんでなけりゃ「石切梶原」は見られない、べらんめえ、という通もいるのかもしれません。)
私にとって大向うの調子は、芝居を盛り上げるというよりは、舞台上の人々とともに創っている創作者である。
なので、今月でいえば大向うを欠いた『石切梶原』や『魚屋宗五郎』は、炭酸を欠いたハイボールになる。
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年々、演劇を観るのが楽しくなってきました。20代から30代のときの感触が戻ってきたようが気がします。これからは、小劇場からミュージカル、歌舞伎まで、ジャンルにこだわらず、よい舞台を紹介していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。